台湾・台北駅で10分間放置された性暴行 通緝犯男を現行逮捕、目撃者が語る「無関心の闇」

警察の調べで、犯人は桃園地方検察署から通緝中の男であることが判明した。初期調査によると、男はホームレスに偽装し、長期間にわたり駅周辺を徘徊していたとみられる。(イメージ写真/顏麟宇撮影)
警察の調べで、犯人は桃園地方検察署から通緝中の男であることが判明した。初期調査によると、男はホームレスに偽装し、長期間にわたり駅周辺を徘徊していたとみられる。(イメージ写真/顏麟宇撮影)
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台湾・台北駅の中央ホールで、国慶節連休前日の10月9日午後4時ごろ、社会を震撼させる性的暴行事件が発生した。酔って倒れていたとみられる女性が、大勢の人々が行き交う構内の外周で、白い服を着た男に壁際まで引きずられ、約10分間にわたり性暴行を受けた。にもかかわらず、周囲の誰も止めに入らなかったという。

事件が発覚したのは、異変に気づいたマレーシア人旅行者が通報したことがきっかけで、警察が現場に駆けつけ、男をその場で取り押さえ逮捕した。調べにより、男は桃園地方検察署により通緝中の逃亡犯であることが判明した。

10分間誰も止められなかった理由とは

目撃者の証言によると、被害女性は全身の力が抜けており、抵抗できない状態だった。男はまず女性の手をつかみ、次に壁際まで引きずっていき、その場で何度も体を触るなどの性的暴行に及んだという。事件当時、駅構内には旅行者が絶え間なく行き交っていたが、周囲の人々は誰も介入しなかった。

異変に気づいた外国人旅行者が友人に通報を依頼し、警察が出動。到着後、男はその場で取り押さえられ、性自主妨害罪、乗機性交罪、公然わいせつ罪の容疑で現行犯逮捕された。事件は台北地方検察署に送致され、捜査が進められている。

犯人は桃園地検の通緝犯 「ホームレスに偽装」か

警察の調べによると、犯人は桃園地方検察署が通緝中の男性であることが確認された。初期調査では、男がホームレスを装い、台北駅周辺を長期間徘徊していたとみられている。

台北市社会局によると、市内で登録されているホームレスは403人で、そのうち約220人が台北駅周辺に集中しているという。この男が登録されているホームレスの一人かどうかについては、現在捜査中であり、詳細は確認中とされた。

台北駅が取る再発防止策 「人の多さの中で起きた事件」社会に衝撃

この事件は、交通の要所である台北駅という人通りの多い場所で発生し、しかも犯行が10分間続いても誰も止めなかったという事実が社会的な議論を呼んでいる。鉄路警察局は事件後、即座に北車(台北駅)周辺の警備体制を強化したと発表。巡回頻度を従来の2時間に2回から3回以上に増やし、24時間体制での監視を継続している。

警察は「不審な行動を見かけた際は、ためらわず通報してほしい」と市民に呼びかけ、犯罪の早期発見と防止への協力を求めている。

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