台湾のバンドが日本語で創作! “ゲシュタルト乙女”インスピレーションの源を明かす、バンド名は心理学から

ゲシュタルト乙女は台湾のバンドでありながら、日本語で創作を行い活動している。(格式塔少女提供)
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「格式塔少女(ゲシュタルト乙女)」は2016年に結成され、現在は主唱・ギタリストのMikanと、2024年に新たに加入したベーシストの阿司で活動している。昨年9月末には新たな台湾・日本ツアー「僕たちの働き方」を開始し、26日に東京渋谷のWWWでのライブを開催。ライブ前、Mikanは「ゲシュタルト」スタイルで新メンバーの加入について語り、楽団にとっては多くの変化があったが、彼女たちの作品をより多くの人々に届けるために意識が高まったと述べた。

渋谷でのパフォーマンス当日、会場は満員の観客で埋め尽くされ、Mikanは特にステージに赤い小さな提灯を飾り、ライブ後にその意図について語った。「日本で演奏する際に、聴いている人々に台湾の故郷の雰囲気を感じてもらいたかったから」と。また、パフォーマンスの衣装にはネクタイをつけ、「仕事」を感じさせる装いにし、ライブ中の会話やメンバーとの軽口、さらには日本語翻訳担当としての「斜槓」も含め、「仕事」という音楽作品と「ゲシュタルト」の独特なスタイルを表現した。

格式塔少女樂團。(格式塔少女提供)
ゲシュタルト乙女はバンド名や歌詞創作も日本語で行い、スタイルはまさに日本のロックバンドのようだ。(格式塔少女提供)

ゲシュタルト乙女の名前の由来 「完形心理学」から

「ゲシュタルト乙女」の名前の由来は「完形心理学」に基づいており、心理学の流派である「格式塔学派」に由来している。この概念は「部分の総和は全体には等しくない、したがって全体は分割できない;全体は各部分によって決定され、逆に各部分も全体によって決定される」というものだ。Mikanはインタビューでこの哲学を楽団の構成に例え、メンバーそれぞれが独特で独立した特色を持っており、それが楽団の多様なスタイルを生み出していると説明した。

ゲシュタルト乙女」は2024年に新EP「仕事」を発表。このEPには4曲が収められており、働くことに関する4つの異なる状態を描いている。例えば、日常的な通勤の過程を表現した「副都心」、理想や仕事への無力感から心の慰めを求める「神様」、プレッシャーからの逃避と解放の過程を描いた「蜃気楼」、忙しさと狂乱後の疎外感を反映した「仕事」がありる。阿司は、このEPのテーマは「仕事」であるが、その内容はオープンエンドの回答として設計されており、聴衆に自身で解釈を促す形にしていると補足した。仕事についての考え方や概念は人それぞれ異なりますが、共通するのは仕事が自己と向き合わせること、その中での欠点や妥協もあるという点だ。

「副都心」について、阿司は「この曲は通勤の過程を描いていて、仕事を始めるために新しい一日を迎える感覚を表現している。通勤中に車窓から外を見ながら新しい一日を迎えるという感じ」と語った。そして「神様」では会議や感情的な低調な時期に直面する場面が描かれ、「蜃気楼」では仕事後の狂乱の雰囲気を、最後に「仕事」では一人で静かに過ごす時間、忙しい一日の後の心の対話が表現されている。

格式塔少女樂團。(格式塔少女提供)
「(ゲシュタルト乙女」の名前のインスピレーションは、心理学の「ゲシュタルト心理学」から。(格式塔少女提供)

日本語で創作 Mikan「内面的な感情を表現するため」