台湾で国防予算および1.25兆台湾ドル(約5.8兆円)規模の国防特別予算案が注目を集める中、与野党の対立により特別予算の成立が遅れている。こうした情勢を受け、国防安全研究院は22日、米国在台協会(AIT)のレイモンド・グリーン所長を招き、特別講演を行った。
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グリーン氏は「台湾は第一列島線の重要な要衝である」と強調。近年台湾が推進する消耗戦戦略(非対称戦争戦略)は、限られた兵力を倍増効果のある防衛力へと転換させ、中国による台湾奪取の難易度を大幅に高めたと評価した。その上で、米国は第一列島線沿いに最先端の防衛能力を配備しており、同盟国も自国の軍事力に重要な投資を行っていると指摘。こうした集団的な努力を通じて、地域の平和と安定を維持していく姿勢を示した。
「グローバリズム」への過信と戦略の修正
同院が主催した「国防投資の強化と国家全体の発展」に関する座談会で、グリーン氏は「共同投資と安全・繁栄の未来」と題して講演を行った。
グリーン氏は、かつての国際連盟が掲げたユートピア的なビジョンが深い経済的分断や歴史的遺恨を抑制できなかった例を引き合いに出し、現代においても「あらゆる犠牲を払ってグローバリズムを追求する」という誤った信念が、生存に関わる脅威への対応を遅らせたと指摘した。「長きにわたり、一部の国が世界的なルールを操作して自国を強大化させ、米国やパートナー国の労働者・家族を犠牲にしてきた事実を見て見ぬふりをしてきた」と述べ、経済的な相互依存だけで平和が保たれるという誤認が、多くの同盟国の国防投資不足を招いたと分析した。
トランプ大統領の下での「現実的な抑止力」
グリーン氏は、トランプ大統領の指導の下、米国は自身の自由を守り、20世紀の二度の大戦のような悲劇を繰り返さないために、緊急かつ必要な戦略修正を行っていると説明した。
この修正は、無制限なグローバリズムへの迷信を断ち切り、終わりなき戦争に対する米国民の懸念を教訓としたものだという。しかし、それは孤立主義への回帰ではなく、積極的な外交と強力な抑止力を組み合わせた「醒めた現実的な戦略」であり、恒久的な平和の確保を目指すものであると強調。「米国は同盟国やパートナーと断固として共に立ち、自らの自由を守ると同時に、彼らの安全も促進する」と述べた。
「自由はタダではない」第一列島線の防衛と台湾
グリーン氏は「自由は天から降ってくるものではない」とし、米国が友人を支援できる度合いは、彼らが自身の安全のためにどれだけ努力するかにかかっていると指摘した。その上で、インド太平洋地域ほど「自由の成果を共有し、守る責任を分担する」ことの重要性を体現している場所はないと語った。
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また、トランプ氏が提示した「国家安全保障戦略(NSS)」に基づき、米国は第一列島線のいかなる場所においても侵略を拒止(Deny)する軍事能力の維持に尽力していると明言した。
















































