台湾与党・民進党の党職員や元秘書ら複数名が、中国のスパイ活動に関与したとして摘発された問題で、民進党中央評議会の賴瑞隆主委は20日、中央評議会が本日一致で決議を下し、邱世元、黄取榮、何仁傑、呉尚雨、盛礎纓の5名を除名処分とし、党籍を剥奪することを発表した。これは党の規律と国家の安全を守るための措置であると説明している。
元立法院長の補佐官らも関与 党内の処分相次ぐ
スパイ容疑で関与が疑われている5名は、元立法院長・游錫堃の補佐官だった盛礎纓、国家安全会議秘書長・呉釗燮が外交部長を務めていた際の秘書・何仁傑、総統府の前総統府顧問・呉尚雨、民進党附属機関「民主学院」の元副主任・邱世元、さらに新北市議員・李余典の元特別助理・黄取榮である。
5人はすでに所属する民進党の地方支部により党員資格を剥奪されており、中央党部により正式な処分が下された。
「国家の安全と民主を守る」中央評議会が声明
中央評議会終了後、賴瑞隆主委は次のように語った。「現在、国際情勢は極めて厳しく、台湾は中国共産党の脅威にさらされている。国内のすべての政党は結束し、国家安全と自由民主という普遍的価値を守る責任がある」。
「関与した党員の行為は、法律に違反するだけでなく、民進党の党紀と核心的価値観に明らかに反している。国家を傷つけるような違紀行為は、断じて容認しない。民進党は台湾を守る最前線に立つ政党であり、党員はすべて法律と党紀を厳守し、国家利益を最優先に行動しなければならない。台湾を傷つける行為は決して許さない」と強調した。
「清廉と民主を守る決意を示す」――賴瑞隆氏が説明
賴氏は、「民主進歩党紀律評議裁決条例」第38条に基づき、「党員によるその他の違紀行為については、その情状の軽重に応じて、除名以下の処分を科すことができる」との規定を適用したと説明。今回の5人については、評議会での全会一致により、全員の党籍剥奪と除名処分が決定された。「これは清廉さを維持し、民主を守る民進党の強い決意の表れだ」と述べた。
また、賴氏は「中国共産党が台湾にスパイを送り込み、国家機密を盗もうとしているのは、極めて悪意に満ちた行為であり、全ての台湾人が容認すべきではない」と述べた。
「中共の浸透と統一の野心に団結して立ち向かうべき」
最後に賴氏は、「すべての台湾の人々、そして与野党の政党に呼びかけたい。中国共産党があらゆる手段で台湾を統一しようとする中で、我々は一致団結して、自由と民主を守らなければならない。台湾の国家安全と民主主義体制を守るために、中共の浸透と利誘に立ち向かう必要がある」と語った。 (関連記事: CIAが北京の中枢に直撃するスパイ映像を公開!ビデオが中国共産党官僚の離反を誘う | 関連記事をもっと読む )
編集:梅木奈実
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