ベトナム北部で広範囲に洪水、8人死亡・5人行方不明　三河水位40年ぶりの高水準

台風21号(マットゥモ)がもたらした豪雨により、ベトナム北部で記録的な洪水が発生し、いくつかの村の街道が浸水した。ベトナム環境省によれば、山岳地帯である北部地域では6日から突然の洪水と土砂崩れが発生し、これまでに8人が死亡、5人が行方不明となっている。

AFPの報道によると、ベトナムの首都ハノイから北へ約80キロのタイグエン市では、洪水の水位が車の屋根や家屋の屋根まで達し、数万人が家に閉じ込められるか、水害から逃れるために避難を余儀なくされた。

ベトナム気象局によれば、今朝までに、タイグエン市を流れるカウ川の水位は、昨年9月に台風11号(ヤギ)が襲来した際の記録である28.81メートルを1メートル以上超えていることが明らかになった。

ベトナム国営テレビは、昨夜から今日にかけて、北ベトナムのバン川、トゥオン川、チュン川（訳音）の最高水位が、1986年以来見られなかった水準に達し、過去40年で最も高い水位となっていると報じている。チュン川は中国との国境に位置するランソン省にあり、その最高水位は従来の記録を約2メートル上回ると予測されている。

昨夜から今朝にかけて、タイグエン、カオバン、ランソンの3省の住民の親族が、停電や物資不足を訴え、SNSで救援を求める投稿を行っている。

「我々の（タイグエン省の）家の1階は完全に水没しています。両親と5人の子どもたちが取り残され、食べ物や水が十分にありません。昨夜から連絡が途絶え、彼らは緊急の助けを必要としています。」と記された投稿が数百件に上っている。

台風21号(マットゥモ)は6日にベトナムに接近した際には勢力が弱まっていたが、北ベトナムで甚大な被害をもたらした。1週間前にベトナム中部が台風20号(ブアローイ)による大規模な洪災を受け、少なくとも56人が死亡し、経済損失は推定7億1千万ドル（約1082億円）に上るとされている。

ベトナム軍は、ランソン省で2機のヘリコプターを使い、浸水地域に4トンの水やインスタントラーメン、ビスケット、牛乳、救命胴衣を空輸し、被災者への支援を行ったことを明らかにした。

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編集：柄澤南 （関連記事： 舞台裏》台湾・花蓮県馬太鞍渓のせき止め湖悲劇、台大チームが方針を大転換！ ｜ 関連記事をもっと読む ）

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