世界の航空地図が今、劇的に塗り替えられようとしている。過去10年間、私たちが「乗り継ぎの定番」としてきた空港の常識が覆された。
最新の「2025年世界メガハブ空港レポート」によると、マレーシアのクアラルンプール国際空港が、その強力なLCC(格安航空会社)ネットワークを武器に、シンガポールや東京を抜き去り、アジア太平洋地域における「最強の乗り継ぎ拠点」の座を奪取したことが明らかになった。また、韓国の仁川国際空港も乗り継ぎ効率を倍増させ、今年最も急成長した「ダークホース」として猛追している。
アジア太平洋地域の空港が、欧米の伝統的なハブ空港を猛烈な勢いで脅かし、世界の旅行者の移動ルートを再構築し始めている現状が浮き彫りとなった。
アジアの空港勢力図に激震、クアラルンプールが世界4位へ
航空データ分析大手のOAGが発表した「メガハブ・インデックス2025」によれば、アジア太平洋地域の航空情勢に顕著な変化が見られる。
最も目覚ましい成果を上げたのはマレーシアのクアラルンプール国際空港(KUL)だ。同空港はアジア太平洋地域で首位を獲得しただけでなく、世界ランキングでも堂々の4位に浮上した。このレポートは、2024年9月から2025年8月までのフライトスケジュールに基づき、年間で最も繁忙な日(2025年8月1日)を基準日として設定。6時間の乗り継ぎ枠内でのフライト接続能力を分析したものである。
「LCC戦略」が大勝利、仁川は今年最大のダークホース
アジア太平洋地域のトップ10において、クアラルンプール空港の勝因はその徹底したLCC戦略にある。同空港はエアアジア(AirAsia)を核心的なキャリアとしており、フライトの36%を同社が占めている。この強固な低コスト航空ネットワークが、競合他社を圧倒する要因となった。
これに続くのが韓国の仁川国際空港(ICN)だ。同空港は今年度、最も飛躍的な進化を遂げたハブの一つと見なされている。繁忙日における潜在的な乗り継ぎ接続数は58%も急増し、世界ランキングにおいても10年前の10位から6位へと大幅なジャンプアップを果たした。
羽田・チャンギの実力派も堅調、福岡空港もトップ10入り
3位と4位には、長年の実力派である日本とシンガポールのハブ空港がランクインした。アジア3位につけた東京・羽田空港(HND)は、全日本空輸(ANA)が全便の36%を占め、安定したハブ機能を提供している。4位のシンガポール・チャンギ空港(SIN)は、シンガポール航空主導(シェア33%)のもと、依然として高い競争力を維持している。5位にはタイのバンコク・スワンナプーム空港(BKK)が入った。
注目すべきは6位以下の顔ぶれだ。中国の上海浦東空港(PVG)、フィリピンのマニラ空港(MNL)、香港国際空港(HKG)、インドネシアのジャカルタ空港(CGK)に続き、日本の福岡空港(FUK)が10位にランクインした。これらの空港の乗り継ぎ能力は、主導する航空会社の戦略と密接に結びついている。例えば、香港はキャセイパシフィック航空が36%を支え、マニラはセブ・パシフィック航空の攻勢が競争力を高めている。
世界の重心は「東」へ、アジアが次の10年を牽引
OAGの分析によると、過去10年間で世界の航空輸送能力(キャパシティ)は約3分の1増加し、年間の総座席数は60億席の大台を突破した。
こうした背景の中、アジア太平洋地域の空港の成長と進化は、航空市場の重心が「東」へとシフトしていることを如実に示している。ロンドンのヒースロー空港が依然として世界首位を維持している一方で、パリやフランクフルトといった欧州の伝統的なハブ空港の地位は相対的に低下傾向にある。対照的に、クアラルンプールや仁川のようにネットワークを積極的に拡大するアジアの空港こそが、これからの10年、世界の「空の連結性」を形成する鍵となるだろう。
資料出所:『OAG』
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編集:佐野華美 (関連記事: 羽田空港に世界最大の「ゴジラ」襲来!第3ターミナルで全長40mの巨大模型を公開 | 関連記事をもっと読む )














































