《Bloomberg》報道によると、任天堂が6月に発売を予定している新型家庭用ゲーム機「スイッチ(Switch)2」の主要半導体チップは、韓国のサムスン電子が製造していることが明らかになった。複数の関係者が明らかにしたもので、同チップは米NVIDIAが設計し、サムスンの製造プロセスに最適化されたカスタムSoC(システム・オン・チップ)となっているという。
サムスンは現在、2026年3月までに2,000万台以上のスイッチ2出荷を可能にする生産ペースを維持しており、増産も視野に入れている。ただし、最終的な出荷台数は、鴻海(ホンハイ)精密工業をはじめとする組み立て業者の生産能力に依存するとみられている。
初代スイッチでは、台湾のTSMC(台湾積体電路製造)がチップ製造を担っていたが、今回の切り替えについて関係者は「NVIDIA製チップがサムスンの製造ラインにより適している」と説明。さらに、TSMCの限られた生産能力をめぐる他社との競合を避けられる点でも、任天堂にとって有利な判断だと分析されている。
国内では、スイッチ2の抽選販売に220万人以上の応募が殺到。古川俊太郎社長はX(旧Twitter)で供給不足を謝罪したが、任天堂は抽選受付前からすでに生産体制の強化に着手していた。今期の販売計画は1,500万台とされており、ブルームバーグがまとめたアナリスト予測の平均1,680万台を下回っている。
また、関係者によれば、サムスンはメモリやディスプレーに加え、将来的なスイッチ2のアップグレード版に向けてOLED採用も働きかけているという。
なお、サムスンおよびNVIDIAはコメントを控えており、任天堂の広報担当者も「決算発表時に述べた以上のことは答えられない」としている。
編集:梅木奈実 (関連記事: 中国でNintendo Switchのオンラインサービス停止へ それでも「影響なし」の声、その理由とは? | 関連記事をもっと読む )
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