イスラエル軍は、パレスチナ武装組織ハマス(Hamas)への軍事行動を一層強化しており、ガザ市(Gaza City)に対して「猛烈な攻勢」を実施する準備が整ったとして、市民に直ちに避難するよう呼びかけた。
「強烈な嵐」の警告と国際社会の懸念
AFP通信やロイター通信によると、イスラエルはこれまでにも「最後の人質を解放しなければ、ハマス拠点を壊滅させる」と警告しており、「強烈な嵐」と表現した攻撃の開始を示唆していた。

国際社会からは停戦を求める声が高まっているが、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は「現在の爆撃は始まりにすぎない。本当の行動はこれからだ」と強調した。
空爆と避難呼びかけ
イスラエル軍のアラビア語報道官アヴィハイ・アドレイ氏はX(旧Twitter)に投稿し、「ガザ市のすべての住民へ。国防軍はハマスを必ず打倒し、ガザ市で猛烈な行動を取る」と警告した。
AFPの現地記者によれば、イスラエル軍機はガザ市上空から数百枚のビラを投下し、市民に南部ハンユニス(Khan Younis)のマワシ地区(Al-Mawasi)へ避難するよう促した。同地区はイスラエルが「人道的区域」として指定している。
市民の証言と激化する戦闘
数日間にわたり続く激しい空爆で、ガザ市の高層ビルは次々と破壊された。市民のライラ・サクルさん(40)は「私たちが聞こえるのは爆発音と救急車のサイレンだけ。イスラエルはすべてを壊し、思い出さえも奪っていく」と電話取材に答えた。
停戦交渉は難航
イスラエルがガザ市の全面制圧に向けて動く中、停戦交渉はいまだ合意に至っていない。米国のニュースサイトAxiosによると、ドナルド・トランプ大統領の特使スティーブ・ウィトコフ氏が先週、ハマスに対して人質解放と停戦に関する新たな提案を提示したという。
ホワイトハウスは詳細を明らかにしていないが、トランプ氏は「まもなく良い知らせを聞くことになるだろう」と述べた。 (関連記事: ガザで前代未聞の飢餓:2時間に1人死亡! 骸骨のような子どもが病室に溢れ、イスラエルが援助制限で「徐々に餓死」 | 関連記事をもっと読む )
編集:梅木奈実
世界を、台湾から読む⇒風傳媒日本語版X:@stormmedia_jp