トップ ニュース 【台湾】米、野党の国防予算停滞に「異例の警告」 日米は南西諸島で史上最大規模の共同訓練「アイアン・フィスト26」へ
【台湾】米、野党の国防予算停滞に「異例の警告」 日米は南西諸島で史上最大規模の共同訓練「アイアン・フィスト26」へ 日米は南西諸島地域において合同軍事演習「鉄拳26」を実施する予定だ。写真は、かつて沖縄周辺海域で合同演習を行う日米艦隊の様子で、先頭を行くのは原子力空母カール・ビンソンである。(写真/米海軍公式サイト提供)
台湾の立法院(国会)で国防予算案が野党側の抵抗により停滞している事態を受け、米国から異例とも言える強い懸念の声が相次いでいる。台湾の防衛能力強化が足踏みするなか、日米両軍は2026年2月より、南西諸島を舞台とした過去最大規模の共同演習「アイアン・フィスト26(Iron Fist 26)」に踏み切る。
米議会から「極めて失望」との指名批判 米国在台協会(AIT)のレイモンド・グリーン代表(処長)はこのほど、 台湾の国防予算が立法院(国会) で足止めされている現状について、「国際社会にとって、台湾が自衛のための投資を拒む理由は理解しがたい」と述べ、深い憂慮を表明した。
ワシントンの政治圏でもこの問題への焦燥感はピークに達している。米上院軍事委員会のロジャー・ウィッカー委員長をはじめとする複数の上院議員は、台湾の野党を名指しで批判。国防予算の大幅削減や審議拒否(ボイコット) に対し「極めて失望している」との共同声明を出すという異例の事態となっている。
長年台湾を支持してきたダン・サリバン上院議員は、軍事調達の阻止は「中国共産党に屈服するに等しく、火遊びをしているようなものだ」と断じ、台湾の脆弱性を高める行為だと強く警告した。また、ルーベン・ガイエゴ下院議員も、予算案の停滞が台湾の安全保障リスクを直撃すると指摘し、国会での再考を促している。
史上最大規模「アイアン・フィスト26」の衝撃 台湾内部で軍事予算を巡る政争が激化するのを尻目に、隣接する日本近海では日米の結束が強化されている。陸上自衛隊と米海兵隊は、2026年2月11日から3月9日まで、南西諸島周辺で共同演習「アイアン・フィスト26」を実施する。
武器購入予算を巡り、長期にわたり台湾を支持しているダン・サリバン上院議員は、購入阻止は「中国共産党への屈服」であり「火遊び」をしていると指摘。この行為は脅威に直面する台湾をさらに脆弱にさせると述べた。(写真/サリバン氏のFacebookページ提供) 実戦的な場での訓練: 既存の演習場に留まらず、「生地(実際の島嶼部)」を用いた水陸両用作戦を展開。 新編部隊の投入: 長崎県に新設された陸上自衛隊「第3水陸機動連隊」が、初の日米共同訓練に挑む。 同志国との連携: 戦略的なパートナー諸国との連携を視野に入れた運用の確立。
日米の「精鋭」が指揮、高まる抑止力 日本側の指揮官は、陸上自衛隊の作戦根幹を担う陸上総隊司令官・小林弘樹陸将が務める。小林陸将は過去に熊本の第8師団長を歴任しており、九州・南西諸島の地形や海象に精通した「九州を最も知る指揮官」とされる。
「アイアン・フィスト(鉄の拳)」は2005 年(平成17年度) の開始以来、長らく米カリフォルニア州で行われてきたが、防衛の必要性の高まりから2023年より日本国内での実施に切り替わった。今回の兵力規模は過去最大。日本側は約2000人(陸自1400人、海自600人)、米側は約2900人(海兵隊800人、海軍2100人)が参加し、強襲揚陸艦などを用いた大規模な奪還作戦が展開される予定だ。
「アイアン・フィスト」の日本側指揮官は、陸上総隊司令官の小林弘樹陸将(右から2人目)が務める。(写真/日本防衛省公式サイト提供)
日米の精鋭装備が集結、九州から沖縄にわたる広大な演習エリア 装備面では双方が精鋭を投入し、注目点も多い。日本側は偵察用ボート30隻、水陸両用車AAV7を10両、V-22オスプレイ12機、CH-47JA輸送ヘリコプター4機、AH-64戦闘ヘリコプター4機を投入する。米側は偵察用ボート30隻、水陸両用車ACVを10両、MV-22を4機、CH-53大型輸送ヘリコプター4機、AH-1攻撃ヘリコプター2機、F-35戦闘機2機を使用する。演習科目には、水際障害処理、統合火力誘導、AAVおよびACVによる着上陸訓練、空中機動、実戦的地上戦闘訓練が含まれる。
