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中国は本当に台湾に侵攻するのか?米シンクタンク:台湾侵攻シナリオの実現性を覆す4つの理由とは 九三軍事パレードに参加する中国の女性兵士。(写真/AP通信提供)
この報告書「脅威の再考:中国が台湾に侵攻する可能性は極めて低い」は、元米海兵隊士官のダン・グレイザー(Dan Grazier)、戦略学者のジェームズ・シーベンス(James Siebens)、中国経済専門家のマッケナ・ローリンズ(MacKenna Rawlins)によって共同執筆され、防衛戦略・計画プロジェクトおよび国家安全保障改革プロジェクトに属する研究成果である。
9月3日、米国のシンクタンク「スティムソン・センター(Stimson Center)」の公式サイトにおいて、報告書「脅威の再考:中国が台湾に侵攻する可能性は極めて低い」が公開された。(画像/スティムソン・センター公式サイトより) 報告は、中国が台湾に軍事侵攻する際に直面する困難を四つの側面から分析している。
核戦争リスク :米中双方が核兵器を保有しており、台海衝突が核戦争に発展する可能性は、北京当局が決して軽視できないボトムラインである。政治的代償 :中国は人口高齢化と一人っ子政策により適齢兵力が減少しており、若年層には反戦感情が強い。高い死傷者数は中国共産党の正統性を揺るがしかねない。経済的打撃 :台湾海峡は世界の重要な海上輸送路であり、封鎖や制裁は中国の貿易の生命線を直撃し、敵国以上に中国自身を傷つける可能性が高い。地形的障害 :台湾は湿地、水田、山岳、都市が入り組んでおり、上陸作戦は極めて困難である。報告は米軍の俗語「Tanks don’t go where the cattails grow(戦車は蒲が生える場所には行けない)」を引用し、機甲部隊の行動制限を強調している。報告は、これらの要因によって侵攻は「極めて不可能」に近いと結論づける。軍事的困難は克服可能であるものの、その代償はあまりに大きいと指摘する。また、2016年以降、米国が「中国の台湾侵攻」への懸念を理由に国防予算を急増させてきたことも批判。F-35戦闘機、B-21爆撃機、コロンビア級潜水艦やAI指揮システムなどの調達事業はすべて「台湾侵攻シナリオ」に正当性を見出しており、冷戦期の「フルダ・ギャップ(Fulda Gap)」モデルを引き継ぎ、台湾を新たな戦略的焦点として軍産複合体に奉仕していると論じた。
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ただし、報告は同時に、この議論が「合理的行為者モデル」に過度に依存しているのではないかと疑問を呈している。戦略的誤算、内部権力闘争、あるいは「限定戦争」のエスカレーションといった不確定要素を軽視している可能性があるとし、米国の政策コミュニティに対して、より現実的なリスク評価を行うよう呼びかけている。
胡振東氏の見解:非合理的決定と潜在的リスク 元米国防総省高官の胡振東(Tony Hu)氏は《風傳媒》の取材に対し、西側の戦略コミュニティはしばしば「ミラー・イメージング(Mirror Imaging)」の誤りを犯し、西側的な論理で中国の習近平国家主席の行動を推し量ろうとすると指摘した。だが習氏が追求する「民族復興」への強い願望は、理性的な計算だけでなく感情に突き動かされており、西側の視点からは不合理に見える代償を進んで受け入れる可能性があると分析した。
さらに胡氏は、習氏が「今行動しなければ、将来はより困難になる」と考えるリスクを警告。米国とその同盟国が第一列島線を一体の防衛圏として統合し、共同作戦能力を強化していることが、習氏の戦略的不安を一層高める恐れがあると指摘した。
元米国防総省高官の胡振東(トニー・フー、Tony Hu)氏。(写真/柯承惠撮影) 胡振東氏は、中国が戦略的牽制を図るため、ロシア、北朝鮮、イランの支援を求める可能性があると推測している。また、米国には脅威評価モデルが存在するものの、近年の行動を見る限り、その活用が従来ほど機能していない可能性を指摘した。
核戦争のリスクについては、胡氏は可能性は低いとの見方を示した。「習近平氏はプーチン氏のように威嚇を口にするかもしれないが、核の応酬が中華民族に壊滅的な打撃を与え、中国の一部地域を居住不能にし、自らが築こうとする歴史的遺産を破壊することを理解している」と述べた。
一人っ子政策による兵力不足の指摘について、胡振東氏はその影響は誇張されていると述べた。「もし親が唯一の子を失うことを本当に心配するのであれば、そもそも子どもが軍に入ることを許さないだろう。中国では、子どもが親の意向に逆らうことは滅多にない」と語った。
