日仏台の3カ国が関わる国際フォーラム「松江クロスボーダーフォーラム」が、今年10月に島根県松江市で開催される予定だ。フォーラムでは、国際的な産業および文化の発展をテーマに、各国の政財界や教育関係者が参加する見通し。開催地の一つとして注目を集めているのが、創業151年を誇る老舗和菓子店「彩雲堂」である。先週台湾を訪れた彩雲堂の六代目社長であり、松江菓子協会会長でもある山口周平氏が、この情報を公式に認めた。
山口氏は取材に対し、「松江は日本三大和菓子の発祥地の一つです。このような国際フォーラムが彩雲堂で開催されることを光栄に思います。今回の実現に尽力してくださったフランスワイン文化教育協会には心より感謝いたします」と語った。そのうえで、「10月には日本のメディア『KKH-Bridge』、台北城市大学と共に、松江にて食文化をテーマにした国際フォーラムを開催します。ぜひ松江に足を運んでいただき、和菓子と茶道文化の奥深さを体感していただければと思います」と述べた。

彩雲堂がフォーラム開催地として注目されている背景には、同店が有する歴史的・文化的な価値がある。松江の産業と芸術文化の礎を築いたのは、江戸時代に茶道で知られた松江藩七代藩主・松平治郷(通称:不昧公)であり、彼にちなんだ銘菓「若草」は一時失伝していたが、明治期に彩雲堂初代・山口善右衛門が文献をもとに復元し、今日に至るまで伝統を守り続けている。

また、山口氏は先週台湾滞在中、台北城市大学に招かれて講演を行った後、同大学の蕭靜雅(しょう・せいが)学長と10月の国際フォーラムに向けた意見交換も実施。蕭学長は「将来的に台日間で製菓や飲食を軸にした国際的な産業連携を実現し、大学の教職員や学生が国際レベルで産学連携に参加できる仕組みを作りたい」と述べた。この提案に対し、山口氏も賛同を示し、今後の協力に意欲を見せた。

編集:梅木奈実 (関連記事: 島根県最年少県議・中村絢氏が台湾訪問 出雲神話で文化交流 10月には松江で国際フォーラムも | 関連記事をもっと読む )
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