中国軍人事粛清、統合作戦能力に影響か 台湾安保当局「米支援削減を狙う『偽装の平和』」に警鐘
国家安全保障関係者は、中国共産党軍上層部の人事異動後、解放軍の統合作戦能力に落差が生じたと指摘している。(写真/解放軍画報提供)
中国共産党の中央軍事委員会副主席、張又侠氏の失脚に伴い、中国軍内部で大規模な人事粛清が続いている。台湾の国家安全保障当局者は、これまでの将官級(上将・中将)にとどまらず、現在は校官級(佐官級)にまで粛清の範囲が広がっていると指摘した。さらに、一連の人事異動後、人民解放軍の「統合作戦能力」に明らかな落差が生じているとの分析を明らかにした。
統合作戦能力の低下と「異例の空白期間」
台湾の安保当局は、中国軍の演習「正義の使命」や「連合利剣」を分析した結果、海空軍の協同作戦能力に変化が見られると言及した。過去の大規模演習では、航行中の艦隊を攻撃する際、分単位での掩護や複雑な連携動作が行われていたが、人事刷新後は一部の基本的な動作が欠落しているという。
また、2月28日から3月13日にかけて、中国軍機による台湾の防空識別圏(ADIZ)への侵入が突如として途絶えた「異例のゼロ更新」についても分析を行った。安保当局者によれば、中国軍は内陸部での飛行訓練は継続していたものの、台湾方面への飛行を意図的に控えていた。これは、台湾への軍事脅威が緩和しているかのような偽りの印象を植え付け、米国による台湾への国防支援を削減させる狙いがあったとみられる。
この期間中、空軍の活動は抑制されていたものの、海軍は依然として5~6隻の艦艇を台湾周辺に展開させており、馬祖・金門・東沙諸島周辺での海警局による威嚇行為も衰えていないことが確認されている。
「米中首脳会談」を見据えた世論工作か
安保当局者は、中国が「対台湾武器売却を減らせば、中国は平和を約束する」という条件闘争を仕掛けていると指摘する。これは近く開催される「米中首脳会談」に向けた地ならしであり、台湾を「挑発者」として描き出すことで、米国の台湾武装を解除させようとする戦略的なナラティブ構築の一環であるという。
しかし、こうした「抑制」は一時的なものだった。米軍のインド太平洋部隊が中東へ転換された直後の3月14日午前7時、中国軍は軍機による挑発活動を即座に再開した。同日には北朝鮮も日本海に向けて弾道ミサイル(後に長距離ロケット弾と判明)を発射しており、米軍の空白を突いて地域に緊張を強いる姿勢を再び鮮明にした。
台湾の安保当局は、2月末からの空軍活動の減少は、米国の支持を弱めるための「偽装工作」に過ぎなかったと結論付けている。地域情勢の変化に応じて即座に圧力を再開した事実は、中国が武力による威嚇を放棄していないことを裏付けており、周辺国に対して警戒を呼びかけている。
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