ウクライナ空軍の戦力強化、スウェーデンが大規模支援へ! 厳寒の戦闘環境に適する、150機のグリペン戦闘機の輸出検討

2025-10-23 22:57
2025年10月22日。ウクライナ・ゼレンスキー大統領とスウェーデン・クリステルソン首相がリンショーピングのサーブ社(Saab)で記者会見を行った。(AP)
2025年10月22日。ウクライナ・ゼレンスキー大統領とスウェーデン・クリステルソン首相がリンショーピングのサーブ社(Saab)で記者会見を行った。(AP)
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スウェーデンのウルフ・クリステルソン首相は22日、ウクライナとの間で長期的な防空協力協定を結んだと発表し、将来的にウクライナに最新のE型JAS(ヤス)グリペン戦闘機を最大150機提供する可能性があると述べた。ロイターは、これが実現すれば、スウェーデン史上最大規模の航空機輸出注文になると指摘している。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が最近スウェーデンを訪問し、南部の都市リンシェーピングでSaab社とスウェーデンのウルフ・クリステルソン首相に会った。この会社はスウェーデンの航空宇宙大手で、JAS-39グリペン戦闘機やGlobalEye偵察機、ミサイルシステム、対戦車兵器などの軍事装備を製造している。

2025年10月22日。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領とスウェーデンのウルフ・クリステルソン首相がリンシェーピングのSaab社で記者会見を行った。(AP)
2025年10月22日。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領とスウェーデンのウルフ・クリステルソン首相がリンシェーピングのSaab社で記者会見を行った。(AP)

ロシアが全面侵攻して以来、ウクライナはホワイトハウスや欧州の同盟国に対して強力な戦闘機供給を求めてきたが、供給は遅々として進まず、現在ウクライナが所有する戦闘機はアメリカ製F-16やフランス製ミラージュ2000など数が限られている。クリステルソン氏は、最初の戦闘機が3年以内に引き渡される可能性があり、ウクライナにいくらかの作戦上の優位をもたらすだろうと述べた。

クリステルソン氏は記者会見で「これは長い道のりであることは十分に承知しているが、今日から我々はあらゆる可能性を探求し、将来的にウクライナに多くのグリペン戦闘機を提供することを約束する」と述べた。古い型のグリペン戦闘機の早期配送についてはまだ決定されておらず、可能性も排除されていない。

なぜウクライナはグリペンを購入するのか?

ニューヨーク・タイムズによれば、グリペン戦闘機は1988年に初飛行し、軽量で多用途の戦闘機として防空、地上攻撃、遠距離攻撃などの任務を遂行できる。グリペンが搭載する武器はF-16と類似しており、どちらも超音速戦闘機である。

しかし、専門家によれば、グリペン戦闘機はF-16よりもウクライナ軍の作戦ニーズに適している可能性がある。少数で訓練を受けていないエンジニアからなる部隊による支援を考慮した設計がされているからだ。さらに、大規模な地上基盤施設がなくてもミサイルを迅速に装填できる。

航空専門家ギャレス・ジェニングス氏は「グリペンのファミリーは最初から、簡素な基地外の環境で操作できるよう設計されている…F-16や他の戦闘機も可能ではあるが、より多くの細部に注意を要し、操作の難易度が高い」と指摘している。

ジェニングス氏は、広大な土地を持つウクライナにとって、グリペンの利点として「ハイウェイ作戦」と呼ばれるもの、すなわち公共道路での離着陸が可能という点を挙げた。また、厳寒の環境でも迅速な給油ができる。 (関連記事: トランプ政権の「秘密外交」が破綻 米中貿易交渉、感情的対立で出口見えず 関連記事をもっと読む

過去2年間、ウクライナにグリペンの供給を行う可能性は議論されてきたが、昨年8月に基礎作戦をF-16配備に集中させるために一時停止された。ゼレンスキー氏は、来年からスウェーデンの戦闘機を受け取り使用する予定であると述べ、「我が軍にとってグリペン戦闘機は優先事項である。これは資金の問題であり、作戦機動性の問題でもある」と述べた。ロイターによれば、アメリカ製F-35などに比べてグリペンは耐久性があり、コストも低廉である。

2025年10月22日。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領とスウェーデンのウルフ・クリステルソン首相がリンシェーピングで会談した。(AP)
2025年10月22日。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領とスウェーデンのウルフ・クリステルソン首相がリンシェーピングで会談した。(AP)
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