「甲子園留学」からプロの舞台へ 台湾出身・陽柏翔、楽天イーグルスで夢の一軍登録

「台東陽家班」出身の19歳、陽柏翔はベースボール・チャレンジ・リーグの茨城アストロプラネッツでプロ生活を始め、今年2024年のNPBドラフトに再挑戦する。(写真/黄信維撮影)
「台東陽家班」出身の19歳、陽柏翔はベースボール・チャレンジ・リーグの茨城アストロプラネッツでプロ生活を始め、今年2024年のNPBドラフトに再挑戦する。(写真/黄信維撮影)
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台湾出身の陽柏翔ヨウ・ボウシャン選手が、東北楽天ゴールデンイーグルスで一軍に昇格した。2022年に日本へ渡り、2024年のドラフトで同球団から6位指名を受け、2025年にプロ野球選手としてのキャリアをスタートさせた。そして2025年10月、ついにプロ野球人生で初めて一軍登録を果たした。来日から積み重ねた日数は1303日。長い鍛錬を経て、ようやく一軍の舞台に立つこととなった。なお、陽選手がまだ独立リーグ時代に茨城でプレーしていた際には、《風傳媒》が現地を訪れ取材している。陽柏翔選手にとって、今回の一軍登録は大きな節目であり、今後の活躍に大きな期待が寄せられている。

日本で野球の夢を追い続けた若者

陽柏翔は台東出身・19歳(2024年取材時点)。台東県桃源中学校を卒業後、日本へ留学し、甲子園の名門として知られる茨城県の明秀学園日立高等学校に進学した。2023年には日本プロ野球のドラフトに登録したが、指名を受けることはできなかった。その後、ベースボール・チャレンジ・リーグの茨城アストロプラネッツでプロ生活をスタート。今年は再び2024年のプロ野球ドラフトに挑戦し、24日のドラフト会議で指名されることを期待している。

陽は「当初から2年間プロ野球に挑戦する予定だった」と語り、自身の成績が出ていることや複数のプロ球団が注目していることから、十分にチャンスがあると手応えを感じている。

成績と手応え

今シーズンはすでに終了し、陽は多方面で成果を残した。特に盗塁では21回を記録し、リーグ3位にランクインしている。2024年もドラフトに登録したが、仮に選ばれなかった場合は来年も茨城アストロプラネッツで1年間プレーする予定だという。どの球団に選ばれても躊躇なく入団する意思を示しており、ドラフト会議が近づくにつれ緊張が高まり、毎晩就寝前には「指名されますように」と心の中で祈っていると明かした。

生活リズムに適応 最年少でも先輩に支えられる

来日後の生活について陽は「当初は高校生活に慣れなかった」と振り返る。日本語能力が現在ほど高くなく、主にジェスチャーで意思疎通していた。しかし同じ台湾出身の同級生4人の存在に助けられ、徐々に高校生活に適応していったという。台湾と比べて学校のトレーニングは格段に厳しく、特に冬季は体力強化の負荷が大幅に増加した。

現在所属する球団に入ってからは適応も良好で、午前中は練習、午後はウェイトトレーニングや体力回復に充てる生活リズムが自分に合っていると語る。チームでは最年少でありながら、年上の先輩たちに支えられてきた。初めて先発ショートに抜擢された際には緊張からボールを落とす場面もあったが、先輩たちは叱責するのではなく理論的な説明と励ましで導いてくれ、「チームの雰囲気は非常に良く、安心してプレーできている」と強調した。
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木製バットへの適応とフィジカル強化

陽は「自分でやるべきことをする方法を見つけなければならない」と語る。高校時代はアルミバットを使用していたため、独立リーグで木製バットに切り替えた当初は打球感に戸惑い、怪我を恐れて全力で振れなかった。しかし6月に入る頃から力が徐々に増し、スイングとバットスピードが向上。理想的なフォームで打撃できるようになったという。

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