トップ ニュース 米有力学者ミアシャイマー氏「米国はイランでベトナム戦争の失敗を繰り返す」 理由は「2つの条件を満たせない」
米有力学者ミアシャイマー氏「米国はイランでベトナム戦争の失敗を繰り返す」 理由は「2つの条件を満たせない」 トランプ米大統領はイランへの軍事行動を決定したが、米国の権威学者であるジョン・ミアシャイマー氏は、米国は短期決戦に持ち込むことができず、すでに窮地に陥っており、イランでベトナム戦争の失敗を繰り返すことになると指摘している。(AP通信)
米国際関係論の権威であるシカゴ大学のジョン・ミアシャイマー教授は先日、イランが正面衝突で米軍を打ち負かすことは不可能だが、米国はベトナム戦争やアフガニスタン戦争と同様、すべての戦闘に勝利しながら最終的に戦争に敗北する構図を繰り返しているとの見解を示した。
ミアシャイマー氏によると、米国がこの戦争に勝てない理由は、2つの目標を達成できないからだという。第一に現在の体制を打倒すること、第二にイランにかいらい政権を樹立することだ。
同氏は、米国の空爆による民間人の犠牲がイラン国民を現体制の下に団結させ、かえって体制転換を阻害すると強調。米国が短期決戦に失敗した時点で、すでに窮地に陥っていると分析した。
ミアシャイマー氏は最近、中国の国営メディア「中国グローバルテレビジョンネットワーク(CGTN)」のインタビューに応じ、イラン情勢について議論した。
同氏は「我々が今議論しているのは持久戦、つまり長期にわたる戦争だ。この長期戦において、米国は顕著な劣勢に立たされるだろう」と述べた。イランが初期の攻撃を耐え抜き、戦争が膠着状態に陥れば、イランの置かれる状況は米国やイスラエルよりもはるかに有利になると指摘した。
シカゴ大学政治学部のジョン・ミアシャイマー教授はイラン情勢を分析し、米国がイランにおいてベトナムやアフガニスタンの失敗経験を繰り返していると指摘した。(顏麟宇撮影)
米国はイランでベトナム戦争の失敗を繰り返す ミアシャイマー氏によれば、イランがこの戦争に勝つために必要なのは「生き残ること」だけだ。生存しつつ、イスラエルや米国、そしてアラブ世界における両国の同盟国を攻撃し続けることである。さらにホルムズ海峡の封鎖を継続すれば、中東だけでなく世界規模で大きな混乱を引き起こすことができる。
したがって、短期決戦に失敗し持久戦へと移行した時点で、米国はすでに困難な状況に直面していると同氏は述べた。
同氏の分析によれば、イランが正面衝突で米軍を破ることは到底あり得ないが、これはベトナム戦争と同じ構図だという。米国はベトナム戦争のあらゆる戦闘で勝利し、北ベトナム軍が戦場で米国に勝つことは不可能だった。しかし、米国はすべての戦闘に勝ちながら、最終的に戦争全体に敗北したのである。
アフガニスタン戦争も同様であり、米軍の実力はタリバンを遥かに凌駕していたが、最終的に勝利したのはタリバンだった。20年続いた末に、米軍は撤退を余儀なくされた。1979年から1989年にかけてのアフガニスタンにおけるソ連の経験も、これと類似していると付け加えた。
ペルシャ湾のホルムズ海峡は世界の石油・ガス輸送における重要な要衝である(AP通信)
米国が「2つのこと」を達成できない限り、勝利はない ミアシャイマー氏は、中東において米国がイランに甚大な打撃を与えることは間違いないものの、長期的にはこの戦争に勝利することはできないと述べている。なぜなら、米国には実現不可能な「2つの課題」があるからだという。
同氏は、第一に米国は現体制を打倒できないこと、そして第二に、米国やイスラエルの指示に従うイランのかいらい政権を樹立することは不可能であることを挙げた。
ミアシャイマー氏の分析によると、テヘランに米国やイスラエルに従順な政府を樹立しない限り、イランのミサイル開発計画を停止させることは到底不可能である。また、ウラン濃縮活動を完全に放棄させることや、イエメンのフーシ派、レバノンのヒズボラ、ガザ地区のハマスに対する支援を断ち切らせることもできない。今回の紛争がどのように始まり、どのように変容してきたかを考慮すれば、米国がテヘランに「言いなり」となる政権を誕生させることは想像しがたいと同氏は指摘した。