現在の計画によれば、演習全期間は「機能別訓練」と「総合訓練」の2段階に分けられる。2月11日から27日の前半の機能別訓練では、各部隊の基礎戦術と後方展開に重点が置かれる。その後、2月28日から3月9日の後半の総合訓練に入り、前半で蓄積した戦力を統合し、高強度の異軍種間合同演習を実施する。演習区域は山口県から沖縄県に至る広大な戦略的要衝にまたがり、各基地や演習場では明確な戦術分担と訓練日程が組まれており、南西諸島における日米同盟の防衛・奪還能力を全方位で検証することを目的としている。
九州・山口、航空拠点の整備と機動展開 演習場所は九州西半分全体から沖縄にまで及ぶ。九州・山口地域での展開については、航空戦力の整備と機動展開が最優先される。山口県の岩国航空基地、佐賀県の目達原駐屯地、熊本県の高遊原分屯地は、演習初日の2月11日から3月7日まで全期間を通じ、日米航空機の整備・展開拠点となる。中でも目達原駐屯地には米軍のAH-1攻撃ヘリコプターおよびUH-1多用途ヘリコプターが飛来し駐留する予定だ。
長崎県の相浦駐屯地と大村航空基地では、2月21日から25日、および3月2日から7日の2つの期間に、集中的な空中機動展開と燃料補給訓練が計画されている。福江島分屯基地と福江空港でも、離着陸および人員・物資輸送訓練が同時に実施される。
米国は演習にF-35戦闘機2機を出動させる。(写真/AP通信提供)
離島奪還作戦に実在の島を使用 水陸両用上陸と実動演習を実施 さらに、宮崎・鹿児島県境に位置する霧島演習場でも、2月中旬および3月上旬に複数回の空中機動と燃料補給が予定されており、航空回廊の輸送路確保を図る。演習が核心段階に入ると、3月1日から4日にかけて鹿児島県の種子島で離島奪還作戦が実施され、奄美大島が予備地に指定されている。この段階では海上および空中機動戦力を統合し、水陸両用上陸と地上戦闘を含む実動演習を行い、島嶼(とうしょ)地形における水陸機動団と米海兵隊の協同作戦能力を検証する。これは今回の演習において、戦線が訓練場から「生地(実在の島)」へと拡大される重要な指標となる。
(関連記事:
米中首脳電話会談で「対台湾武器売却」に暗雲?専門家が指摘する「1.25兆ドルの兵器供与」見直しの可能性
|
関連記事をもっと読む
)
沖縄地区での演習科目は最も密度が高く、実戦的な色彩が濃い。伊江島補助飛行場では演習全期間(2月11日から3月7日)を通じ、陸上自衛隊のV-22オスプレイを含む空挺降下訓練が行われる。那覇基地と普天間飛行場は継続して航空機整備支援を提供する。最も威嚇力のある「統合火力誘導訓練」は2月23日から3月7日(日曜日を除く)に、出砂島射爆撃場で実施され、米軍のF-35戦闘機による空対地模擬爆撃や、日米の攻撃ヘリコプター(AH-64Dなど)による実弾射撃が行われる予定だ。
陸上自衛隊のV-22オスプレイは伊江島補助飛行場で空挺訓練を行う予定だ。写真はV-22オスプレイの内部。(写真/米軍DVIDSシステム提供)
統合火力の精度を検証 日米指揮系統のシームレスな連携を確保 統合火力打撃の精度検証に加え、地上作戦および指揮・統制分野では、金武ブルービーチおよびレッドビーチ訓練場において、2月中旬から3月上旬にかけて、水陸両用上陸、偵察艇による浸透、水際障害物処理などの訓練がそれぞれ実施される。 キャンプ・ハンセンでは、指揮機関の運用、地上戦闘、実弾射撃、施設内障害物処理訓練が行われる。ホワイトビーチでは、港湾内における艦艇の積み下ろし作業を担当し、キャンプ・コートニーでは、日米共同指揮機関による指揮・統制・通信(C3)訓練に重点を置き、実戦における日米両国の指揮系統の円滑な連接を確保する。
