脱炭素を体験で学ぶ 都主催の大型GXイベント、報道陣に公開

2025-05-17 12:32
脱炭素社会に向けた体験型イベント「TOKYO GX ACTION CHANGING」が開催。写真は「GX TREE」で脱炭素行動数を色で教えてくれる。(撮影 黃信維)
脱炭素社会に向けた体験型イベント「TOKYO GX ACTION CHANGING」が開催。写真は「GX TREE」で脱炭素行動数を色で教えてくれる。(撮影 黃信維)

東京都は17日から2日間、脱炭素社会に向けた体験型イベント「TOKYO GX ACTION CHANGING」を東京ビッグサイトで開催する。開催前日の16日には報道関係者向けに会場の一部を公開し、次世代モビリティや再生素材を活用した商品展示などが紹介された。

「TOKYO GX ACTION CHANGING」
「TOKYO GX ACTION CHANGING」が開催。(撮影 黃信維)

都は、2030年までのカーボンハーフ、2050年のカーボンニュートラルの実現に向け、化石燃料からクリーンエネルギー主体の社会への転換を目指す「GX(グリーントランスフォーメーション)」を強化している。都民一人ひとりがGXを理解し行動変容を起こすことを目的に、年間を通じて最新技術を発信する取組「TOKYO GX ACTION」が進められており、今回のイベントはその一環として実施された。昨年2万人を動員したABB FIAフォーミュラE世界選手権「東京E-Prix」との同時開催となり、「GX LAND」をテーマにした大規模な体験型イベントとして展開された。

黃信維
「TOKYO GX ACTION CHANGING」で​展示された環境に配慮した車。(撮影 黃信維)

会場では、電動レーシングカー「フォーミュラE」などに試乗できる「MOBILITY QUEST」(東2ホール)や、脱炭素行動の数に応じて色が変化する高さ6メートルの「GX TREE」(東1ホール)などが設置された。

黃信維
「TOKYO GX ACTION CHANGING」で​展示された環境に配慮した車。(撮影 黃信維)

南ホールでは、電動カートでのタイムアタック体験やドローン操作、未来の交通ルールを学べる「モビリティ教習所」なども展開。カレーを通じてGXを学ぶ「ミライカレー2025」では、規格外野菜や代替肉を使ったメニューの試食も行われた。

黃信維
「TOKYO GX ACTION CHANGING」で​展示された環境に配慮した車。(撮影 黃信維)​

素材循環の取り組みとしては、トヨタ自動車によるアップサイクル商品の展示も行われた。Lexusの本革シートやシートベルト、エアバッグなどの製造過程で発生する端材を活用し、バッグやペンケースといった日用品に生まれ変わらせた。現在は一部商品が楽天のECサイトなどで購入可能で、今後もラインナップの拡充が予定されている。

展示スペースには「モッタイナイ」を「もっといい」へと掲げたパネルも設置されていた。トヨタ自動車では、車両製造の工程で発生する再利用やリサイクルが難しい素材(端材・廃材)に新たな価値を見出し、商品として再生することを通じて、循環型社会の実現を目指している。原材料・製造・販売の各段階において、多様なパートナーと連携しながら、カーボンニュートラル(CN)社会への貢献を図るプロジェクトの一環と位置付けられている。

「TOKYO GX ACTION CHANGING」黃信維
トヨタ自動車は、「モッタイナイ」を「もっといい」へをテーマに展示。(撮影 黃信維)

商品は、より多くの人が手に取りやすい価格帯とされ、価格は抑えめに設定されている。素材には主にレザー、ナイロン、安全ベルトが使われており、エアバッグに特殊加工を施した製品も注目を集めた。台湾での販売も視野に入れつつ、現時点ではすべて日本国内で製造されており、輸送コストや現地生産の体制構築が今後の課題とされる。 (関連記事: 【台湾映画上映会】チャン・チェン出演作が日本初上映決定 エイミー・マー×相田冬二、チョン・モンホン×赤松美和子らトークイベント開催 関連記事をもっと読む

また、南4ホールの一角には、子ども向けの小型ドローンの体験スペースも設けられた。通常は16歳以上が対象とされるドローンだが、展示されていた機体は小学生でも操作可能で、おもちゃ感覚で楽しめる構造となっている。イカのような形状をした機種や家庭内でも飛行できる軽量モデルもあり、一部はその場で組み立てることもできる。撮影機能はないが、飛行練習用として活用され、スタッフによるデモでは滑らかな動きと素早い離陸が披露された。

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