2026年3月2日、イランのテヘランで、米・イスラエルの合同軍事攻撃により死亡したイランの最高指導者ハメネイ師の肖像画が描かれたポスターを高架橋に設置する作業員たち。(AP通信)
米国の空爆は「逆効果」に ミアシャイマー氏は、実際には米国とイスラエルがイランの民間人を殺傷すればするほど、かえってイラン国民が現体制の側に団結する結果を招くと推測している。イラン国民は自国政府を支持し、米国人やイスラエル人を強く憎むようになるという。このまま事態が推移すれば、イラン国民は米国やイスラエルの利益を代弁するような政権の誕生を、決して望まないだろうと述べている。
最後にミアシャイマー氏は、米国が現在行っている、イランの民間人に多数の死傷者を出すような空爆作戦は、体制転換を促すどころか、むしろそれを阻害することになると強調した。
更多新聞請搜尋🔍風傳媒日文版
最新ニュース
4年以上勾留の米国人男性の冤罪訴え、弁護団がDNA鑑定の改ざん疑惑指摘 FCCJで会見 2026年3月6日、日本外国特派員協会(FCCJ)にて、日本で4年以上にわたり勾留されている米国人男性クリス・ペイン氏の冤罪疑惑に関する記者会見が開かれた。会見には弁護団の角前清美弁護士、支援会会長の半田光太氏、そしてペイン氏の母親であるロンダ・テリル・ペイン氏が登壇し、不適切なDNA鑑定に基づく一審判決の不当性や、健康状態を悪化させている非人道的な長期勾留......
イスラエル駐日大使「核兵器11発分」のウラン保有を警告 北朝鮮の教訓挙げイラン阻止訴え イスラエルのギラド・コーエン駐日大使は4日、日本外国特派員協会(FCCJ)で記者会見を行い、イランによる核兵器開発の現状と、それに対するイスラエルおよび米国の抑止行動の正当性を強調した。大使は、イランの最高指導者体制が核保有を追求し、弾道ミサイル計画を拡大させていると指摘。地域の代理勢力を通じて中東および世界の安定を脅かしていると厳しく非難した。イスラエル駐......
Nothing、ホワイトデーセール開催 人気オーディオ製品が最大25%オフの特別価格で登場 ロンドンを拠点とするコンシューマー・テクノロジー・ブランド「Nothing」は、2026年3月14日まで「Nothingホワイトデーセール」を開催している。今回のセールでは、人気のオーディオ製品を中心に最大25%オフの特別価格で販売される。実施期間は3月6日正午から14日23時59分まで。在庫がなくなり次第、終了する予定だ。対象商品には、同社の主力オーディオ......
頼清徳総統の「大陸」呼称で中国軍機は活動停止? 専門家は「両会」開催が主因と分析 台湾の頼清徳(らい・せいとく)総統は2月24日、台商(中国大陸で活動する台湾実業家)との新春懇親会に出席した際、中国を「中国大陸」と呼称した。これにより「二国論(台湾と中国は別の国であるという主張)」の色合いを薄める姿勢を見せた。その後、2月28日から数えて9日間、台湾周辺での中国軍機の活動が確認されていない。これが頼氏による「善意」の表明と関係があるのか。......
台湾行政院長の東京ドーム訪日に中国が反発 日本は「個人旅行」と説明、台湾は冷静対応 台湾の卓栄泰(たく・えいたい)行政院長(首相に相当)が、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が開催されていた東京ドームを訪れ、台湾代表の試合を観戦したことが大きな波紋を広げている。昨年7月の林佳龍(りん・かりゅう)外交部長(外相)による訪日に続く現職閣僚の訪問に対し、中国政府は「台湾独立を企てる挑発行為だ」と猛反発。一方、台湾外交部は10日、日本との......
5年後も価値が落ちにくい車はどれか リセール率ランキング、首位はトヨタ64.9% 自動車の購入において、多くのオーナーを悩ませるのが「リセールバリュー(再売却価値)」だ。特に、将来的な乗り換えを前提とする消費者にとって、旧車の売却価格は新車購入費用を分担する重要な資金源となる。自動車消費者支援サイト『CarEdge』が発表した「新車登録から5年後の残価率ランキング」によると、上位10ブランドはいずれも原価の50%以上を維持するという驚異的......