また、今回は2016年の日米合同委員会合意を履行し、沖縄の基地負担軽減を目的として、在沖米軍の回転翼機およびティルトローター機を沖縄県外へ移転して訓練を行う「航空機移転訓練(ATR)」が実施される。今回で25回目となる。 移転訓練は演習と並行して実施され、普天間に駐留する米海兵隊第1海兵航空団第36海兵航空群が参加する予定である。投入される航空機は、MV-22オスプレイ約4機、CH-53ヘリコプター約2機、AH-1およびUH-1ヘリコプターがそれぞれ約2機と見込まれている。 訓練は相浦、霧島、大村、種子島(または奄美大島)などで人員および物資輸送訓練を行い、岩国飛行場、高遊原分屯地、目達原駐屯地を整備・給油拠点として使用する予定である。
更多新聞請搜尋🔍風傳媒日文版
最新ニュース
「高市旋風」が揺さぶる日本政局、利上げと円高への転換はいつか 専門家が指摘する3つの鍵 高市早苗首相率いる自民党が衆議院選挙で316議席を獲得し、「スーパーマジョリティ(圧倒的多数)」を確保したことで、日本の政局は極めて安定した執政基盤を得た。市場では今後、政府が国防建設やAI(人工知能)といった戦略分野への積極的な財政出動に踏み切り、中長期的な経済成長を牽引するとの期待が広がっている。一方、政権の安定に伴い、市場の関心は「金融政策の正常化(利......
【季凡氏の視点】次期FRB議長にウォーシュ氏が浮上 世界景気にとって「追い風」となるか ── 結論から言えば、概ねポジティブだが、あくまで「安定型の好材料」だ。市場が最も得意とするのは、「政治ドラマ」を「価格という言語」に翻訳することだ。ケビン・ウォーシュ(Kevin Warsh)氏が次期連邦準備制度理事会(FRB)議長に指名されたことを受け、多くの市場関係者は直感的に「利下げへのポジティブ材料」と受け止めた。しかし、今回の人事の経緯と市場の初......
中国、軍工重鎮3人を一斉解任 張又俠氏に続く「大粛清」か、習政権の強軍目標に暗雲 中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員会は、3月に開催される全人代(国会に相当)を前に、軍事工業関連の国有企業トップら3人の代表資格を剥奪したと発表した。1月には中央軍事委員会の張又俠副主席が規律違反で調査を受けており、習近平国家主席が主導する軍内部の「腐敗掃討」という名目の大規模な粛清が、国防・軍事技術の核心部にまで及んでいる実態が浮き彫りになった。核・......
張又侠氏はなぜ失脚したのか?習近平氏との権力闘争の背景に「側近排除」と「核機密漏洩」の疑い 中国共産党内の権力中枢で激震が走っている。中国国防部が1月24日に発表したところによると、中央軍事委員会の副主席を務める張又侠(ちょう・ゆうきょう)氏と、同委員兼連合参謀部参謀長の劉振立氏が、「重大な規律違反および法律違反」の疑いで立案調査を受けていることが明らかになった。これにより、20期中央軍事委員会のメンバー7名のうち、現職に留まっているのは主席である......
「高市氏は令和の信長だ」台湾の著名歴史講師・呂捷氏が指摘、改憲シナリオは「核弾級」の衝撃 台湾の著名な歴史講師であり、補習界(予備校界)のカリスマとして知られる呂捷(ル・ジェ)氏は9日、自身のフェイスブックを更新。日本の衆議院選挙における自由民主党の歴史的大勝を受け、高市早苗首相を戦国の覇者に例えて「令和の織田信長」と評した。呂氏は、高市氏が衆議院の3分の2を超える議席を掌握したことで、憲法改正に向けた道筋が確定したと分析。その影響は台湾を含むア......
自民「勝ちすぎ」で異例の事態、比例名簿枯渇で14議席を「流失」 316議席の歴史的圧勝 第51回衆議院議員総選挙は9日未明、全465議席の当選者が確定した。高市早苗首相率いる自民党は、公示前の198議席から大幅に上積みし、単独で定数の3分の2(310議席)を超える316議席を獲得する歴史的な圧勝を収めた。この勝利により、高市政権は極めて強固な基盤を確立し、憲法改正の発議も単独で可能な状況となった。一方、政権交代を目指した中道改革連合は、公示前の......
