トランプ氏のビザ廃止で韓国エリート教育大激震、留学先は日本・香港・シンガポールへ

2025-10-14 11:15
済州国際自由都市開発センター(Jeju Free International City Development Center、略称JDC)の国際教育計画は、トランプ氏の排外的な政策により不確定な影を落としている。(画像/JDC公式サイト提供)
済州国際自由都市開発センター(Jeju Free International City Development Center、略称JDC)の国際教育計画は、トランプ氏の排外的な政策により不確定な影を落としている。(画像/JDC公式サイト提供)
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アメリカのトランプ大統領による激しい政策変動を受け、かつて韓国のエリート層にとって当然の選択肢であったアメリカ留学の道は、今や霧と不安に包まれている。『日経アジア』は11日、ハーバード大学やコロンビア大学などのアイビーリーグ校の輝きが薄れつつある中、資産家の韓国の親たちが、徐々に目を西から東へと向け始めたことを報じている。予想外の選択肢として、アジアが静かに台頭しているという。

2028年に卒業予定のEun Serenaさんにとって、ハーバード大学やコロンビア大学で心理学を学ぶことは、かつて手の届く夢であった。彼女が通う学校であるイギリスの名門校「North London Collegiate School(NLCS)」の済州校は、西洋のトップ大学に進学する卒業生の輝かしい実績を誇り、それがすべての生徒や保護者にとっての信頼の源となっていた。

しかし、今年、Eunさんとその同級生たちは、アメリカで続いている劇的な変化を目の当たりにした。トランプ政権は、ハーバード大学やコロンビア大学などのトップ大学に対して数十億ドルの予算削減を行っただけでなく、数千人の国際学生のビザを取り消し、アメリカへの入国手続きは非常に厳しくなった。

この予期しない嵐は、キャンパス内でも目に見えない亀裂を生じさせた。アメリカ市民権を持つ少数の学生と、アメリカのパスポートを持たない大多数の学生との間に、微妙な不満や隔たりが生まれた。「クラスメートたちは皆、不安を感じている」とEunさんは語る。

『日経アジア』は、太平洋の向こうで起こったこの教育・移民政策の大変動が、アジア全体にも波紋を広げていることを指摘している。アメリカは長年、アジアの学生にとって高等教育の第一選択地であり、過去24年間で中国とインドに次いで、アメリカへの国際学生の第3位の供給国であった韓国にとって、今回の衝撃は特に大きかった。

済州島の「ユートピア」実験:富と人材を引き寄せるために生まれた教育特区

この嵐の影響がどれほど深刻であるかを理解するためには、まず済州島というグローバル教育都市を理解する必要がある。韓国の大学進学競争は異常に激しく、いわゆる「修能」と呼ばれる大学修学能力試験は、数多くの学生を明け方から深夜まで心身を害する「圧力鍋」式の学習地獄に巻き込む。そのため、子供たちをこの地獄から逃がすため、裕福な韓国の親たちはしばしば高校段階で子供を海外に送り、早い段階で外国の大学への道を切り開く。このような教育の「脱出」は、同時に大量の金銭の流出を意味している。

済州グローバル教育都市は、まさにこのような背景の中で生まれた。これは、国際的な名門校が分校を設立できる特別な教育区であり、韓国の学生を優先的に受け入れることなく、自由に韓国の学生を受け入れることができる。この教育区の核心的な目標は、子供たちが大学に進学する前に、彼らとその親の懐にある学費をできる限り韓国国内に留めることだ。

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