韓国のオンライン電子入国申告システム(電子入国カード)の一部項目において、台湾が「CHINA (TAIWAN)」と表記されている問題を巡り、台湾外交部(外務省に相当)は複数回にわたる抗議と交渉を経て、実質的な対抗措置に踏み切った。外交部は、3月1日付で台湾の外国人居留証(ARC)における韓国の名称を、従来の「韓国」から「南韓」に変更したと発表した。
3月31日までに韓国側から前向きな回答が得られない場合、台湾側のオンライン入国カードにおいても相応の措置を講じるとしている。これに対し、韓国外交部は18日、状況を十分に認知しており、関係当局と協議中であると回答した。これを受け、台湾の林佳龍外交部長は本日19日、最新の立場を表明した。
「CHINA (TAIWAN)」表記に抗議、相互主義に基づく一手
韓国政府は昨年2月にオンライン電子入国申告システムを導入したが、基本情報の「国・地域」欄で台湾を「TAIWAN」とする一方で、一部の項目では「CHINA (TAIWAN)」と表記していた。中国、香港、マカオ向けの「CHINA P.R」とは区別されているものの、台湾側は不当な表記であるとして反発。外交部は昨年12月、台韓間の巨額な貿易赤字問題を含め、対韓関係を全面的に見直すと強い口調で言及し、注目を集めていた。
それから3か月後、外交部は昨日、関係部会との調整を経て、本年3月1日より「相互主義(対等原則)」に基づき、居留証の表記を「南韓」に変更したと発表した。3月31日までに韓国側から誠意ある回答がない場合、台湾側のオンライン入国カードにおける韓国の名称表記についても、さらなる調整を行うと予告している。韓国外交部は海外メディア向けの記者会見で、外交当局として問題を十分に把握・留意しており、多角的な検討を行うとともに、韓国内の関係省庁と継続的に協議していると述べた。
林外交部長「韓国側に検討の時間を与える。対抗措置には効果があると信じている」
台湾の林佳龍・外交部長(外相)は19日午前、立法院(国会)外交・国防委員会での業務報告に先立ち、メディアの取材に応じた。韓国側に対する対抗措置の効果と今後の対応について問われると、林氏は「韓国外交部は本問題を正視し、協議を開始すると表明している。我々は韓国側の回答を待つとともに、交渉を継続している」と述べた。また、今回の措置は政府内での十分な検討を経たものであり、31日までに具体的な回答が得られない場合は、予告通り入国システムを調整する準備が整っているとし、「この案はすでに韓国政府に伝達済みだ」と強調した。
林氏は、台韓関係が産業、観光、文化交流の面で良好であることを認めつつも、「韓国政府は台湾の民意と政府の交渉を正視し、対等と尊厳を保ちながら友好関係を促進すべきだ」と主張した。韓国国内の民意も「台湾は台湾である」という認識を支持していると指摘し、韓国政府が「善に付く(状況を改善する方向に進む)」ことを期待すると語った。
デンマークの事例と今後の展開
同様の事例として、デンマーク政府が2024年に居留証の国籍表記を「台湾」から「中国」に変更した際、台湾側はデンマーク駐台機関への優遇措置を調整するなどの対抗措置を講じている。記者から、台北にある韓国の代表部(駐台北韓国代表部)の名称変更の可能性について問われると、林氏は「双方法定の協定名称に関わる問題であり、現時点では入国システムの表記改善に注力している」と述べるに留めた。一方で、韓国側が当初廃止予定だった紙の入国カードの使用を維持している点に触れ、韓国側も一定の善意を示しているとの見解を示した。
林氏は、台湾側の交渉が韓国側の注意を引くことに成功したとし、双方が受け入れ可能な結果に落ち着くことを切望している。一部の宿泊業者から「対抗措置によって韓国人観光客が減少するのではないか」という懸念の声が上がっていることについては、「心配には及ばない。台韓の両国民は非常に友好的だ」と述べ、楽観的な見通しを示した。
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編集:平松靖史 (関連記事: 台湾、韓国電子入国申告システムの不当表記に対抗措置 居留証を「南韓」に表記変更、相互主義を強調 | 関連記事をもっと読む )


















