高市首相、石油備蓄45日分の単独放出を閣議決定 ガソリン価格は170円に抑制 高市早苗首相は11日、緊迫する国際エネルギー情勢に対応するため、来週にも国家備蓄石油を放出すると発表した。国際エネルギー機関(IEA)による協調放出の決定を待たず、日本独自に緊急介入措置を講じ、国家備蓄を動用することを強調した。ホルムズ海峡の航行リスク増大日本が迅速かつ断固とした決定を下した背景には、同国の脆弱なエネルギー供給構造がある。現在、日本の輸入原......
ホルムズ海峡が「世界で最も危険な海域」に 各国商船がAIS上で「中国船」装う動き 船舶追跡プラットフォーム「マリン・トラフィック(Marine Traffic)」のデータに基づいたAFP通信の最新の分析によると、ペルシャ湾に停泊、またはホルムズ海峡の通過を予定している各国商船が、自動識別装置(AIS)上の情報を書き換え、中国との関連性を強調する事態となっている。機雷や無人機が飛び交う危険海域において、「中国船」を名乗ることが事実上の「免罪......
7-ELEVENの人気商品がグッズに Happyくじ「セブン-イレブン」、3月13日発売 サニーサイドアップが展開する「Happyくじ」から、セブン-イレブンの人気商品をモチーフにした新シリーズ「セブン-イレブン」が、2026年3月13日(金)から全国のセブン-イレブン店舗で順次発売される。今回のくじは、店頭でおなじみの「からあげ棒」や「ちぎりパン」、「セブンプレミアム ゴールド」シリーズなどをイメージしたグッズがそろい、全9等級とLAST賞で構......
大谷翔平選手がアンバサダー就任 ファミマ「おむすびJAPAN」累計販売数420万個を突破 株式会社ファミリーマートは、2026年3月3日より全国およそ16,400店舗で展開している「新生、おむすびJAPAN。」キャンペーンにおいて、開始から1週間で累計販売数が420万個を突破したと発表した。昨年実施した「おむすび二刀流、解禁。」キャンペーンの初週実績である約300万個を大きく上回り、好調な滑り出しとなっている。今回のキャンペーンでは、おむすびアン......
WBC日本代表「お茶たてポーズ」Tシャツ発売 北山亘基考案のセレブレーションをデザイン ファナティクス・ジャパン合同会社は、2026 WORLD BASEBALL CLASSIC™の開催に合わせ、日本代表選手たちが得点時などに披露している「お茶たてポーズ」をモチーフにしたオリジナルイラストTシャツの販売を、3月10日19時ごろから開始した。販売は、WORLD BASEBALL CLASSIC™オフィシャルストア(ファナティクス・ジャパン公式スト......
米NFLの巨大ビジネスの実像 NYT記者がFCCJで内幕語る ニューヨーク・タイムズのスポーツビジネス記者、ケン・ベルソンが日本外国特派員協会(FCCJ)で開かれた「Book Break」に登壇し、自著『Every Day Is Sunday』について語った。ベルソンは、ジェリー・ジョーンズやロバート・クラフトらNFLチームのオーナーと、コミッショナーのロジャー・グッデルが、いかにしてNFLを文化的にも経済的にも米国最......
中国軍機が台湾周辺で異例の減少 戦略学者が読む「4つの可能性」 過去10日間のうち9日間、台湾周辺で中国軍機の活動が確認されないという極めて異例の事態が続いており、外部から注目を集めている。これに対し、淡江大学国際事務・戦略研究所の黄介正(こう・かいせい)副教授は『風傳媒(ストーム・メディア)』の取材に対し、米国のトランプ大統領が4月頃に訪中し、中国の習近平国家主席と会談する予定であることを指摘。中国側が「台湾問題を武力......
2025年ノーベル賞受賞の北川進氏と坂口志文氏が会見 研究の実用化と日本の研究環境改善を訴え 2025年にノーベル化学賞を受賞した北川進・京都大学特別教授と、ノーベル生理学・医学賞を受賞した坂口志文・大阪大学特別栄誉教授が2026年3月3日、日本記者クラブで記者会見を開いた。北川氏は多孔性金属錯体(MOF)を活用した環境・エネルギー分野での応用について、坂口氏は制御性T細胞(Tレグ)を基盤とする新たながん免疫療法やアレルギー疾患治療の可能性について語......
