米中対立「72時間の冷却」内幕 財務長官ベッセント氏が会談継続協議を確認

2025-10-15 12:50
2025年10月12日、アメリカ大統領のトランプ氏がメリーランド州アンドリュース統合基地で中東に向けて搭乗を準備。(写真/AP通信提供)
2025年10月12日、アメリカ大統領のトランプ氏がメリーランド州アンドリュース統合基地で中東に向けて搭乗を準備。(写真/AP通信提供)
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先週、米中貿易戦争の緊迫感が再燃した中、13日に状況は劇的に転じた。米国と中国双方の関係者が密接にコミュニケーションを取っており、全面的な貿易戦争を避けるべく積極的な努力を続けていることが、アメリカ財務長官スコット・ベッセント氏によって確認された。彼はさらに、期待される米中首脳会談がなお開催される可能性があると述べた。ウォール・ストリート・ジャーナルによるとこの急速に「融氷」する事態の背景には、ホワイトハウスと北京のそれぞれの政治的および経済的計算だけでなく、市場を安心させ、首脳会談を救うための精巧に計画された筋書きがある。

財務長官ベッセント氏「米中は引き続き緊密に意思疎通を図っている」

「先週末、双方は実質的な意思疎通を行った」。米財務長官のジャネット・ベッセント氏は13日、Fox Businessの単独インタビューに応じ、動揺するウォール街に安心感を与える発言を行った。ベッセント氏は、世界銀行と国際通貨基金(IMF)の秋季年次総会の開催に合わせ、今週にも中国側の高官が相次いでワシントン入りし、「実務レベル」の対話が継続されると明言した。

この発言は、先週金曜日に市場を覆ったパニックへの明確な回答といえる。中国政府がハイテク製品に用いられる「レアアース磁石」の輸出規制を発表したことを受け、米国のドナルド・トランプ大統領は激しく反発。11月1日から中国製品すべてに100%の追加関税を課すと警告したうえ、月末に韓国で予定されていた米中首脳会談の中止を示唆した。この一連の発言をきっかけに世界の株式市場は急落し、両大国の関係決裂への懸念が一気に高まった。

しかし週末を経て、空気は一変した。ベッセント氏はインタビューで、トランプ大統領と習近平国家主席の会談が依然として韓国で開催されるとの見通しを示した。この会談はAPEC首脳会議の直前に行われる予定で、同氏自身もアジアで何立峰副首相と事前協議を行う考えを明かした。

「先週の発表にもかかわらず、米中関係は良好である」。ベッセント氏はこう述べ、関税引き上げの可能性をやわらげる一方で、中国側がレアアース磁石の輸出規制を撤回する必要があると強調した。さらに、この決定は習主席本人ではなく「下位の官僚」によるものとの見方を示し、中国側に対話の余地を残す姿勢もにじませた。

トランプ氏、再び急転換か 『ウォール・ストリート・ジャーナル』がホワイトハウスの二重戦略を暴く

ホワイトハウスの柔軟な態度に外部が驚く中、ウォール・ストリート・ジャーナルは13日、この「方向転換」の背後にある深層的な計算を報じた。複数の事情通の話として、トランプ大統領は「綱渡りのようなバランス戦略」を取ったと伝えている。すなわち、公の場では対中緊張を和らげ市場を安心させつつ、水面下では北京への圧力を緩めていないという。

急転換の背景には、先週金曜日の株価急落がある。再選後も経済の好調を維持したいトランプ政権にとって大きな打撃となったほか、政権が外交成果として誇っていた「中東和平合意」のインパクトが、新たな米中貿易摩擦の衝撃でかき消されたことへの焦りも重なった。トランプ氏は関税強化をちらつかせた直後、財務長官のベッセント氏ら側近と協議し、「アメリカは緊張緩和を望む」というメッセージを打ち出す方針を固めた。

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