【日本衆院選】自民圧勝の裏に「米国の意志」あり? 台湾の元国会議員が指摘する国民党への逆風を警告

2026-02-10 18:14
2026年2月8日、衆院選で大勝を収めた、高市早苗首相兼自民党総裁。(写真/AP通信社提供)
2026年2月8日、衆院選で大勝を収めた、高市早苗首相兼自民党総裁。(写真/AP通信社提供)

8日に投開票が行われた第51回衆議院議員総選挙において、高市早苗首相率いる自民党が全議席の3分の2を超える316議席を獲得し、歴史的な大勝を収めた。一方で、主要野党が結成した「中道改革連合」は49議席と惨敗を喫した。

この結果について、台湾の元立法委員(国会議員)で政治評論家の郭正亮(カク・セイリョウ)氏は、テレビ番組『大新聞大爆卦』に出演し、選挙の背後に「米国の強力な意志」が働いていたとの見解を示した。

高市支持を鮮明にした米紙とトランプ氏の「援護射撃」

​郭氏は、通常は民主党寄りとして知られる米有力紙『ワシントン・ポスト』が、高市氏の勝利直後に「米国にとってグッドニュースである」との社説を掲載し、異例の全面支持を表明した点に注目する。また、トランプ大統領も選挙前から高市氏への支持を公言していた。

「高市氏の『親米・抗中・MAGA(Make America Great Again)』という鮮明なイメージが、米国の保守・リベラル両派の利害と一致した格好だ」と郭氏は分析。米国をバックにつけた高市氏の政治的立場は、地政学的な文脈において極めて強力なものになったといえる。

TSMC「3ナノ投資」という決定打の背景

​郭氏が選挙戦における「米国の介入」の証左として挙げたのが、台湾積体電路製造(TSMC)の動きだ。同社の魏哲家(シーシー・ウェイ)会長が投開票直前に訪日し、高市首相と会談した上で「3ナノメートル・プロセスの採用」を電撃発表したことは、高市政権への大きな追い風となった。

これに対し、郭氏は「台湾の頼清徳総統にTSMCを動かす力はない。TSMCに対し、このような政治的配慮を含んだ決定を指揮できるのは米国だけだ」と断言する。選挙直前のタイミングでの最先端技術投資の発表は、事実上の「米国による高市政権への信任投票」であったとの見方だ。

窮地に立たされる国民党、問われる「対米関係」

​高市氏の圧勝という結果は、台湾の国内政治、特に最大野党・国民党(KMT)にとって極めて不利な状況を招くと郭氏は指摘する。

頼清徳政権は今後、日本での「抗中・親米派の勝利」を盾に、国防特別予算を巡って国民党への攻撃を一段と強めるだろう。米国が最近提示した200億ドル規模の台湾向け武器売却も、国民党に対し「米国が提示した防衛案に異を唱えるのか」という無言の圧力をかける形となっている。

郭氏は、「米国の力が現在、極めて明確に作用しており、国民党は今後、米国に対して納得のいく説明を求められる非常に厳しい局面に直面するだろう」と結論づけた。

編集:小田菜々香

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