黎智英氏に禁錮20年、FCCJが強く非難 国際記者団体らと「報道の自由の崩壊」を警告
香港の民主派メディア創業者、黎智英氏に禁錮20年の判決が下され、日本外国特派員協会など国際社会が報道の自由の終焉として強く反発している。(写真/AP通信社提供)
日本外国特派員協会(FCCJ)は2月24日、香港の民主派紙『蘋果日報(アップル・デイリー)』の創業者、黎智英(ジミー・ライ)氏に対し、禁錮20年の実刑判決が下されたことを受け、強く非難する声明を発表した。声明は、国境なき記者団(RSF)やジャーナリスト保護委員会(CPJ)など、主要な国際報道監視団体と足並みを揃えたものである。
「報道の自由の崩壊」を象徴する急激な悪化
国境なき記者団(RSF)の報告によれば、香港の「報道の自由度ランキング」は近年、18位から140位へと急落した。これは同団体の歴史上、最も急激な悪化であるという。
RSFのアジア太平洋局マネージャー、アレクサンドラ・ビエラコウスカ氏は、黎氏への有罪判決を「死刑宣告に等しい」とし、香港における報道の自由の完全な崩壊を象徴するものだと厳しく指摘した。
「棺に打ち込まれた最後の釘」――国際社会の反応
ジャーナリスト保護委員会(CPJ)のジョディ・ギンズバーグ氏は、今回の判決を「香港の報道の自由の棺に打ち込まれた最後の釘」と表現。ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)のエレイン・ピアソン氏も、独立したジャーナリズムを粉砕し、異論を封じ込めようとする中国政府の決意の表れであるとの見解を示した。
黎氏は2020年に逮捕され、2021年6月には当時の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が国家安全維持法を適用して『蘋果日報』を強制停止に追い込み、黎氏を含む少なくとも12人のジャーナリストやメディア関係者を起訴した。さらに2021年12月には、独立系メディア『立場新聞(スタンド・ニュース)』も、現旧スタッフ6人の逮捕を受けて閉鎖を余儀なくされている。
ジャーナリスト保護委員会の報告によると、黎氏は外国勢力との結託共謀および扇動的な資料を出版した共謀の罪で有罪判決を受けた。黎氏以外にも、外国勢力との結託を認めた『蘋果日報』の編集者や役員6人も量刑を言い渡されており、中には黎氏に不利な証言を行った者も含まれている。一方で、香港保安局は今回の判決を支持する声明を出し、「法の手続きが遵守され、正義がなされた」と主張している。
信頼と民主主義の根幹を揺るがす事態
FCCJは2022年、香港のジャーナリストらに報道の自由賞を授与した。その際、香港記者協会(HKJA)の陳朗昇(ロンソン・チャン)主席は、2021年のノーベル平和賞受賞者マリア・レッサ氏の言葉を引用し、「事実がなければ真実は得られず、真実がなければ信頼は築けない。信頼がなければ共有された現実は存在せず、民主主義も成立しない。そして、現代の存亡に関わる問題に対処することは不可能になる」と語った。FCCJは香港当局に対し、レッサ氏や陳氏の言葉を真摯に受け止め、ジャーナリストが訴追の恐れなく職務を遂行できるよう強く求めている。
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