自主映画の登竜門として知られる「第47回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)2025」が、9月6日から20日まで国立映画アーカイブ(東京都中央区)で開催される。運営側は今年の上映企画として「ヌーベルバーグ」をキーワードに、6つの特集企画で計59作品を上映すると発表した。
日本映画界を支えてきたPFFの歴史
1977年に始まったPFFは、コンペティション部門「PFFアワード」を通じて190人以上のプロ監督を輩出してきた。黒沢清、佐藤信介、荻上直子、石井裕也、李相日、山中瑶子、早川千絵ら、日本映画を代表する監督たちがその出身者として名を連ねる。
ヌーベルバーグ特集と豪華ゲストセレクション
今回の目玉は「ヌーベルバーグ」特集だ。ジャン=リュック・ゴダールやフランソワ・トリュフォーらの歴史的名作を上映する「映画史的ヌーベルバーグの代表作」に加え、大島依提亜、仲野太賀、秦早穂子、ピーター・バラカン、山下敦弘、山中瑶子、吉田大八、李相日ら8人が、それぞれにとっての“新しい波”となった作品を選び解説する企画「私のヌーベルバーグ作品」も実施される。
日本映画の多様性を示す特集企画
「世界が驚く日本の8mm映画たち」では、ハーバード大学が所蔵する自主映画をデジタル上映し、手塚眞監督の『MOMENT』など貴重な作品を紹介する。さらに、女優・梶芽衣子のデビュー60周年を記念した「私が憧れた女優たち」特集や、2025年に逝去した篠田正浩監督を偲ぶ『夜叉ヶ池』の上映も予定されている。
また、コンペティション部門「PFFアワード」では22作品が選出された。加えて、PFFプロデュース作品である蘇鈺淳監督の『メイメイ』が完成披露上映されることも決まった。
開催情報
映画祭は会期中の月曜を除き連日開催される。詳細は公式サイト(https://pff.jp/47th/)で公開されている。
編集:梅木奈実 (関連記事: 台湾の蘇鈺淳監督、新作『メイメイ』がPFFで上映決定 《風傳媒》が荒木啓子総合ディレクターに独占取材 | 関連記事をもっと読む )
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