岸田文雄前首相「国際法は弱い国のためにある」 FCCJ会見で日中対話と核軍縮の重要性訴え
岸田前首相は会見で法の支配に基づく国際秩序の重要性や日中対話の継続を訴えるとともに、高市政権の運営方針や資産運用立国への期待を示した。(写真/FCCJ提供)
岸田文雄前首相は、日本外国特派員協会にて記者会見を行い、激動する現在の国際情勢や日本の外交政策、そして今後の展望について自身の見解を表明した。
岸田氏は、ロシアによるウクライナ侵略が国際秩序の基本原則を揺るがす転換点となったと指摘し、米国のトランプ政権が掲げる「アメリカ・ファースト」の政策に対しても言及した。
天然資源に乏しく大きな市場を持たない日本にとって、国際法や多国間主義、自由貿易といった理念や原則が不可欠であり、国際法は本来弱い国のために存在すると強調した。その上で、日本は理念を共有する国々と連携し、大国をも巻き込む新たな国際秩序の構築を目指すべきだと語った。
核軍縮の重要性を強調
また、自身のライフワークである核軍縮についても触れ、「核兵器のない世界」を追求することは日本の希望であり責任であると言明した。G7広島サミットやNPT再検討会議での「ヒロシマ・アクション・プラン」発表を振り返り、厳しい現実と理想の間を埋めるための実践的な取り組みを継続していく重要性を訴えた。
質疑応答において、現在の高市政権の政策運営に関する質問に対し、岸田氏は高市首相が今年2月の選挙で歴史的な大勝利を収め、国民から高い支持率という政治的資産を得ていると評価した。その上で、自身の政治的信念に基づく課題に取り組むと同時に、国民の生活に密着した課題にもその政治的資産を振り向けていくことが重要であるとの見解を示した。
日中関係は対話継続が不可欠
日中関係の現状に関する質問に対しては、中国が日本にとって最大の貿易相手国であり、両国関係の安定は国際社会や地域の平和にも多大な影響を及ぼすと述べた。
現在、日中間の対話を支える人材が減少し、厳しい状況にある現実を懸念しつつも、国家レベルだけでなく、市民、スポーツ、文化などあらゆる分野で国民同士の対話を続ける努力が不可欠であると強調した。高市政権も対話の扉を常に開いているとして、今後の関係改善への期待を寄せた。
企業統治改革にも言及
さらに、アクティビストや投資家が日本企業に与える影響については、首相在任中から推進してきた「資産運用立国」の取り組みに触れた。
アクティビストが企業を前向きにする良い影響を与えた一方で、不本意な売却などのマイナス面があることも事実だと認めた。コーポレートガバナンス改革や会社法改正などを通じて日本のルールをグローバル基準に合わせ、企業が稼ぐ力を高めて魅力的な投資先となるための努力を今後も続けていくべきだと締めくくった。
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