トップ ニュース 「福建省の空軍基地が射程に」習近平氏がトランプ氏に警告した「300キロミサイル」の正体
「福建省の空軍基地が射程に」習近平氏がトランプ氏に警告した「300キロミサイル」の正体 中国の習近平国家主席(右)は4日夜、米国のトランプ大統領(左)と電話会談を行い、国際的な注目を集めた。(AP通信)
中国の習近平国家主席はこのほど、米国のドナルド・トランプ大統領、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と相次いで電話会談を行った。北京当局が国内外の情勢に強い懸念を抱いているとの見方が広がる中、台湾の元立法委員(国会議員)で政治評論家の郭正亮(カク・セイリョウ)氏は6日、出演した台湾の番組『風向龍鳳配 』において、3大国の指導者がこのタイミングで対話を行った背景には、イラン情勢など水面下の重大な国際問題が絡んでいると分析した。
郭氏は、米国とイランの軍事的緊張が極限まで高まる中、中露がイラン支持を表明している現状を指摘。「電話会談では互いの『レッドライン』を探る動きがあったはずだ」としつつ、その合意内容が短期的に公表されることはないだろうと述べた。また、米イ間の交渉場所をめぐる膠着状態について、「米国は当初、アンマン(ヨルダン)への変更を拒否していたが、会談後に態度を軟化させた」とし、米側の姿勢に変化が生じている可能性を示唆した。
イランの裏にある「台湾問題」という本丸 しかし、郭氏は今回の会談のより深層にあるテーマは、やはり「米中関係」と「台湾問題」にあると見る。新華社通信が伝えた習近平氏の発言の中で、中国が約束を履行する(大豆の購入など)姿勢を強調した点について、郭氏は「非常に興味深い」と語る。習氏は劉備玄徳の遺訓「善きことは小さくとも為せ、悪しきことは小さくとも為すな」を引用し、米国との信頼関係を一步ずつ積み上げる重要性を説いたが、その真意は「台湾問題で米国を牽制すること」にあるという。
米行政府が「三つのコミュニケ」を骨抜きに? 郭氏は、過去1年間の米国務省の動きが、米中関係の基礎である「三つのコミュニケ(上海公報、国交樹立公報、八・一七公報)」の枠組みを繰り返し揺るがしていると警鐘を鳴らす。「『台湾地位未定論』の持ち出しや、国連第2758号決議に『台湾は含まれない』とする解釈の援用など、これまでは主に米議会レベルでの動きだったものが、今や行政府も加担し、AIT(米国在台協会)までもが記者会見で言及するようになった」とし、情勢が大きく変化していると指摘した。
射程300キロのミサイルが「福建省」を射程に 対台湾武器売却について、郭氏は特に「八・一七公報(武器売却の段階的縮小を定めた合意)」に言及した。米国はこれまで、対台湾武器売却は「防御的兵器」に限ると強調してきた。しかし、今回売却が取り沙汰されているM57戦術ミサイルは射程が300キロメートルに達する。「300キロあれば、福建省の主要な空軍基地である福州と泉州を直接攻撃できる。これは既存の暗黙の了解を破るものだ」郭氏は、習近平氏が会談で「米国には対台湾武器売却問題を慎重に処理してほしい」と特に強調した背景には、こうした具体的な軍事的脅威があると分析する。
習近平氏の4期目と「武器輸送阻止」のシナリオ 郭氏は、中国が対米関係で「軟硬織り交ぜた」戦略をとっていると見る。約束を守る姿勢を見せる一方で、軍事演習や法執行活動を通じて警告を発しているのだ。昨年の演習「正義の使命」では、中国側が台湾の長栄海運(エバーグリーン)の船舶を臨検するシミュレーション映像を公開した。これは「次の行動」を排除しないという明確なシグナルだ。郭氏はさらに警告する。「もし米国が本当に高機動ロケット砲システム(HIMARS)などを台湾へ輸送しようとすれば、中国軍による海上での臨検、あるいは押収といった事態が起こり得る。それは単なる演習ではなく、明確な軍事行動となる」
最後に郭氏は、習近平氏が軍権の掌握を完了し、来年3月に予想される「4期目」への挑戦に向けて、その姿勢はますます強硬になるだろうと予測する。「三つのコミュニケが行政府によって挑戦されている以上、中国が沈黙することはあり得ない。北京にとって、民族の復興というナラティブ(物語)においても、対米関係の安定においても、台湾問題は回避不可能な『最重要課題』なのだ」
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