柯文哲前市長の自宅を緊急捜索
台北地方検察庁と廉政署の合同捜査チームは8月30日早朝、台北市の前市長で民衆党主席の柯文哲の自宅を家宅捜索した。捜索は汚職の疑いで行われ、京華城開発をめぐる容積率贈収賄事件の捜査の一環とみられている。
捜査の経緯と急展開
8月28日、捜査チームは48箇所の一斉捜索を実施。その結果、国民党所属の台北市議員応曉薇氏、その助手の呉順民氏、そして威京集団会長の沈慶京氏の3人を逮捕。台北地方裁判所は29日深夜から30日未明にかけて、3人の勾留を決定した。
しかし、捜査はそこで止まらなかった。30日早朝、台北地方検察庁の江貞瑜主任検察官と廉政署の林漢強副署長を筆頭とする捜査チームが、柯文哲氏の自宅がある信義路と金山南路の交差点付近に到着。台北地方裁判所発行の捜索令状を示し、柯氏に捜索の目的を説明した後、多くのメディアが見守る中、自宅の捜索を開始した。
4500万元の贈収賄疑惑
威京集団の沈会長が応市議員に4500万元(約2億円)の賄賂を渡し、柯市政府に京華城の容積率緩和を働きかけさせた疑いが持たれている。この疑惑が、今回の柯文哲氏自宅捜索につながったとみられている。
民衆党は潔白を主張
柯文哲氏が率いる民衆党は声明を発表し、「捜査に協力し、真相究明を求める」とした上で、「柯文哲の潔白を全力で支持する」と述べた。また、捜査当局に対し、「適正な法的手続きを守り、必要以上の捜査を行わないよう」求めた。
この突然の展開は、台湾の政界と不動産業界の癒着の実態を浮き彫りにする可能性がある。
編集/高畷祐子
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