日台考古学の祭典!宮崎の貴重な埴輪が台湾に初上陸 十三行博物館「静土有声」特別展が開幕

2025-10-14 14:06
日本・宮崎県立西都原考古博物館が所蔵する、全長1メートルの日本独自の埴輪が、初めて台湾の十三行博物館で公開された。(写真/十三行博物館提供)
日本・宮崎県立西都原考古博物館が所蔵する、全長1メートルの日本独自の埴輪が、初めて台湾の十三行博物館で公開された。(写真/十三行博物館提供)
目次

【台湾・新北市発】十三行博物館は、宮崎県立西都原考古博物館との連携で「静土有声:日台古代文物対話特別展」を開催しています(会期:2026年3月1日まで)。

本展は、台湾北部の「十三行文化」と日本の九州の「古墳時代文化」との間で深い文化の対話を試みるもので、国内外の主要博物館。機関が所蔵する貴重な文物が一堂に会します。台湾で初めて公開される日本の特色ある埴輪、そして、新たに公開される十三行遺跡からの出土品11点も見どころです。展示では、サステナビリティ(持続可能性)の理念がキュレーションに取り入れられており、地域や時空を超えた文化交流を紹介します。

新北市副秘書長の龔雅雯氏は、「十三行博物館は西都原考古博物館との交流を通じて、“ローカルから世界へ”をテーマに、古代の暮らしや信仰を紹介し、サスティナブルな展示で文化と教育の持続可能性を追求している」と述べた。
新北市副秘書長の龔雅雯氏は、「十三行博物館は西都原考古博物館との交流を通じて、“ローカルから世界へ”をテーマに、古代の暮らしや信仰を紹介し、サスティナブルな展示で文化と教育の持続可能性を追求している」と述べた。(写真/十三行博物館提供)

ローカルから世界へ、サステナブルな精神を展示に

新北市政府副秘書長の龔雅雯氏は、次のように述べています。

「新北市立十三行博物館は、2013年に宮崎県立西都原考古博物館と姉妹館協定を締結して以来、密接な交流を続けてきました。今回の展覧会では、八里の地域文化を展示に取り入れ、来場者が“ローカルから世界へ”つながる体験ができるように考えられています。墓葬に関する文物を通じて、一千年前の人々の暮らし、信仰儀式、社会組織などを紹介し、生命、社会、人生の永続性について深く考えるきっかけを提示しています。また、展示企画や、展示空間のデザイン、イベント運営の全てにおいて、サスティナビリティの理念を導入し、環境にやさしい素材を使用するとともに、電子書籍や展示会場の360度景観、音声ガイドなどを活用することで、年齢や場所を問わず、誰もが学べる環境を整え、文化資産の持続可能性と教育の平等を実現する取り組みを行っています。」

十三行博物館は、宮崎県立西都原考古博物館との連携により、「静土有声:日台古代文物対話特別展」を開催している。
十三行博物館は、宮崎県立西都原考古博物館との連携により、「静土有声:日台古代文物対話特別展」を開催している。(写真/十三行博物館提供)

10年を超える友情、日台の文化交流をさらに深めて

遠路はるばる台湾を訪れた宮崎県立西都原考古博物館の長友由美子館長は、挨拶の冒頭で、先日台湾を襲った台風水害の被害に対して、深い哀悼とお見舞いの言葉を述べ、心からの気遣いを示しました。長友館長は、十三行博物館との間に10年以上にわたって友好関係を育んできたことに深い感慨を示し、「考古学を通じ、過去を知り、今を認識し、未来を創造する活力を築く」という西都原考古博物館の核心理念に照らし、今回の展覧会がまさにその理念を体現する取り組みだと語りました。また、もの言わぬ文物同士の時空を超えた対話を通じて、台湾の人びとが、日台が共有してきた歴史的文脈や命の物語をより深く理解し、双方の友好がより一層深まることに期待を寄せました。

国内外の機関が連携 遺跡からの新出土品が初公開

新北市立十三行博物館の羅珮瑄館長は、次のように語っています。 (関連記事: 台湾・新北初のSDGsへの取り組み計画を発表した博物館 十三行博物館が千年の歴史から持続可能な未来へ 関連記事をもっと読む

「今回の特別展は、日本の宮崎県立西都原考古博物館をはじめ、宮崎市教育委員会、新富町教育委員会、並びに台湾の中央研究院歴史語言研究所、国立台湾大学人類学博物館など、台湾内外の主要機関が連携、共同参画して実現した初の試みです。各館が所蔵する貴重な文化財が一堂に会する中でも、特に注目されるのは、台湾で初公開となる日本の特色ある埴輪、そして、新たに公開される十三行遺跡から出土した11点の文物です。機関の別を越え、分野を越えた緊密な協力により、ご来場の皆様に、これまでにない考古学をご体験いただける展示になっています。」

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