「中国人観光客が台湾に押し寄せる」とのうわさ、ファクトチェック機関が否定

中台間の観光問題や航空便の就航地に注目が集まる中、台湾の離島、金門と中国のアモイ市や泉州市をフェリーで結ぶ「小三通」ルートを利用した出入境者数は、今年6月末に累計108万人を突破した。(資料写真/中央社)
中台間の観光問題や航空便の就航地に注目が集まる中、台湾の離島、金門と中国のアモイ市や泉州市をフェリーで結ぶ「小三通」ルートを利用した出入境者数は、今年6月末に累計108万人を突破した。(資料写真/中央社)

近年、中台間で緊張が高まる一方、中国の航空各社は今年7月以降、台湾線を相次いで再開または増便している。また浙江長竜航空(Loong Air)は7月28日に台中〜成都天府線(週2便)に新規就航し、台湾中部と中国西南部を結ぶ輸送力をさらに強化した。中台間の就航都市やフライト数が増加する中、最近インターネット上で「大量の中国人観光客が台湾に押し寄せるのでは」とのうわさが拡散。「ある県市が7月28日、中台直行便の運航を大幅に解禁し、大手航空会社2社が運航を全面再開する」と主張する書き込みについて、台湾のファクトチェック機関「MyGoPen」は8月3日に、調査報告書を発表した

中台間の就航都市の現状と7月の就航動向

台湾の交通部民用航空局(民航局)は、中台航空路線の再開は、中国人観光客の受け入れ政策の規制緩和を意味するものではないと強調している。統計によると、現在中台間では台湾と中国15ヵ所の空港を結ぶ定期便、中国13ヵ所の空港を結ぶチャーター便の運航が開放されている。民航局は、現在の就航都市で市場の主要な需要をほぼ満たしており、今後のフライトの増減は航空会社の需要と双方の協議に基づいて決定されると説明。また、注目を集める中国人観光客の台湾訪問については、引き続き既存のメカニズムを通じて中台間で協議を行う必要があり、安全、対等、かつ秩序だった原則の下で推進されるべきだと指摘し、現段階で政府は中国人による団体旅行や個人旅行の受け入れ再開を発表していないと述べた。

最近の中台間の航空便に関する主な変動は以下の通り。

  • 中国東方航空:7月1日台中〜成都天府間の定期便運航を再開(週2便)。
  • 春秋航空:7月4日高雄〜寧波櫟社線に新規就航(週2便)。
  • 山東航空:7月23日より台中〜青島線の運航を再開(週1便)。
  • 浙江長竜航空:7月28日台中〜成都天府線に新規就航(週2便)。

「台湾が中台間の新路線を開設し、大量の中国人観光客が来る」とのうわさについて、MyGoPenは報告書の中で、「風傳媒の7月28日報道では、7月1日から中国東方航空が台中から青島への定期便を再開したことや、浙江長竜航空が成都天府と台中を結ぶ直行路線を開設し、28日に就航したことに触れている。報道からも明らかなように、記事の内容は、台中から中国へ向かう新たな航空路線について言及したものであり、大量の中国人観光客が台湾を訪れるというものではない。このほか、過去には春秋航空が寧波〜高雄線を開設するとの関連記事もあった」と指摘した。

中国人観光客の台湾個人旅行は可能か?

MyGoPenはまた、中台間の「観光開放」に関する規定について、観光業界の中国側窓口機関、海峡両岸旅遊交流協会(海旅会)2019年7月末、中国大陸の住民に対する台湾への個人旅行用ビザ(査証)発給の一時停止を発表した一方、台湾の内政部移民署の「大陸地区人民入出境・観光」に関する情報によれば、中国大陸の住民が個人旅行で台湾を訪れる場合、満20歳以上でかつ財力証明を提示する必要があると指摘。また、台湾で対中政策を統括する大陸委員会(陸委会)は2023年8月末に、第三国に滞在する中国人観光客の台湾観光の再開を発表したことに言及した。

報告書は、中国は現在も台湾への観光許可の発給を解禁しておらず、中国の一般市民が観光目的で直接飛行機に乗り、台湾を訪れることは依然として不可能だと指摘し、中台航空路線の増加はむしろ、台湾の住民が中国へ旅行に行く際の利便性を高めるためのものだと結論づけた。

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