【台湾】柯文哲氏、長男の東大博士課程「卒業式」出席かなわず 台北地裁が渡航制限解除の申し立てを棄却
台湾民衆党創設者の柯文哲氏は、長男・柯傅堯氏の学位授与式に出席するため、3日間の出国禁止解除を申し立てた。(資料写真/顔麟宇撮影)
台湾の野党・台湾民衆党の創設者である柯文哲(コー・ウェンジェ)氏(収賄などの罪で起訴、保釈中。3月26日に第一審判決の予定)は、長男の東京大学大学院博士課程の学位授与式に出席するため、今月9日、台北地方法院(地方裁判所)に対し、3日間の出国制限解除を申し立てた。これに対し、同地裁合議庭は17日、台湾と日本の間に司法共助による犯罪人引渡メカニズムが存在しないことなどを理由に、申し立てを棄却する裁定を下した。
柯氏は申し立ての中で、長男の柯傅堯氏が東京大学大学院工学系研究科システムイノベーション専攻の博士号を取得し、2026年3月24日に学位授与式が行われると言及。家族として式典に招待されており、家庭の倫理や人権保障、刑事手続きの円滑な進行を考慮した上で、3月23日から25日までの3日間に限り、暫定的に出国制限を解除するよう求めていた。
この申し立てに対し、検察側は台北地裁に対し、柯氏には依然として逃亡の恐れがあり制限を維持する必要があると指摘。司法の実務上、GPSアンクレット(電子足輪)を装着しての出国を許可した前例はないとし、申し立ての棄却を求めた。
裁判所の裁定文によると、柯氏は証拠として東京大学からの招待状を提出していた。招待状には、長男が2025年10月に学業を修了し、3月24日に学位授与式が行われる旨が記載されていた。しかし、裁判所は「柯氏の出席は儀式挙行の要件ではなく、欠席によって学位取得に支障が出るものではない」と判断した。
「必要不可欠な参列者」とは認めず、親族関係のみでは不十分
合議庭は、柯氏と長男の間に緊密な親族関係があり、本人に出席の意向があることは認めつつも、式典における「必要不可欠な参列者」は柯氏ではないと指摘。「親族関係」や「父子の情愛」を理由に、制限を一時解除してまで出席する必要性は認められないとした。
さらに裁定では、柯氏が東大の招待状は提出したものの、具体的な行動計画や相応の保証金(担保)の提示が欠けていた点も挙げられた。また、帰国予定日とされる2026年3月25日は、当該事件の判決言い渡し日の前日にあたる。加えて、現在の台湾の外交状況において、日本との間に司法共助による犯罪人引渡メカニズムが存在しない点も考慮された。
裁判所は、一旦制限を解除すれば、万が一帰国しなかった場合に後続の刑事裁判や刑の執行を確保することが極めて困難になると判断。検察側の「逃亡を阻止するための具体的な案が提示されていない」「実務上の通例に合致しない」といった主張も踏まえ、最終的に柯氏の申し立てを棄却した。
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