日本の政局が大きく動いている。石破茂首相は7日、自民党総裁および首相職を辞任すると表明し、国内外に衝撃を与えた。後継を決める総裁選はすぐに始まるが、自民党と与党連立は参議院・衆議院ともに過半数を失っており、これまでのような「自動当選」にはならない。野党側が首相ポストを奪う可能性も残される中、注目の焦点は前経済安全保障担当大臣・高市早苗(64)に集まっている。彼女が当選すれば、日本史上初の女性首相が誕生することになる。
高市早苗とは?「日版鉄の女」と呼ばれる理由
高市早苗(64)は経済安全保障担当大臣、総務大臣などを歴任し、党内での経験は豊富だ。昨年の総裁選では石破氏に惜敗したが、今回再び有力候補として浮上している。彼女は保守的な政治姿勢で知られ、憲法改正を主張し、靖国神社参拝を続けている。また、日銀の利上げに反対し、大規模な財政出動による経済刺激策を訴えている。海外メディアからは「日本版の鉄の女」と称されており、初の女性首相として歴史を刻む可能性が高い。
高市早苗が当選した場合、台湾への影響は?
高市氏は安倍晋三元首相の遺志を継ぎ、台湾との関係強化を公言してきた人物だ。「台湾を第二の香港にしてはならない」と繰り返し強調し、蔡英文総統とのオンライン交流や、複数の場での台湾支持発言でも知られている。もし首相に就任すれば、経済安全保障や防衛分野を中心に台日関係が一層強化されるとみられる。
「ダークホース」視される小泉進次郎とは?
小泉進次郎(44)は、元首相・小泉純一郎の子息である。農林水産大臣として「コメ価格引き下げ」政策を進め注目を浴び、改革派イメージで若年層から支持を得ている。ただし経済政策は未だ不透明であり、リベラル寄りの姿勢が自民党内の保守層支持を弱める懸念もある。
林芳正の立ち位置
内閣官房長官の林芳正(64)も総裁選への出馬を表明した。防衛、外務、農水などの閣僚を歴任し、「救火隊」として危機的局面でポストを任されてきた実績を持つ。高市氏や小泉氏に比べ現状維持を志向し、日銀の独立性尊重を掲げる。外交面では「対話重視」の姿勢を取っており、中国に近いと評されることもあるが、本人は「親中派」というレッテルを否定している。
自民党総裁選の仕組み
第1回投票:合計734票。国会議員367票と党員票367票で構成され、過半数を得た候補が当選。
決選投票:過半数に届かなければ上位2人で決選を行う。ここでは国会議員票に加え、47都道府県連の各1票が加わる。
この制度の特徴は、国会議員の支持に加え、地方組織や党員の動員も不可欠である点だ。総裁選は派閥間の力学と民意のせめぎ合いが凝縮される舞台でもある。
編集:梅木奈実 (関連記事: 石破茂氏辞任で自民党分裂回避 台湾は高市早苗を期待、米トランプと露プーチンの反応分かれる | 関連記事をもっと読む )
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