赤澤亮正経済産業大臣はこのほど、再びワシントンを訪問し、米商務省および通商代表部(USTR)と協議を行った。
赤澤氏は海外メディアに対し、今回の交渉で一定の進展は見られたものの、5500億ドル(約82兆円)規模の投資枠組みにおける「初回資金拠出案件」の選定を巡り、日米間に依然として「大きな隔たり」が存在することを認めた。
国会で圧倒的な勝利を収めたばかりの高市早苗首相にとって、今回の交渉は、日本側が何としても回避したい事態、すなわち日本車に対する現在の優遇関税率の維持がかかった重要な局面である。
The US and Japan remain far apart on which projects should be funded first under a $550 billion investment vehicle even as the two sides made progress in their latest talks, Japanese Trade Minister Ryosei Akazawa saidhttps://t.co/7oMvvE1P7E
— Bloomberg (@business)February 13, 2026
85分間の厳しい交渉 初回リストの合意至らず
米ブルームバーグ通信によると、赤澤氏はハワード・ルトニック商務長官と85分間に及ぶ非公開会談を行った。会談後、赤澤氏は報道陣に対し、「多大な努力を払ったが、現時点では具体的な初回支援案件を発表できる段階にはない」と述べた。
また、赤澤氏は初回案件の決定や発表時期については明言を避け、ルトニック氏との次回協議の日程も未定であるとした。今後は、ジェイミソン・グリア通商代表と重要鉱物を巡る議論を行う予定だ。

3月に予定されている高市首相の訪米を念頭に、赤澤氏は「首相の訪米がより実りあるものとなるよう、日米経済関係の強化を継続し、双方の共通利益に資するよう尽力する」と強調した。
事情に詳しい関係者によると、現在最終審査段階にある重点3項目は以下の通りだ。
1. ソフトバンクグループ(SoftBank)が主導するデータセンターインフラ
2. メキシコ湾(Gulf of Mexico)における深海原油積出基地
3. 半導体分野向けの人工ダイヤモンド技術

前述の5500億ドルの基金は、日米間の関税貿易交渉において、米国への重要産業に対する大規模投資として日本側に求められた必須条件の一つである。同合意に基づき、ドナルド・トランプ大統領は、日本からの全輸入品に対する関税を15%に調整することに合意し、同時に自動車に対する高関税の引き下げも認めている。
実際、トランプ氏が2025年に訪日した際、両国政府高官は一連の「潜在的投資案件」を提示しており、その総額は3億5000万ドルから1000億ドルの間と試算されていた。対象分野はエネルギー、人工知能(AI)、重要鉱物への投資を含み、関連企業にはソフトバンク、ウェスティングハウス、東芝の名が挙がっていた。
「45日以内」の資金拠出圧力
この巨額の投資ファンドこそが、日米関税協定の中核をなしている。
協定によると、案件が選定され次第、日本側は45営業日以内に資金拠出を開始しなければならない。仮に日本が米国側の選定した案件への出資を拒否した場合、米国政府は収益の回収や関税の再引き上げを行う権利を有する。つまり、赤澤氏による交渉が停滞し続ければ、日本の基幹産業である自動車輸出が再び25%という高関税の脅威に直面する可能性があることを意味する。

最近、トランプ氏がSNSを通じて韓国を公然と批判し、ソウルが二国間貿易協定を「可決していない」ことへの不満を表明した事例を鑑みると、日本政府としても警戒を緩めることはできない。
韓国は長年、自動車製造分野における日本の主要な競争相手であり、両国間で対米関税に差が生じれば、日本の産業発展や販売台数に打撃を与えることは必至だ。こうした懸念に対し、赤澤氏は、ルトニック氏のチームとの間に不信感は存在しないと述べ、2025年の関税交渉を通じて強固な協力関係が構築されているとの認識を示した。
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編集:柄澤南
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