北京で多数の人員が動員された九三軍事パレード。(写真/中国中央テレビ提供) 胡振東氏は、台湾海峡での戦争は中国経済に深刻な打撃を与えると強調した。特に沿海経済圏は中国経済のエンジンであると同時に、戦時には最も被害を受けやすい地域だと指摘する。彼の試算によれば、中国共産党による台湾侵攻の成功率は5%未満にとどまるという。台湾海峡は「完璧な殺戮地帯(kill zone)」であり、人民解放軍には身を隠す場所がないためである。唯一勝機があるとすれば、それは台湾内部に潜入する「第五列」のスパイに依存し、開戦前後に破壊活動や混乱を引き起こす場合だと分析した。
翁履中氏の見解:戦略的な言葉と実際のコミットメントの間のギャップ アメリカのサム・ヒューストン州立大学の副教授である翁履中氏は、「脅威の再考:中国が台湾に侵攻する可能性は極めて低い」という報告書の価値は、アメリカの戦略言語と現実とのギャップを浮き彫りにしている点にあると指摘している。アメリカの防衛体制は、「中国に打ち勝つことを確保する」から「中国がアメリカに手が届かないようにする」ことにシフトしているという。
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この「制限的防衛圏」への転換は、台湾の役割をより曖昧にしている。一方でアメリカは台湾への支持を強調し、軍事協力を強化しているが、他方では依然として明確な防衛の約束を避けている。翁氏は次のように指摘している。「アメリカは台湾に『助けない』とはっきり言わない限り、暗に『自分たちで頑張れば、こちらも支援する』と言うことができ、台湾もそれに応じて努力することになる」と述べている。
アメリカ・テキサス州のサム・ヒューストン州立大学副教授、翁履中氏。(写真/柯承惠撮影) 翁履中氏は、ワシントン内部での中国に対する見解が二つに分かれていると指摘している。一つは、中国の軍事成長が速すぎるため、アメリカはもはや絶対的な優位を持っていないとし、「拒止戦略(Strategy of Denial)」を採るべきだとする立場である。アメリカの防衛戦略の主要な推進者であり、戦争部の助理部長であるエルブリッジ・コルビー(Elbridge Colby)は、「アメリカは中国を打ち負かすべきだ」という立場ではなく、「アメリカは本当に守るべき場所を守るべきだ」と強調する人物である。もう一つの立場は、「軍備を増強して中国を動けなくさせるべきだ」と強く主張するもので、アメリカ合衆国上院軍事委員会の主席であるロジャー・ウィカー(Roger Wicker)を代表とし、彼らは軍需産業と密接に関係しており、アメリカが軍備を強化すれば、再び優位性を取り戻せると信じている。
8月30日、米国参議院軍事委員会の共和党議員ウィッカー氏が台湾を訪問。(写真/鍾秉哲撮影) 翁履中氏は警鐘を鳴らし、台湾の軍事力が北京に対する抑止力としては限界があると指摘した。「軍事力をいくら強化しても、北京にとってはただの遊びに過ぎない」と述べた。実際に北京が足踏みするのは、戦争がもたらす全体的な代償、つまり民族の分裂、経済の断絶、技術協力の停止、国際社会の反発などであると強調した。翁氏は、台湾の真の安全は多層的な構造の上に成り立つべきだと提言した。それは、産業基盤、技術優位、社会的レジリエンス、国際的なつながりであり、軍事力はその最外層に過ぎないという。
戦争の物語と国際的現実のギャップ スティムソン・センター が発表した報告書『脅威の再考:中国が台湾に侵攻する可能性は極めて低い(Rethinking the Threat: Why China is Unlikely to Invade Taiwan)』は、主流の「中国が間もなく台湾に侵攻する」という前提に疑問を投げかける一方で、戦略評価における盲点を指摘する議論も呼び起こしている。
胡振東氏は、非合理的な意思決定や誤った判断の可能性を無視すべきではないと警告している。翁履中氏は、アメリカは台湾に対する支持の言葉を維持しているものの、その本当の目的は台湾海峡のリスクを引き受けることではなく、自国の利益を守ることだと指摘している。
三者の視点が交錯し、戦争がまだ起こっていないにもかかわらず、すでにリソースが分配されているという、より複雑な戦略的現実が浮き彫りとなる。この「まだ起こっていないが、すでに構築された戦争」の中で、台湾が明確にすべきことは、自分の本当の立場と駆け引きのカードが何であるのかということだ。その答えは、戦場にはないかもしれない。
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