2025年大阪・関西万博の閉幕から時が経ち、会場跡地となる夢洲(ゆめしま)が今後どのような姿へと変貌していくのか、その具体的な開発方針が明らかになった。台湾メディア『風傳媒』は大阪市都市計画局拠点開発室・広域拠点開発課を独自に取材し、最新の「夢洲第2期区域マスタープランVer.2.0」に基づく開発構想と、今後予定されている事業者公募のスケジュールについて確認した。
大阪府市は、都心部にはない「海に囲まれた立地」と広大な敷地という特性を最大限に生かし、夢洲を国際観光拠点として位置づけ、全体を3つのフェーズに分けて段階的な開発を進める方針だ。
祭りのあと、静寂に包まれた駅前
『風傳媒』は、万博閉幕後の夢洲駅周辺で現地取材を行った。駅を出ると、周囲は厳重な仮囲いに囲まれ、立ち入り可能な動線は大きく制限されている。かつての賑わいは影を潜め、行く手は物理的に遮られた状態だった。
しかし、無機質なフェンスの向こうに視線を向けると、巨大な木造建築「大屋根リング」がわずかにその姿を現しているのが確認できる。静まり返った更地の中で、かつて万博の熱狂を象徴したその存在が、これから始まる「第2期開発」という新たな変革の時を、静かに見下ろしているようにも映った。
開発は3フェーズ、核心となる「第2期」
取材に対し、当局は夢洲開発の全体像について明確な区分を示した。
- 第1期区域: 統合型リゾート(IR)を中心としたまちづくり。
- 第2期区域: 万博跡地を含み、万博の理念を継承した都市機能の整備を行う。
- 第3期区域: 第1・第2期の成果を踏まえた長期滞在型リゾートの形成。
とりわけ焦点となる「第2期区域」は、2025年10月に策定された「夢洲第2期区域マスタープランVer.2.0」において、『万博の理念を継承し、国際観光拠点の形成を通じて「未来社会」を実現するまちづくり』を基本コンセプトに掲げている。今後、大阪府市は同マスタープランをさらに改定した上で、それを踏まえた開発事業者の公募を正式に開始する予定だ。
構想10年、いよいよ「実装」の段階へ
この最新計画に至るまでには、10年以上にわたる議論の積み重ねがある。夢洲のまちづくり構想は、2014年10月に大阪府・大阪市・関西経済界によって設置された「夢洲まちづくり構想検討会」を起点としている。
同検討会での検討を経て、2017年8月には、新たな観光機能の導入や土地利用方針を示した「夢洲まちづくり構想」が策定された。この構想はパブリックコメントを通じて市民意見を反映したもので、現在の開発計画の基礎となっている。
さらに大阪市は2019年12月、同構想を具体化した「夢洲まちづくり基本方針」を策定し、段階的な整備の道筋を明確にしてきた。
そして現在、これらの構想と最新の社会情勢を統合したものが、「Ver.2.0」である。特筆すべきは、国や経済界、万博協会による「大屋根リングの活用に関する検討会」のとりまとめ内容が反映されている点だ。万博の象徴であるリングなどのレガシーを有効活用しながら、自動運転、AI、環境・エネルギーといった先端技術を実装するフィールドとして、夢洲は「未来社会の実験場」から「実装の場」へと進化しようとしている。
長年描かれてきた構想がいよいよ実行段階へと移る中、公募によって選定される民間事業者がどのような未来像を提示するのか、その提案内容に大きな注目が集まっている。
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編輯:丁勤紜


















































