プーチンの要求はドンバス割譲とNATO不加盟 トランプ構想と乖離

トランプはプーチンが「戦争に飽きている」と考える一方、外部の観察者は、プーチンが未だに最大の要求をあきらめていないと指摘。ウクライナがドンバス地域全体を譲ることやNATOに加盟しないことを求めており、これは国際法に違反するだけでなく、トランプが想定する「合意の迅速な終結」との間に隔たりがある。(AP)
トランプはプーチンが「戦争に飽きている」と考える一方、外部の観察者は、プーチンが未だに最大の要求をあきらめていないと指摘。ウクライナがドンバス地域全体を譲ることやNATOに加盟しないことを求めており、これは国際法に違反するだけでなく、トランプが想定する「合意の迅速な終結」との間に隔たりがある。(AP)
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アメリカのトランプ大統領は最近、「停戦」呼びかけを取り下げ、ロシアのプーチン大統領が推進する「恒久的な和平協定」への支持を示した。しかし国際法の専門家は、両者の国際秩序における位置づけには大きな違いがあると指摘する。停戦(ceasefire)は交渉や人道支援のための一時的措置であり、戦線は停止しても領土の支配状況は維持される。一方、和平協定(peace deal)は長期的かつ正式な条約で、両国関係や領土問題を含むものである。専門家は「武力で強要された協定は国連憲章に違反し、国際法上は無効」と警鐘を鳴らしている。

停戦を求める欧州、疑問視するトランプ

ウクライナや欧州の多くの首脳は、まず停戦を実現してからゼレンスキー大統領とプーチン大統領の会談に進むべきだと主張する。ドイツのメルツ首相は「停戦なしの次回会談は想像できない」と述べ、停戦は戦闘を緩和し、ウクライナが即座に領土割譲を迫られる事態を避ける役割を持つと強調した。だが、トランプ氏はホワイトハウスで「停戦は必要なのか」と疑問を呈し、アメリカの立場は次第にプーチン側へ傾いているとの見方が強まっている。

プーチンの狙いとトランプの認識のずれ

トランプ氏は「プーチンは戦争に疲れている」と語ったが、実際にはプーチン大統領は依然として最大限の要求を掲げている。ドンバス全域の割譲やウクライナのNATO不加盟の確約などがその一例であり、これは国際法に違反するものである。トランプ氏が想定する「短期間での合意」とは大きな隔たりがあり、プーチンの戦略はむしろ強硬であるとみられている。

国際法が和平協定を阻む理由

国際法学者ジェレミー・ピッツィ氏は「ウクライナ憲法もゼレンスキー大統領も、武力で奪われた領土を譲渡する権限はない」と指摘。「国際法は武力による領土征服を絶対に禁止している」と強調した。欧州の分析機関も「現実の戦線を受け入れたとしても、占領を合法化することはできない」としており、キエフにとっては停戦による戦線凍結が一時的な選択肢にすぎず、長期的な目標はあくまで領土回復にある。

トランプ氏、プーチン・ゼレンスキーの直接会談を期待

トランプ大統領は19日のインタビューで「ゼレンスキー大統領とは非常に良い会談をした。今は両首脳が直接会うのが最善だと思う」と発言。両者のやり取りを観察した上で必要なら自ら介入すると述べ、「おそらく私が最終的に合意をまとめられるだろう」と強調した。プーチンとゼレンスキーの直接対話によって妥協の余地を探り、自ら仲裁役となるシナリオを描いているとみられる。 (関連記事: 評論:ウクライナが領土割譲で戦争終結?台湾に突き付けられる警鐘 関連記事をもっと読む

戦後安全保障の構想

ホワイトハウスのリウィット報道官は19日、「米軍はウクライナに派遣しないが、欧州同盟国を通じて安全保障を支援できる」と表明。代理の国家安全保障担当補佐官ルビオ氏が主導する作業部会が戦後の安全保障構想を策定中で、武器供与や欧州軍の駐留が含まれる可能性がある。トランプ氏は「フランス、ドイツ、英国が部隊派遣を検討している」としつつ、米軍派遣には否定的な立場を示した。

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