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編集部

「台湾のマンデラ」発言が火種に:時代力量党が民衆党を「邪教化」と非難 黄国昌:品格に欠ける

台湾の政界で、小政党間の対立が新たな局面を迎えている。時代力量党の王婉諭主席が台湾民衆党を「邪教化」していると厳しく批判したことで、両党の関係が急速に悪化。この発言は、台湾政界全体に大きな波紋を広げている。


王婉諭主席は9日、民衆党が8日に立法院(国会)の隣で行った集会活動を取り上げ、「民衆党の議員が柯文哲主席を『示現菩薩』や『台湾のマンデラ』と呼んでいる」と指摘。「自身の行為により司法調査を受けている容疑者を、苦難を受ける偉大な指導者として神格化している」と批判し、民衆党の「邪教化」を市民に警戒するよう呼びかけた。


「政治攻撃は品格に欠ける」:民衆党・黄国昌が猛反発

これに対し、民衆党の黄国昌立法院党団総召(院内総務)は10日朝、党団会議後の取材に応じ、「各議員の発言には個人の感想や心情が反映されている」と述べ、他党からの政治的攻撃を強く非難した。「このような品格の低い批判は、称賛に値しない」と黄国昌は反論し、政治討論の質の低下を懸念する姿勢を示した。


柯文哲前市長、抗告見送りで党内結束アピール

民衆党の創設者である柯文哲前台北市長の捜査をめぐっては、柯氏と弁護士団が抗告を見送る決定をした。この決定について黄国昌は、「我々は皆、柯文哲に抗告を勧めていた」と明かしつつ、「しかし、柯文哲の決断を全員が理解し、尊重し、支持している」と強調。党の結束を示す姿勢を見せた。


「1500沈慶京」の謎:京華城案で新たな疑惑浮上

京華城案に関する捜査情報の漏洩疑惑も浮上している。報道によると、捜査当局が押収した重要なUSBメモリーに「2022/11/1 1500沈慶京」という記載があったとされ、資金の流れに関する疑惑を呼んでいる。これに対し台北地検は、特定のメディアに捜査内容を漏洩した事実は一切ないと強調。さらに、関係者の違法行為の有無を調査するため、自ら別件として捜査を開始すると発表した。


「検察の自己調査は茶番」:黄国昌が厳しく批判

しかし、黄国昌は台北地検の自己調査の実効性に強い疑問を呈した。「台北地検が自ら漏洩を調査するというのは、ただのポーズに過ぎず、何の期待もできない」と批判。「外部で噂を流している人物さえ、情報源が北部地検だと明言している。北部地検が自分自身を調査できるのか」と反問し、検察の姿勢を厳しく問いただした。


「誰が法令違反を判断するのか」:京華城案で黄国昌が新たな視点提示

京華城案の議論において、黄国昌は都市計画審議会の決定の適法性に焦点を当てた。「なぜ京華城の容積ボーナスが法令違反だと考えられているのか。誰が法令違反を判断するのか」と疑問を投げかけ、「都市計画審議会の委員全員の合意の後に、突然誰かが法令違反だと言い出しても、それで法令違反になるのか」と指摘。事実に基づいた冷静な議論の必要性を訴えた。


民衆党と国民党、改革法案で「蜜月関係」継続へ

民衆党と国民党の協力関係に変化があるという噂も流れたが、黄国昌はこれを否定した。「内部告発者保護法の推進は、前会期から国民党との間で合意に達している。協力の方向性に全く変更はない」と明言。さらに、「内部告発者保護法や財政収支劃分法などの改革法案について、今会期中に速やかに審議し、第二読会、第三読会を完了させたい」と意欲を示した。


黄国昌は最後に、「これらの法案の成立は社会の期待に応え、民衆党の公約を果たすことになる」と述べ、改革への強い決意を表明した。 編集:高畷祐子


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