福島第一原発の処理水、海洋放出の安全性　日本政府：「定期管理で品質確保」

​2011年3月11日の東日本大震災により福島第一原子力発電所の原子炉炉心が溶融する重大な被害が発生し、処理水の海洋放出は2023年8月に開始されました。公益財団法人フォーリン・プレスセンター（FPCJ）は7日、日本政府関係者と東京電力関係者を招き、外国メディア向けに福島復興策と東京電力の最新対策、核心的な取り組みについて背景説明会を開催しました。日本政府関係者は、技術的な分析に加えて、情報の公開と透明性も重要な対策の一つであると指摘しました。これらの措置は国際社会の信頼を確保することを目的としています。この目標を達成するため、多角的な分析と情報発信を通じて安全性を確保すると同時に、国際社会とのコミュニケーションと信頼構築も強化しています。

『風傳媒』の質問に対し、ALPS処理水（トリチウム処理水）の海洋放出における安全性確保のために、政府と東京電力はどのような対策を講じているのか、また、これまで国際原子力機関（IAEA）などの国際機関とどのように協力して透明性を確保し、国際社会の信頼を得ているのかという点について、日本政府関係者は、政府がIAEAと常に協力し、定期的にその評価チーム（Review Mission）の審査を受け、データの信頼性を確保するために分析機関間の比較試験（ILC、Interlaboratory Comparison）を実施していると述べました。

東京電力、定期モニタリングで放射性排水の安全性を確保​

『風傳媒』の質問に対し、別の東京電力関係者は、ALPS処理水の放出は原発廃炉作業の一部であり、これは長期的かつ継続的な作業であると説明しました。放出の安全性を確保するために、東京電力は設備運用の安全管理、品質確保、迅速なモニタリングおよび正確な情報発信などの面で多大な努力を投じています。IAEA審査方式を通じて情報の透明性を確保し、放出の安全性を確認することが重要であり、さらに東京電力は定期的なモニタリングを通じて放出水の安全性を確認し、放出前に十分な検査を行い、放出水中の放射性物質濃度を分析し、日本の基準に適合した後に初めて放出するとのことです。

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また、同関係者は、すべての検査は日本の法規制と国際安全基準に従って行われ、JAEA（日本原子力研究開発機構）などの第三者機関による独立分析によってデータの公正性が確保されていると指摘しました。設備運用については、東京電力は関連施設が設計通りに正常に作動するよう確保し、継続的なモニタリングとメンテナンスを行っています。放出設備も定期点検を受け、その性能を維持し、ALPS処理水の放出施設が長期的に安定して運用できるようにしています。さらに、東京電力は福島第一原発周辺の海域でモニタリングを行い、放出が計画通りに安全に進行しているかを確認し、総合モニタリング計画に参加している機関と協力して、モニタリングの独立性を確保しています。

同関係者は補足として、IAEAの枠組みでも追加モニタリングが行われており、2月にはIAEA専門家と韓国、中国、スイス、フランスの分析機関代表が福島第一原発を訪れ、ALPS処理水のサンプリング調査を行ったと述べました。モニタリングデータの信頼性と透明性を確保するために、IAEAが主導する分析機関間比較ILC計画では、福島第一原発内部および周辺海域のサンプルの比較分析が行われ、その結果は公開されます。これらのモニタリングとデータ公開の仕組みは継続的に機能し、放出の安全性と情報の透明性を確保し、国際機関との協力を継続して国際社会の信頼を維持します。この仕組みの下でデータ比較が公開され、東京電力もそれに参加しています。

同関係者の説明によると、2023年8月のALPS処理水放出開始前に、東京電力はIAEAとICRP（国際放射線防護委員会）などの国際機関が定めた基準に従って、放射線環境影響評価を実施しました。評価結果は、放出が人間および環境に与える影響が極めて小さいことを示しており、この種の評価は放出開始から1年後にも再度実施され、関連結果は以前の評価と一致しているとのことです。東京電力関係者は、今後もALPS処理水の海洋放出の安全性を確保し、国際安全基準に基づく審査を受けて安全性と透明性を確保していくと強調しました。

2025年大阪万博で福島の復興成果を展示​

背景説明会では、政府関係者が福島の復興作業は着実に進んでおり、2025年に大阪で開催される万博を通じて福島の復興成果を展示する予定であると述べました。福島原発事故の影響を受けた15の市町村の企業が万博で展示を行い、これらの展示品は地元の再建と発展を反映し、福島が課題に直面している地域であるだけでなく、イノベーションと解決策のモデルであることを強調します。政府はこのプラットフォームを通じて、国際社会に福島の復興の成果を示し、より多くの国際的な関心と支援を促進して、福島の復興と発展をさらに強化したいと考えています。

今後の作業方針について、政府関係者は3つの核心的な任務があると強調しました。まず、政府は福島第一原発の安全な廃炉プロセスを継続的に確保し、ALPS処理水の海洋放出が国際基準に適合するようにし、透明性のあるモニタリングを継続します。次に、政府は世論対応と情報公開を強化し、国内外の公衆が正確な情報を得られるようにして、不必要な懸念を取り除きます。最後に、政府は日本の水産物に対する輸入制限の解除を積極的に推進し、外交ルートを通じて各国と交渉を行い、輸入規制の撤廃を促して日本の漁業の復興を支援します。

編集：梅木奈実​ （関連記事： 台湾のYouTuber・Lindaさんがアンバサダーに就任、日台の自転車愛好家をつなぎ、福島の再生と変貌を共に見届ける ｜ 関連記事をもっと読む ）

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