ポーランドの民主化運動「連帯」を率い、同国初の民選大統領を務めたレフ・ワレサ(Lech Wałęsa)氏がこのほど台湾を訪問した。台湾外交部(外務省に相当)と台湾アジア交流基金会が共催する「第9回玉山フォーラム」に出席し、午餐会で特別演説を行ったほか、外交及国際事務学院(外交アカデミー)での座談会にも登壇した。この座談会は、フォーラムの合間に親交を深めた林佳龍(りん・かりゅう)外交部長(外相)の働きかけで実現したものであり、二人の対話は時空を超えた「民主主義の対話」となった。
過去最大規模の「玉山フォーラム」で台湾モデルを絶賛
今回の第9回玉山フォーラムは過去最大規模となり、北米、中南米、欧州、インド太平洋地域の22カ国から70名以上の国際的な政経リーダーが集結した。ワレサ氏は16日の初日、蕭美琴(しょう・びきん)副総統と同席した午餐会で演説を行った。
ワレサ氏は演説の中で、あらゆる問題は平和的に解決されるべきであり、武力や脅迫、そして共産主義的な解決策は必ず失敗すると断言した。さらに、新たな世界秩序における中華民族のあり方についても言及。台湾がより優れたモデルを世界に示しているとし、「台湾が中華民族をリードすべきであり、台湾のモデルと自由が勝利すると確信している」と述べ、大きな注目を集めた。
18年の歳月を経て深化する「民主主義の絆」
ワレサ氏が登壇し講演を行った表舞台の裏では、もう一つの歴史的な対話が静かに展開されていた。林佳龍氏が陳水扁政権下で総統府副秘書長を務めていた2008年、ワレサ氏は「世界新興民主フォーラム」出席のため訪台しており、当時も二人は面会していた。
それから18年の歳月を経て、二人は再び台北で顔を合わせた。関係者によれば、林氏とワレサ氏の会話は、かつての民主化転換の経験から、現代のグローバルな民主主義が直面する課題へと発展したという。

権威主義の拡大にどう立ち向かうか
16日の午餐会で、林佳龍氏とワレサ氏は16日、玉山フォーラムの昼食会で活発に意見を交わした。対話は冷戦時代の民主化運動から始まり、権威主義の拡大に直面する現在の国際社会の課題にまで及んだ。
ワレサ氏は「共産主義は存在すべきではないが、人類は戦争という手段による対立を避けるべきだ」と強調。平和的・制度的な努力こそが、自由と民主主義の長期的な発展を真に保証すると訴えた。これに対し林氏は、台湾の民主化の歩みを共有。外部からの圧力を受ける中で、制度の深化と社会的なレジリエンス(強靭性)を通じて課題に応えてきた台湾の経験を説明した。
ワレサ氏の経験は「現代への啓示」林氏の提案で外交アカデミーでの座談会が実現
関係者によれば、林氏はワレサ氏の歴史的経験が現在の民主主義諸国にとって極めて啓発的であり、民主主義が当然のものではなく、世代を超えて守り抜くべき成果であることを再認識させるものだと考えている。こうした民主主義の経験を次世代へ継承するため、林氏は18日午前、ワレサ氏を外交部外交及国際事務学院(外交アカデミー)に招き、第59期新任外交領事実務研修生との座談会をセッティングした。座談会には、欧州事務を管轄し同学院長を兼務する呉志中(ご・しちゅう)外交部政務次長が同行した。
外交部のプレスリリースによると、呉氏は挨拶の中で、学生時代から民主人権を毅然と守り抜くワレサ氏の精神に深い敬意を抱いてきたと回顧。同学院でワレサ氏を直接迎えることができた喜びを語るとともに、若き外交官候補生たちに対し、より良い世界秩序を築こうとするワレサ氏の信念を受け継ぐよう期待を寄せた。
また、座談会の中でワレサ氏は、自身が歩んできた民主化転換の道のりを研修生たちに親しみやすく共有した。共産主義打倒の必要性を改めて強調した上で、従来の国際秩序が限界に直面している現在、自由と法の支配の精神を堅持し、平和を手段としてのみ、地球規模の課題に対応し新たな国際秩序を構築できるとの見解を示した。ワレサ氏はさらに、歴史が証明している通り中国において共産主義は通用しないと重ねて表明。政治・経済の両面で優れたパフォーマンスを誇る台湾こそが、世界にとって参照すべき良き模範であると称賛した。
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編集:佐野華美
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