中国共産党(中共)当局は先ごろ、今年7月から約1年間にわたる「暴力団排除・悪質犯罪撲滅の深化に関する特別闘争」の展開を発表した。これは2021年以降に常態化した暴力団排除の取り組みを基盤としつつ、改めて全国規模の特別行動として組織犯罪の取り締まりを強化するものだ。
2018年から2020年にかけて実施された第1次の大規模な取り締まりと比較すると、今回当局が強調する標的は、地方の暴力団や物理的な暴力犯罪にとどまらず、インターネットのプラットフォームを悪用して「軟暴力(ソフト暴力)」を加える新型の反社会的勢力へと拡大している。
当局によれば、現在の組織犯罪は「しつこさ、反復性、複雑さ」を特徴とし、犯罪形態はオフラインからオンラインへとシフトしているという。物理的な暴力から、心理的な脅迫、世論操作、さらにはプラットフォームを利用した組織的運営へと変化しているため、改めて集中的な取り締まりを実施する必要があるとしている。
2027年に開かれるとみられる第21回党大会を前に、今回の特別行動は、中国の民間や官界において「政敵の粛清」が狙いではないかとの見方も広がっている。
「暴力団排除」から「ネット空間の統制」へ
当局は今回の行動において、従来型の「村の顔役(村覇)」や「郷の顔役(郷覇)」、「違法砂利採取業者(沙覇)」、「違法鉱山開発業者(鉱覇)」といった反社会的勢力、売春・賭博・麻薬の複合的犯罪、未成年者を操る犯罪を継続して取り締まる方針だ。同時に、「ソフト暴力」現象に特に言及した。これにはストーカー行為、執拗な迷惑電話、ネット上での中傷、世論を通じた圧力、悪意のある通報、組織的なネットいじめなどが含まれる。直接的な身体攻撃を伴わないが、被害者に長期的な心理的、経済的圧迫を与える手法だ。
2018年に展開された取り締まりが、主に地方の暴力団、賭博シンジケート、暴力的な取り立てを標的としていたのに対し、現在の犯罪形態はデジタル経済と高度に結びついている。そのため、今後の統制の重点は段階的にネット空間へとシフトしていくとみられる。
今回、外部から最も注目を集めているのは、ネット世論を操作する「網絡水軍(ネット水軍、組織に雇われたり、個人の維持で特定の情報を集中的に発信するネットユーザー群)」が初めて主要な取り締まり対象に組み込まれた点だ。
中国当局は近年、「清朗(クリーン)」の文字を冠した一連の特別行動を通じ、ネット上のデマ拡散、個人メディア(自媒体)の無秩序な活動、ネットいじめを取り締まってきた。今回、一部の組織的なネット操作を暴力団排除の枠組みに組み込んだことは、当局がこれを単なるネット規制の問題としてではなく、組織犯罪対策の次元へと引き上げたことを意味している。 (関連記事: 中国軍上層部で大粛清 前国防相2人に執行猶予付き死刑 | 関連記事をもっと読む )

「常態化」を誇示しつつも特別行動に回帰、政権安定を優先
中国当局は、2018年から2020年にかけて第1次の全国的な暴力団排除闘争を終えた後、2021年には暴力団排除・悪質犯罪撲滅行動の常態化を表明し、ガバナンスの制度化および法治化を強調した。今回、改めて1年間の特別行動という形で集中的な推進を表明したことは、現行の常態化されたガバナンスでは、急速に進化する新型犯罪に対応しきれないと当局が判断したことを示唆(しさ)している。



















































