衛藤征士郎氏「台湾のCPTPP加入を断固支持」 日本政府に国際参加の後押しを呼びかけ

日本台湾親善協会の衛藤征士郎氏(右)と駐日代表の李逸洋氏(左)。(黃信維撮影)
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日本台湾親善協会は21日、東京都内で懇親会を開催し、会長で衆議院元副議長の衛藤征士郎氏が会場で報道陣の取材に応じ、台湾の「包括的及び先進的な環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)」への加入を改めて強く支持する姿勢を示した。

衛藤氏は、「台湾は東アジア地域において自由・民主・人権といった普遍的価値を体現する社会であり、『開かれた民主主義陣営の要』として認識されるべき存在だ」と述べ、協会としても台湾の国際的な地位向上を後押ししていく考えを示した。

また、「CPTPPに限らず、世界保健機関(WHO)などの国際機関においても、条件を満たす地域・国家は平等に参加すべきだ」と述べ、日本政府および国会議員に対し、台湾の国際参加を一層積極的に後押しするよう求めた。「民主主義の仲間として、日本は行動でその支援を示すべきだ」と強調した。

賴清徳総統の就任1周年に関して問われた際には、「この1年は賴総統にとって困難な局面も多かったが、その堅実なリーダーシップと民主主義への揺るぎない姿勢は高く評価できる」と述べ、「これからも声を上げ続け、台湾と共に民主主義の価値を守っていく。総統、どうか頑張ってください。私たちはあなたを支持します」と力を込めた。

米国の対台姿勢にも言及、「民主国家の連携を」

衛藤氏はまた、米国の台湾支援に触れ、「前大統領のバイデン氏が何度も『台湾防衛』を明言したことを評価している」とした上で、「現大統領のトランプ氏にも、より明確な対台支持の姿勢を望みたい」と述べた。

さらに、「ウクライナ戦争に見られるように、民主国家が結束せずに専制国家の膨張を許せば、その影響は北方領土や台湾海峡といった他地域にも波及しかねない」と指摘。台湾、日本、米国、韓国、NATOといった民主陣営が「抑止力と防衛連携を強化し、中国の覇権拡大を具体的行動で抑え込むべきだ」と訴えた。

台日戦略連携をさらに深化 李逸洋代表も協力強調

同日の懇親会には、自民党の片山皐月参議院議員も出席。駐日台北経済文化代表処の李逸洋代表も挨拶を行い、日本台湾親善協会による長年にわたる支援に感謝の意を表した。

李氏は、「台湾と日本の地政学的安全保障や経済戦略の協力はますます重要性を増している」とした上で、「今年2月に衛藤会長率いる代表団が台湾を訪問し、交流がさらに緊密になったことは非常に意義深い」と述べた。特に、台湾海峡の平和と安定への関心を持ち続ける衛藤氏の姿勢について「台湾にとって極めて大きな励みだ」と評価した。

経済連携では半導体から次世代技術へ拡大を提言

経済分野においては、李代表が台積電熊本工場の量産開始を挙げ、「これは日台半導体協力の成果であり、今後の連携深化の起点になる」と指摘した。台湾は世界の最先端チップとAIサーバーの約9割を生産し、日本は半導体製造装置の約3割、材料の5割を供給していることから、両国の高い補完性に言及した。

また、AI、無人機、エネルギー、低軌道衛星、次世代通信といった戦略分野への協力拡大も提案。「世界の貿易秩序が大きく転換する中、米国の関税政策の変動を含め、日台が連携して共に課題に立ち向かうべきだ」と呼びかけた。

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