トップ ニュース 台湾奪取は「最も困難な軍事作戦」になる トランプ流の現実的戦略へ「日韓・比豪」と連携し台湾を守る、米国が第一列島線に最先端防衛力を配備
台湾奪取は「最も困難な軍事作戦」になる トランプ流の現実的戦略へ「日韓・比豪」と連携し台湾を守る、米国が第一列島線に最先端防衛力を配備 2026年1月22日、国防安全研究院(国防院)は集思台大会議センターで「国防投資の強化と国家全体の発展」に関する座談会を開催した。写真は米国在台協会(AIT)のレイモンド・グリーン処長。(写真/劉偉宏撮影)
台湾で国防予算および1.25兆台湾ドル(約5.8兆円)規模の国防特別予算案が注目を集める中、与野党の対立により特別予算の成立が遅れている。こうした情勢を受け、国防安全研究院は22日、米国在台協会(AIT)のレイモンド・グリーン所長を招き、特別講演を行った。
グリーン氏は「台湾は第一列島線の重要な要衝である」と強調。近年台湾が推進する消耗戦戦略(非対称戦争戦略)は、限られた兵力を倍増効果のある防衛力へと転換させ、中国による台湾奪取の難易度を大幅に高めたと評価した。その上で、米国は第一列島線沿いに最先端の防衛能力を配備しており、同盟国も自国の軍事力に重要な投資を行っていると指摘。こうした集団的な努力を通じて、地域の平和と安定を維持していく姿勢を示した。
「グローバリズム」への過信と戦略の修正 同院が主催した「国防投資の強化と国家全体の発展」に関する座談会で、グリーン氏は「共同投資と安全・繁栄の未来」と題して講演を行った。
グリーン氏は、かつての国際連盟が掲げたユートピア的なビジョンが深い経済的分断や歴史的遺恨を抑制できなかった例を引き合いに出し、現代においても「あらゆる犠牲を払ってグローバリズムを追求する」という誤った信念が、生存に関わる脅威への対応を遅らせたと指摘した。「長きにわたり、一部の国が世界的なルールを操作して自国を強大化させ、米国やパートナー国の労働者・家族を犠牲にしてきた事実を見て見ぬふりをしてきた」と述べ、経済的な相互依存だけで平和が保たれるという誤認が、多くの同盟国の国防投資不足を招いたと分析した。
トランプ大統領の下での「現実的な抑止力」 グリーン氏は、トランプ大統領の指導の下、米国は自身の自由を守り、20世紀の二度の大戦のような悲劇を繰り返さないために、緊急かつ必要な戦略修正を行っていると説明した。
この修正は、無制限なグローバリズムへの迷信を断ち切り、終わりなき戦争に対する米国民の懸念を教訓としたものだという。しかし、それは孤立主義への回帰ではなく、積極的な外交と強力な抑止力を組み合わせた「醒めた現実的な戦略」であり、恒久的な平和の確保を目指すものであると強調。「米国は同盟国やパートナーと断固として共に立ち、自らの自由を守ると同時に、彼らの安全も促進する」と述べた。
「自由はタダではない」第一列島線の防衛と台湾 また、トランプ氏が提示した「国家安全保障戦略(NSS)」に基づき、米国は第一列島線のいかなる場所においても侵略を拒止(Deny)する軍事能力の維持に尽力していると明言した。
日韓・比豪との連携で「台湾奪取」を阻止 グリーン氏は、NSSが示す通り、米国単独でこの重責を担うことは不可能であり、すべきでもないと述べた。パートナー国に対し国防投資の増額、とりわけ地域の侵略を真に抑止できる能力への投資を求めた。
「日本、韓国、オーストラリア、フィリピンなどの同盟国の支援の下、米国は第一列島線沿いに最先端の防衛能力を配備している」とし、各同盟国も呼応して重要な投資を行っていると説明。こうした集団的な防衛努力により、NSSに記された通り「台湾を奪取しようとするいかなる能力も拒止する」と力を込めた。
さらににグリーン氏は、台湾が東海(東シナ海)と南シナ海を結び、太平洋への直接の通路となる第一列島線の要衝であることを再確認した。世界経済における台湾の重要性も相まって、台湾海峡の紛争リスクは米国および全世界、そして台湾自身の安全保障における核心的課題であると指摘。 「台湾は地域の平和を守る重要な役割を果たすべく、明確なコミットメントを示している」と述べ、自身が台北に着任してからの1年半で進められた台湾の国防改革の広さとスピードに深い敬意を表した。
地理的条件を活かした「非対称戦略」と防衛改革 グリーン氏は、台湾軍が推進する全体防衛構想および消耗戦略について言及した。台湾はその島嶼(とうしょ)という自然の地理的条件を最大限に活用し、非対称戦力の運用を通じて、限られた兵力を「戦力倍増効果(フォース・マルチプライヤー)」を持つ強固な防衛力へと転換させていると分析した。
「台湾海峡を渡り、山が険しく人口密集した島に上陸することは、そもそも軍事作戦として最も困難なものの一つだ」。グリーン氏はそう指摘した上で、台湾軍が淡水河口に爆発性の障害物を設置するなどの対策を講じている例を挙げ、中国による侵攻シナリオを極めて困難なものにしていると評価した。
また、これは単なる作戦計画の問題に留まらず、兵力構造と実戦的な訓練にも及んでいる。台湾は義務兵役期間を4ヶ月から12ヶ月(1年)に延長し、予備役制度を改革することで、即応可能な人的資源を大幅に拡充した。「訓練が行き届き、装備の充実した予備役部隊は、それ自体が潜在的な侵略者に対する重要な抑止力となる」と述べた。
民主主義の強み「ミッション・コマンド」の定着 グリーン氏はこれを「権威主義体制に対して民主主義社会が持つ非対称的な優位性」であると定義した。中央集権的な指令系統に依存する敵に対し、現場判断を許容する台湾軍は、通信遮断や指揮所(C2ノード)が攻撃された状況下でも強靭性(レジリエンス)を維持し、作戦全体の柔軟性を高めることができるとの見解を示した。
「戦う意志」と「備える意志」は不可分 台湾軍は昨夏の「漢光演習」において、都市環境を想定した戦闘能力を誇示した。住宅地や台北MRT(地下鉄)構内に兵力を展開し、同時に全島各地で行われた強靭性演習には民間機関や地方自治体も参加した。これは防衛整備が軍だけでなく、全社会的な取り組み(Whole-of-Society)へと進化していることを示している。
グリーン氏は、こうした演習への国民の支持について「平和維持における軍の役割に対する社会の高度な理解を反映している」とし、家園と生活を守る決意の表れであると称賛した。
講演の締めくくりとして、グリーン氏は頻繁に尋ねられる「台湾人に戦う意志はあるのか?」という問いに対し、こう答えていると明かした。「世論調査によれば、台湾の人々が家園を守る意志を持つ割合は、2022年2月(ロシア侵攻前)のウクライナ国民よりも高い」 そして、最も重要な点としてこう強調した。 「『戦う意志』と『備える意志』は、密接不可分なものである」
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