【SMBC日本シリーズ2025第4戦】ソフトバンクが日本一に王手　山川3戦連発＆代打・近藤の一打で阪神を撃破

10月29日、阪神甲子園球場で行われた「SMBC日本シリーズ2025」第4戦は、福岡ソフトバンクホークスが阪神タイガースを3対2で破り、対戦成績を3勝1敗とした。これでソフトバンクは5年ぶり、通算12度目の日本一に王手をかけた。前日に続き緊張感の高い接戦となったが、山川穂高の3試合連続本塁打と小久保裕紀監督の的確な采配が勝利を引き寄せた。

試合は阪神・髙橋遥人、ソフトバンク・大津亮介の両先発で幕を開けた。初回は両チームとも三者凡退と静かな立ち上がりを見せたが、2回に均衡を破ったのはソフトバンクだった。先頭の山川が2ストライクからの4球目を完璧に捉え、バックスクリーン左へ先制のソロ本塁打。「少し先でしたが、いい見え方でしっかり自分のスイングができました」と山川は振り返り、これでシリーズ3試合連続のアーチとなった。

3回にはソフトバンクが二死一・三塁のチャンスを作り、柳町達が左翼ポール際へ飛球を放った。小久保監督がリクエストを要求し、リプレイ検証が行われたが判定はファウルのまま。髙橋は動じることなく柳町を空振り三振に抑えた。その裏、阪神は二死から栗原陵矢の失策で一・三塁の好機を得たが、3戦連続で適時打を放っていた佐藤輝明が中飛に倒れ、同点のチャンスを逃した。

試合が再び動いたのは5回だった。ソフトバンクは一死一・二塁の場面で、周東佑京の打球が髙橋の左肘付近を直撃。髙橋はベンチに退き、そのまま降板した。阪神は二番手・畠世周が一死満塁の難しい場面で登板。柳町の犠牲フライで1点を失ったものの、最少失点で切り抜けた。

6回にはソフトバンクが二死二塁のチャンスを迎え、ここまで好投を続けていた大津の打席で代打・近藤健介を起用。阪神バッテリーは勝負を選択したが、近藤が右翼前へタイムリーを放ち、リードを3点に広げた。「守りができない分、代打で結果を出したかった」と近藤。小久保監督の采配が見事に的中した。

阪神は8回、一死一・二塁から佐藤輝が中前に運び、4試合連続の適時打を記録。続く大山悠輔の二ゴロの間に1点を返して1点差まで詰め寄ったが、反撃はここまでだった。9回はソフトバンクの杉山一樹が無失点で締め、チームは勝利を守り切った。試合後、小久保監督は「とにかく一戦必勝。やることは変わらずに準備したい」と第5戦への意気込みを語った。

シリーズ第5戦は10月30日、同じく阪神甲子園球場で行われる予定。予告先発は阪神が大竹耕太郎、ソフトバンクが有原航平。阪神が踏みとどまるのか、ソフトバンクが頂点を掴むのか、注目が集まる。

この日の始球式は、ラグビー女子日本代表の長田いろは選手が務めた。長田選手は「ラグビーボールとは違うこの硬球、投げるのは難しかったですが、マウンドに立った瞬間の熱気と一体感は最高でした。野球の日本一を決める大舞台、熱く素晴らしい戦いになることを期待しています」と語った。

編集：梅木奈実 （関連記事： 【SMBC日本シリーズ2025第3戦】ソフトバンク、投手陣の粘りで2勝目！　阪神は再三の好機生かせず ｜ 関連記事をもっと読む ）

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