2021年、新型コロナウイルスの感染拡大がピークを迎え、マスクなどの感染対策物資だけでなく、ワクチンの確保も困難となる中、台湾の仏教慈済基金会(慈済)がBNTワクチンを調達した際、10億台湾元を超える金額を詐取されたとされる事件が明らかになった。
検察・調査当局によると、陳姓の弁護士と李姓のワクチン仲介業者は、BNTワクチンの調達ルートを持っていると偽って慈済の信用を得たうえで、高額な報酬を受け取り、最終的に10億台湾元を超える金額を詐取したとされる。
台中地方検察署は6日、捜査を終結し、元彰化弁護士会理事長の陳昱瑄氏らを起訴した。検察・調査当局は現金や金、預金、高級住宅など、総額10億台湾元を上回る資産を押収・差し押さえている。
事件を受け、慈済は同日、声明を発表。ワクチン調達計画について説明するとともに、司法機関による審理や調査に全面的に協力する方針を示した。
慈済から10億台湾元超を詐取か 弁護士らが信用得た手口
法務部調査局によると、2021年当時、新型コロナの感染拡大に伴い台湾国内でワクチン需要が高まる中、陳氏と李氏は「上海復星の大株主」という特別な背景とワクチン調達能力があると偽っていた。
一方、当時同時にワクチン調達を進めていた鴻海精密工業(ホンハイ)と台湾積体電路製造(TSMC)は、すでに上海復星側とBNTワクチンの調達数量や金額について協議していた。
しかし陳氏と李氏は、鴻海とTSMCも自身らを通じてワクチン調達を進めており、「TSMCは高額な弁護士費用を支払ったことがある」などと説明して慈済の信用を得たうえで、巨額の報酬を要求したとされる。
慈済はその後、陳氏が責任者を務める企業管理顧問会社に対し、累計10億6100万台湾元を超える金額を送金した。
現金9308万台湾元、158キロ超の金などを押収
事件発覚後、検察・調査当局は資金の流れを捜査した。
調査局北部地区機動工作ステーションは今年4月から相次いで捜索や身柄の拘束を実施。捜索では、スマートフォンや帳簿、銀行口座などの証拠品に加え、9308万台湾元余りの現金を押収した。
さらに、158キロを超える金も見つかり、時価は6億5000万台湾元を上回ると推定されている。
このほか、高級住宅や銀行預金、メルセデス・ベンツなどの高級車も押収・差し押さえられ、対象となった財産の総額は10億9000万台湾元を超えた。
台中地検は捜査を終え、詐欺やマネーロンダリングなどに関する容疑で陳氏らを起訴した。

慈済「メディア報道で知った」 ワクチン調達計画を説明
慈済は声明で、当時ワクチン調達を支援した鈺達企業管理顧問有限公司の関係者が犯罪に関与していたことを同日のメディア報道で知り、「深く心を痛めている」とした。 (関連記事: 台湾・慈済のBNTワクチン調達巡る詐欺事件 蔡英文前総統「慈済も被害者」、当時の対応を説明 | 関連記事をもっと読む )
現在は弁護士に対応を委託しており、司法機関による審理や調査に全面的に協力するとともに、基金会や慈済関係者、寄付者の権益を守るため、必要な措置を講じるとしている。


















































