2026年7月21日、5年近くにわたり駐日イスラエル大使を務め、8月初旬に離任を控えるギラッド・コーヘン氏が日本記者クラブで記者会見を行った。
コーヘン大使は2021年10月の着任以来、日本とイスラエルの二国間関係の発展に尽力してきた。会見では日本への深い愛情と感謝の意を表明するとともに、技術協力の成果や、昨今の中東情勢におけるイスラエル政府の立場について詳細に語った。
技術・経済分野の日イスラエル協力拡大に期待
大使は、日本とイスラエルが共に民主主義国家であり、古い伝統を尊重しながら未来を開拓する共通点を持つと指摘した。日本のものづくりの能力、品質の高さ、信頼と、イスラエルのイノベーション力、研究開発、起業家精神が融合することで、多大な相乗効果が生み出されていると言及した。
具体例として、日本のソラ・テクノロジー社とイスラエルのジーマート社がドローンや衛星技術を活用し、アフリカでのマラリア発生率を53パーセント削減したプロジェクトや、三菱電機やソフトバンクとイスラエルのズータコア社がデータセンターのエネルギー消費削減に取り組む事例を挙げた。
来年の外交関係樹立75周年を控え、両国間の経済連携協定締結に向けた研究が進んでいることにも触れ、AIやサイバーセキュリティ、防衛産業など多様な分野でのさらなる協力拡大に期待を示した。
中東情勢については、イスラエルが近隣諸国との平和を強く望んでいる姿勢を改めて強調した。その一方で、現在のイラン体制がイスラエルのみならず世界の安全と安定に対する脅威となっていると非難した。
イランがハマス、ヒズボラ、フーシ派などの武装組織を利用して地域を不安定化させていると指摘し、イスラエルは自衛のために必要な対応をとらざるを得ない状況にあると説明した。
特にレバノンに関しては、イスラエルに領土的な野心はなく、ヒズボラの解体と完全な非武装化を求めているとし、現在アメリカの仲介のもとで交渉が進行中であることを明らかにした。
ガザでの対応を説明、離任後も両国の関係強化へ
ガザ地区における戦闘に関して大使は、イスラエルが国際人道法を遵守し、民間人を標的にしていないと明言した。約180万トンの食料や医療物資、水を提供し、100万人の子どもたちにポリオワクチンを接種するなど、ガザの民間人の苦痛を軽減するための人道支援を行っていると述べた。
しかし、ハマスがこれらの支援物資を略奪し、学校や病院を人間の盾として利用していることが悲劇を生んでいると主張した。また、国際刑事裁判所がネタニヤフ首相に逮捕状を請求する動きを見せていることについては、民主的に選ばれた指導者を犯罪者扱いすることは断固として拒否すると強い不快感を示した。
最後に大使は、10月7日の攻撃以降、最も困難な時期に日本政府から寄せられた支援に深く感謝していると述べた。また、長崎の平和祈念式典への対応について触れ、一時は不公正な扱いを受けたと感じたものの、国際社会からの連帯のメッセージに救われたと振り返った。
離任後はイスラエル外務省の政治戦略局長に就任する予定であり、高市首相のイスラエル訪問の早期実現を願うとともに、今後も日本とイスラエルの架け橋として尽力していく姿勢を示した。
世界を、台湾から読む⇒風傳媒日本語版 X:@stormmedia_jp
編集:小田菜々香


















































