【台湾視点】TSMCの3ナノは高市首相に「恵みの雨」か 選挙戦最終盤、魏会長の訪日は「神の一手」
台積電董事長魏哲家(中左)訪問東京,拜訪現任日本首相高市早苗(中右)。(取得 首相官邸粉專)
地政学的なリスクの最前線に立ちながら、海外展開を加速させる世界最大の半導体受託製造企業(ファウンドリ)、TSMC(台湾積体電路製造)。その董事長兼最高経営責任者(CEO)である魏哲家(シーシー・ウェイ)氏は5日、東京で日本の高市早苗首相と会談した。現在熊本県で建設中の第2工場において、最先端の「3ナノメートル」プロセス技術の導入を検討していることが明らかになり、実現すれば設備投資額は約170億ドル(約2兆5000億円)に達する見通しだと報じられている。
台湾の財経メディア『財信傳媒(Caixin Media)』の謝金河(シェ・ジンハー)董事長は、衆議院選挙の投開票が迫るこのタイミングでのトップ会談を「神の一手」と表現。高市首相への強力な追い風になったと分析している。
「挑戦なき国家に未来はない」 魏会長の訪日がもたらしたサプライズ
謝氏は5日夜、「挑戦なき国家に未来はない!高市氏がいかに情熱を燃やしているか」と題した論評を発表。魏会長の訪日と熊本工場での3ナノ量産検討というニュースは、選挙戦最終盤における高市陣営へのこれ以上ない援護射撃になったと指摘した。日本メディアの報道によると、この提案に対し高市首相は驚きを隠せず、その感動は言葉に表せないほどだったという。
謝氏は今回の衆院解散について、日本国内では「解散反対」の世論が上回るなど批判的な報道も少なくないと分析。しかし、それでも高市首相は自らの進退を賭けて勇敢に挑戦を受け入れたと評価している。
中国の脅威が際立たせる「強靭な精神」
謝氏はさらに、魏会長があえてこの時期を選んで訪日したことについて、「台湾から日本への真摯な友情の証」であり、東日本大震災の際に台湾から送られた200億円の義援金にも通じる連帯感があると述べた。
また、これまで日本の選挙に積極的な関心を持っていなかったという謝氏だが、一枚の写真に心を動かされたという。それは、寒空の公園でたった一人、マイクを握りしめて理念を訴える高市氏の姿だ。形式的な挨拶ではなく、「数千機のドローンが突如襲来した場合、日本はどう防御するのか」といった具体例を挙げながら、国防と軍需産業の自立について心からの言葉で語りかけていた。
謝氏は、かつての半導体大国・日本が現在はサプライチェーンの一部に留まっている現状を憂い、技術革新を国内での量産と利益に結びつけ、税収増と国民所得の向上を目指す高市氏の経済安全保障政策に注目する。 中国が絶えず恐怖と脅威を拡散する中、高市氏の「強いリーダーシップ」「改革への意志」「明確な国家の方向性」は、その堅忍不抜の精神をより際立たせていると指摘。「過去数十年、政治的無関心が続き投票率も低迷していた日本だが、今回は高市氏によってその空気が一変した」と結んでいる。
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