安青錦、日本国籍取得の意向「将来、親方になりたい」 FCCJ会見で戦火越えた歩みと大関昇進への覚悟語る

ウクライナ出身の小結・安青錦(21)が、東京・日本外国特派員協会(FCCJ)の会見で「将来は日本国籍を取得し、親方になりたい」と語り、大関昇進への意欲とともに土俵人生への覚悟を示した。(写真/FCCJ提供)
ウクライナ出身の小結・安青錦(21)が、東京・日本外国特派員協会(FCCJ)の会見で「将来は日本国籍を取得し、親方になりたい」と語り、大関昇進への意欲とともに土俵人生への覚悟を示した。(写真/FCCJ提供)

ウクライナ出身で大相撲の小結・安青錦(あおにしき、本名・ダニーロ・ヤブグシシン、21、安治川部屋)が10月9日、東京・丸の内の日本外国特派員協会(FCCJ)で記者会見を行い、将来的に日本国籍の取得を目指す意向を明らかにした。幼少期の相撲との出会いから、戦争による祖国離脱、日本での躍進、そして引退後の将来像まで、自身の歩みと覚悟を語った。

ウクライナ出身の小結・安青錦(21)が、東京・日本外国特派員協会(FCCJ)の会見で「将来は日本国籍を取得し、親方になりたい」と語り、大関昇進への意欲とともに土俵人生への覚悟を示した。FCCJ
ウクライナ出身の小結・安青錦(21)が、東京・日本外国特派員協会(FCCJ)の会見で「将来は日本国籍を取得し、親方になりたい」と語り、大関昇進への意欲とともに土俵人生への覚悟を示した。(写真/FCCJ提供)

安青錦は「相撲が好きで、できれば指導もしたい。親方になるには国籍を変えないといけない。将来の話だが、なれるのであればなりたい」と語り、現役引退後に日本相撲協会に残る道も見据えていることを明言。親方として協会に残るためには日本国籍が必要となる。

6歳で柔道を始めたが楽しめず、稽古後に先輩たちが行っていた相撲に魅力を感じたことが競技の原点だったという。「勝負が早く決まり、ルールも分かりやすかった」と語り、その後はレスリングと並行して競技を続けた。12歳の頃に大相撲の取り組みを見たことで「いつかプロになりたい」と思い始めた。

ロシアによるウクライナ侵攻後に日本での稽古生活へと踏み出し、わずかな期間で頭角を現して小結へ昇進。9月の秋場所では新入幕から4場所連続となる11勝を挙げ、「直近3場所で33勝」という大関昇進目安への起点を作った。11月の九州場所では新関脇昇進が確実視されている。

「三役に上がったので次に目指すのは大関。今までやってきたことをしっかりやり、さらに上に上がれるよう努力したい」と意欲を示し、「勝っていない相手がいるというのは、まだ伸びしろがあるということ」と前向きな姿勢を強調した。

家族については「現在はドイツに避難しており、安全に生活している」と説明。「自分の相撲を見て一人でも元気になってくれたらうれしい」と語り、祖国への思いもにじませた。休養日には睡眠を大事にし、日々の鍛錬では「ベンチプレスは210キロほど」と語るなど、肉体面の充実ぶりも明かした。

精神面については「自分自身が最大のライバル。負けても落ち込む時間はない。明日勝てばいい」と語り、「自分で選んだ道をまっすぐ歩き続け、横綱を目指す」と力強く締めくくった。

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