米国の国際政治学者「米国はイラン戦争に勝てない」 中東での消耗に「中国は有利」と分析 国際関係論の巨頭として知られるシカゴ大学のジョン・ミアシャイマー教授はこのほど、米国・イスラエルによる対イラン戦争について見解を述べた。同氏は、米国がいかなる意味でもこの戦争に勝利することは不可能であり、イラン側は「生き残ること」ができれば勝利と見なせると指摘。米国がウクライナだけでなく中東にも足止めされ、武器弾薬を大量に消耗させている現状に対し、「中国は密......
断交後初、台湾行政院長がWBC観戦で訪日 日本は「個人旅行」、中国は強く反発 台湾の卓栄泰(たく・えいたい)行政院長(首相に相当)が東京ドームを訪れ、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に出場している台湾代表を応援した。現職の行政院長が試合観戦のために訪日するのは、1972年の台日断交以来初めて。象徴的な外交上の進展と見なされる一方で、中国当局は即座に強い抗議を表明した。これに対し、日本の木原稔内閣官房長官は、卓氏の訪日を「個......
永井豪氏、創作の原点とアニメへの思い語る ファンミーティングをYouTubeで期間限定配信 アニメ展示拠点「アニメ東京ステーション」(東京都豊島区)は、漫画家の永井豪氏を招いた公開収録イベント「永井豪先生を囲むファンミーティング」の模様を、2026年3月13日から4月12日までの期間限定で公式YouTubeチャンネルにて配信する。本イベントは、フランスの「アングレーム国際漫画祭」が本年中止となったことを受け、3月13日から池袋で開催される「東京アニ......
トランプ氏「戦争は非常に早く終わる」 原油一時119ドル、原油高と選挙圧力に市場注目 米国とイランによる軍事衝突の激化を受け、原油価格が高騰し株式市場が急落する中、ドナルド・トランプ米大統領は3月9日、突如として「米軍はイランの空軍および海軍に甚大な打撃を与えた。この衝突は、当初想定していた『4週間』よりも早く終結するだろう」と宣言した。しかし、ロイター通信は、トランプ氏がいまだ「勝利」の定義を明確にしておらず、戦争の終結が具体的に何を意味す......
【台湾海峡の深層】頼清徳総統の「3つの変化」 中台関係に微妙な変化、中国も注視 台湾の頼清徳(らい・せいとく)総統は2月24日、海峡交流基金会(海基会)が主催した旧正月恒例の台湾系企業家交流イベントに出席した。頼総統はあいさつの中で中台関係に触れ、中国側を指す呼称としてあえて「中国大陸」や「大陸」という言葉を用いた。頼総統はこれまで、強い「二国論」の色合いを帯びた「中国」という呼称を多用してきたが、今回の「大陸」や「中国大陸」という表現......
イラン情勢下でも米中首脳会談へ調整続くか 中国の王毅外相「高層交流は議題に」 アメリカとイスラエルの共同作戦によるイランへの軍事打撃は、3月末に予定されているドナルド・トランプ米大統領の訪中および習近平国家主席との首脳会談に影響を与えるのか。中国の王毅外相は3月8日、今年を米中関係の「重要な年」と位置づけ、「高層級の交流日程はすでに両国のテーブルの上に置かれている」と言明した。その上で、双方がなすべきことは周到な準備を整え、適切な環境......
中国・王毅外相「台湾は80年以上前に光復」 全人代記者会見で統一方針を改めて強調 中国の全国人民代表大会(全人代)で8日、外相記者会見が開催された。北京当局が台湾海峡における衝突のリスクをどう見ているか、また統一のタイムラインやロードマップを設けているかという質問に対し、中国の王毅(おう・き)外相は「国際社会には『一つの中国』を堅持する圧倒的なコンセンサスが形成されている」と強調。その上で、「80年以上前に光復(主権回復)した台湾を、いか......
【舞台裏】台湾外交を支える「食卓外交」 ワインが切り開く意外な突破口とは 現代の外交体系の確立において、フランスは極めて重要な役割を果たしてきた。英語の「diplomacy(外交)」はフランス語の「diplomatie」に由来し、さらにその語源は「折り畳まれたもの」を意味するギリシャ語の「diploum」に遡る。これは外交特使が携える委任状を指し、後に「diploma(証書)」を経て現在の意味へと発展した。興味深いことに、中世から......