台湾、政府調達法の大幅改正案に波紋 検収証明書から「監査担当」削除で汚職リスク懸念

2026-02-15 11:50
近年、多くの公共事業で入札不調が続いている。写真は過去に2度入札が流れた淡北道路工事。(写真/新北市工務局提供)
近年、多くの公共事業で入札不調が続いている。写真は過去に2度入札が流れた淡北道路工事。(写真/新北市工務局提供)

台湾が国連の『腐敗防止条約』を国内法化した後、『政府調達法』を含む関連法規について、同条約が掲げる「最大限の公開・透明性の原則」に基づき法整備を行うべきか否か、法曹界では数年にわたり議論が交わされてきた。現在、行政院公共工程委員会(以下、工程委員会)は『政府調達法』の大幅な改正を準備しているが、制限付き入札など非公開・不透明な「例外条項」は依然として多く残されている。さらに、今回の改正案では、主計(会計)や政風(監察)などの監理担当者が署名確認を行う「検収精算証明書」に関し、内部監査のプロセスを省略する方向で検討が進められていることが明らかになった。

2015年、当時の総統・馬英九氏は国連『腐敗防止条約』に正式に署名し、関連条文が国内法となった。公共事業の調達や発注は、官民癒着などの汚職や不正の温床となりやすいためだ。『腐敗防止条約』の施行後、法務部は関連省庁に対し、法規の適合性について照会を行った。当時、『政府調達法』を所管する工程委員会は組織改編に直面しており、他省庁への統合の可能性があったため、廉政署(汚職対策機関)に対し「腐敗防止条約施行法と政府調達法は無関係である」と回答していた。

制限付き入札の情報開示不足、透明性の精神から乖離

しかし、2016年に民進党政権が発足した後も、工程委員会は存続しただけでなく、前工程委員会委員長・呉沢成氏や現委員長・陳金徳氏は行政院政務委員(無任所大臣に相当)も兼任するなど、権限を強化する勢いを見せている。数十年間、大幅な改正が行われてこなかった『調達法』が、ついに改正の俎上に載せられたのだ。その中には、選択的入札において初回入札の参加業者が3社を下回っても入札不成立としない規定などが含まれている。

残念なことに、工程委員会の改正案は、『腐敗防止条約』の最大の原則である「公開・透明性」とは依然として大きな隔たりがある。これまでも法曹界からは、政府調達案件において安易に選択的入札や制限付き入札が採用され、関連する調達契約書や入札プロセスの強制的な公開義務が欠如している点に対し、多くの疑問が呈されてきた。また、公共事業の契約履行をめぐる紛争に関わる「調達申立審議規則」についても、以前から立法委員(国会議員)より、審議委員会の運営がブラックボックス化しているとの懸念が示されていた。

20231129-行政院公共工程委員會主委吳澤成於立院交通委員會專案報告。(蔡親傑攝)
行政院公共工程委員会の前委員長・呉沢成氏は、当時行政院政務委員も兼任していた。(写真/蔡親傑撮影)

これに先立ち、民進党の立法委員・林淑芬氏は、陳氏が工程委員会委員長に就任した後に選任された29名の調達申立審議委員について指摘を行った。そのうちの1名である「法律組」委員の孔繁琦氏は、公共事業訴訟を専門とする環宇法律事務所の代表弁護士であり、同事務所は過去3年間で30件以上の公共事業訴訟を受任している。そのため、孔氏の調達審議委員就任には利益相反の疑いがあるとされた。 (関連記事: 台湾、公共工事の予算追加ルール緩和へ 調達法改正で「予算膨張の温床」となる懸念も 関連記事をもっと読む

当時、林氏は個別の審議委員に対し、「表面的な利益相反の回避だけで済むと思っているのか。根本的な官紀の退廃であり、厚顔無恥だ」「他の申立委員を愚弄しているのか」と厳しく追及した。

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