国土交通省は、機内におけるモバイルバッテリーを原因とした発煙・発火トラブルの急増を受け、2026年4月24日よりバッテリーの機内持ち込みおよび使用に関する規制を大幅に強化した。今回の改正は、国際民間航空機関(ICAO)が同年3月27日に承認した国際基準の緊急改訂に準拠したものであり、渡航者にはこれまで以上に厳格なルールの遵守が求められる。
新ルールにおける主な変更点は、以下の3点に集約される。
1.持ち込み個数と容量の制限
機内に持ち込めるモバイルバッテリーは、容量が160Wh以下の製品に限り、個数は1人につき2個までに制限される。なお、預け入れ荷物(受託手荷物)への収納は、従来通り引き続き禁止されている。
2.機内コンセントによるバッテリーへの「充電」禁止
機内のコンセントやUSBポートを使用して、モバイルバッテリー本体を充電する行為が全面的に禁止となった。
3.モバイルバッテリーによる他機器への「給電」禁止
機内でモバイルバッテリーからスマートフォンなどの電子機器へ給電する行為も不可となる。搭乗中はバッテリーの電源を切るか、接続を外した状態で保管しなければならない。
露呈した「容量未確認」のリスクと新ルールの浸透不足
モバイルバッテリーのシェアリングサービス「ChargeSpot」を運営する株式会社INFORICHが実施したアンケート調査(400名対象)によると、旅行者の約74%が機内へのバッテリー持ち込みに不安を感じている実態が明らかになった。
しかし、持ち込み可否の判断基準となる自身のバッテリー容量を正確に把握している人はわずか19.5%にとどまっており、約4割の利用者が容量を未確認のまま搭乗しているというリスクが浮き彫りとなった。また、今回の改正で追加された「機内での給電禁止」を知っている人は38.5%と低く、既存のルールに比べて新ルールが十分に浸透していない現状が顕著となっている。
専門家が警鐘「搭乗直前のフル充電」が必須に
航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏は、今回の法改正に伴い、持参するバッテリーが粗悪品ではないか、あるいは膨張などの変形がないかを事前に確認することの重要性を強調している。
鳥海氏によれば、機内では収納棚ではなく、足元など常に目の届く場所に置く必要があるという。また、機内での充電・給電が一切不可となるため、搭乗ゲート付近のスペースなどを活用し、「搭乗直前までに満充電にしておく習慣」が不可欠になる。
こうした規制強化を受け、重いバッテリーを自ら持ち込まず、旅先で必要な時だけ借りる「シェアリングサービス」の活用が、トラブルを回避しつつ安全に旅行を楽しむための新たなスタンダードとして注目を集めている。
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(関連記事: 台湾発便、モバイルバッテリー持ち込みを2個までに制限 機内充電禁止、違反に罰金も | 関連記事をもっと読む )編集:小田菜々香














































