米台貿易協定を検証 米シンクタンク警告「トランプ氏の貿易赤字悪化懸念、為替操作疑惑とTSMC対米投資も火種に」

行政院副院長・鄭麗君氏と行政院通商交渉オフィス首席代表・楊珍妮氏は、米国側と「米台相互貿易協定(ART)」について合意し、署名を完了した。(写真提供:行政院)
行政院副院長・鄭麗君氏と行政院通商交渉オフィス首席代表・楊珍妮氏は、米国側と「米台相互貿易協定(ART)」について合意し、署名を完了した。(写真提供:行政院)

『米台貿易協定』は双方の経済をより安定させる可能性があるが、貿易収支の均衡、半導体製造、および為替操作などの課題における米台間の分歧は、依然として続くだろう。

外交問題評議会(CFR)

12日に『米台貿易協定』が署名され、台湾はトランプ政権と『対等貿易協定』を締結した7番目のパートナーとなった。米国は台湾製品に対する相互関税を15%に引き下げ、台湾側は関税および非関税障壁を低減する。また、台湾企業は米国内の半導体生産に少なくとも2500億ドルを投資し、台湾政府はこれらの企業に対し2500億ドルの信用保証を提供する。同時に台湾は、444億ドルの液化天然ガス(LNG)と原油、152億ドルの航空機およびエンジン、252億ドルの発電設備を含む、米国製品の調達拡大を確約した。

しかし、ワシントンの有力シンクタンク「外交問題評議会(CFR)」は直ちに記事を掲載し、「米台貿易協定は重大な疑問を残したままだ」と警告した。かつて米国在台協会(AIT)に勤務し、CFRの「米台関係独立タスクフォース」を率いる研究員デビッド・サックス氏と、同じく研究員のスティーブン・ホニグ氏は、米台貿易協定が二国間の経済関係に寄与し、連携を促進するとしながらも、「核心的な問題の解決には至らない可能性が高い」と指摘している。

サックス氏とホニグ氏は、米国の対台湾貿易赤字が拡大の一途をたどることは避けられず、これがトランプ氏が報復関税を発動する唯一の理由になり得ると分析している。また、台湾の半導体サプライチェーンをどの程度米国へ移転すべきか、その必要性をめぐる双方の意見の隔たりも解消されないままであろう。さらに、台湾による新台湾ドルの為替操作疑惑がさらなる波紋を広げる可能性もある。AIブームは米国のパートナーとしての台湾の重要性を浮き彫りにしたが、同時に台湾への過度な依存が米国経済に及ぼす影響への懸念も増幅させている(これこそが、米国がTSMCの米国工場誘致を積極的に進める主因である)。

堅調に推移する米台関係

サックス氏とホニグ氏は記事の中で、「米台の貿易関係はかつてないほど強固である」とも評価している。実際、台湾は2025年にメキシコ、カナダ、中国に次ぐ米国の第4位の貿易相手国へと昇格しており、同年11月の米中貿易額との差はわずか25億ドルに縮まっている。台湾政府の公式データによると、2025年の台湾の対米輸出総額は1982億7000万ドルに達し、2024年の1114億ドルから78%増加した。 (関連記事: 高市首相、圧勝後に「対米投資」の壁 5500億ドル拠出が難航、自動車関税25%の脅威ふたたび 関連記事をもっと読む

また、半導体生産と情報通信技術(ICT)製品分野における台湾のリーダーシップが、二国間貿易の急成長を牽引している。台湾企業は世界のファウンドリ(受託生産)総売上高の60%を占め、最先端チップの90%以上を生産しており、その他の通信機器も米国へ輸出している。AI熱が続き、米中貿易戦争が激化すれば、台湾が中国を抜いて米国の第3位の貿易相手国になる可能性も高い。

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