自民、戦後初の「単独3分の2」掌握 310議席超えの歴史的圧勝、トランプ氏「サナエは賢明」 第51回衆議院議員総選挙の結果が確定し、政界で密かに「体制的な転換点」と目されていたこの選挙は、正式に歴史へと刻まれた。高市早苗首相率いる自由民主党は、開票が進むにつれて野党との差を広げ、最終的に衆院の3分の2を超える310議席の大台を突破した。政権維持はおろか、単独政党によるスーパーマジョリティ(圧倒的多数)という、戦後日本の政治史上、前例のない局面を作り......
台湾初の国産潜水艦「海鯤」、水中デコイ発射に成功 潜航試験の全容を初公開 台湾国際造船(CSBC、台船)は8日、同社が建造を手掛けた台湾初の国産潜水艦「海鯤(かいこん、Hai Kun)軍艦」(SS-711)について、過去2週間にわたり実施された「浅海潜航試験」の公式記録映像を公開した。公開された映像には、海鯤号が初めて海中に潜る様子や、敵の魚雷を欺くための囮(デコイ)を発射する瞬間、そして浮上して無事に帰港するまでの一連のプロセ......
高市氏圧勝に台湾「運命共同体の新段階」 海上封鎖を「存立危機事態」へ?民進党議員が提言 2026年2月8日に投開票が行われた衆議院議員総選挙において、高市早苗首相率いる自由民主党が歴史的な圧勝を収め、強固な政権基盤を確立した。これを受け、民進党の陳冠廷立法委員(国会議員)は、高市首相が明確な安全保障戦略を掲げて国民の信任を得たことは、台湾にとって日台安保の枠組みを強化する「鍵となる重要な瞬間」であると指摘。台湾はこの地縁戦略的な好機を積極的に捉......
NVIDIA、台北に「AI新拠点」建設へ 606億円で用地取得、春節前に契約完了の見通し 米半導体大手エヌビディア(NVIDIA)が、台北市の「北投士林科学園区(北士科)」に海外拠点を設立する計画で大きな進展があった。台北市の李四川(リ・シセン)副市長は6日、市当局とNVIDIAの間で権利金の価格交渉が完了し、総額122億台湾ドル(約606億円)で決着したと明らかにした。早ければ2月11日にも正式契約を結ぶ見通しだ。手続きが遅れた場合でも、旧正月......
31年熟成の日本酒が象徴する「希望」 神戸ルミナリエ連携イベントで『現外』のシンボル性を発表 日本酒ブランド「SAKE HUNDRED」を運営する株式会社Clearは、第31回神戸ルミナリエと連携し、神戸学院大学、神戸松蔭大学、大学コンソーシアムひょうご神戸とともに、防災・チャリティイベント「大人も子どもも震災を未来へつなぐ」を2026年1月31日と2月1日に神戸ハーバーランドの商業施設「umie」で開催した。本イベントは、2025年4月から始動した......
「志布志市志布志町志布志」の魅力を食で発信、ABCスタイルが関係人口創出へ 鹿児島県志布志市志布志町志布志(しぶしし・しぶしちょう・しぶし)の稀有な地名とその豊かな食文化を活用し、地方創生を図る取り組みが注目を集めている。株式会社ABCスタイルは、東京會舘のレストラン「Drape(ドレープ)」において、同市産の厳選食材をふんだんに使用したファンミーティングを開催。食への関心が高い都内の層に対し、地域のブランド力を直接訴求した。本企画......
【開催中】劇場アニメ「ルックバック展」が麻布台ヒルズで話題、押山清高監督の「線の感情」に迫る 麻布台ヒルズギャラリーでは現在、「劇場アニメ ルックバック展 -押山清高 線の感情」が好評開催中だ(3月29日まで)。本展は、興行収入44億円を超える異例のヒットを記録した劇場アニメ『ルックバック』の監督を務めた押山清高氏自らが主催・監修する展覧会であり、開幕以来、多くのアニメファンやクリエイターが足を運んでいる。本展最大の見どころは、アニメ制作の現場におけ......
在留申請の顔写真「アプリ加工」は不可、再提出も 入管庁がメールマガジンで注意喚起 出入国在留管理庁は6日、日本で生活する外国人に向けたメールマガジンを配信し、在留資格の変更や更新などの申請時に提出する顔写真について、スマートフォンアプリなどで加工したものの使用を禁止すると改めて通知した。「美肌・輪郭補正」はNG、偽造疑われるリスクも同庁によると、美肌効果や輪郭補正などの機能を持つアプリで加工された写真は、在留カード上の顔写真として不適切で......