エヌビディア、対中「H200」輸出再開へ 中国が輸入容認、売上の25%は米財務省へ納付

中国サプライチェーン促進博覧会に出席したエヌビディアのジェンスン・フアンCEO。(写真/AP通信提供)
中国サプライチェーン促進博覧会に出席したエヌビディアのジェンスン・フアンCEO。(写真/AP通信提供)

米半導体大手エヌビディア(NVIDIA)が、中国当局から「H200」チップの対中販売について正式な承認を得たもようだ。これを受け、同社は生産ラインを再開したほか、中国市場向けにカスタマイズされた別のAIチップ「Groq(グロック)」の準備も進めているという。

ロイター通信によると、長らく待ち望まれていたこの輸出容認により、エヌビディアにとって最大の懸念が解消されたことになる。米中テクノロジー摩擦による輸出規制が発動される以前、中国市場はエヌビディアの総売上高の13%を占めていた。今回の解禁により、同社は2026年に向けた収益と販売台数の大幅な拡大が期待されている。

ジェンスン・ファンCEOが認可を自ら認める

エヌビディアのジェンスン・フアン(黄仁勲)最高経営責任者(CEO)は、「複数の中国顧客」へのH200チップの販売について当局から承認を得たと認め、既に多く企業からの受注が確定したとコメントした。これを受けて同チップの生産ラインが正式に再稼働する運びとなったことが、フアン氏の気持ちを奮い立たせた。ただ、2025年末にホワイトハウスとの間で締結された協議に基づき、エヌビディアは中国顧客へのH200チップ販売で得た収益の25%を米国財務省に納めることが義務付けられている。

政治に翻弄された供給網、ようやく正常化へ

​これまでエヌビディアは、米中両政府による相次ぐ規制強化を受け、同チップの生産停止を余儀なくされていた。ここ数カ月、ホワイトハウスの承認は得ていたものの、今度は中国側が「国産チップ優先」を理由に難色を示しており、米中双方の許可が同時に下りるのを待つ状態が続いていた。

エヌビディアCEO・黄仁勲氏が最新世代のVera Rubinチップを披露した。(AP通信)
エヌビディアのフアンCEOが最新世代のVera Rubinチップを披露した。(写真/AP通信提供)

今回の報道に対し、中国駐米大使館の報道官は「具体的な詳細は把握していない」として回答を避けた。一方、購入側の中国企業関係者は、北京による最終的な承認の有無については不明としつつも、エヌビディアから「発注が可能になった」との明確な通知があったことを明かしている。

テック大手が先陣を切って輸入

​北京当局がゴーサインを出したことで、エヌビディアの初回供給先がどこになるかに注目が集まっている。ロイター通信が1月に報じたところによると、中国政府は国内テック大手3社であるバイトダンス(字節跳動)、テンセント(騰訊)、アリババ(阿里巴巴)に対し、H200チップの輸入を許可した。また、AIスタートアップのディープシーク(DeepSeek)も認可リストに含まれているという。

新たな「中国向けチップ」の投入計画

​H200の輸出解禁に加え、エヌビディアは中国市場へ合法的に販売可能な新たな「Groq(グロック)AIチップ」の投入準備も進めている。関係筋2名がロイターに明かした。

黄仁勲氏が新たな推論チップを発表。エヌビディアCEO・黄仁勲氏はGTC会議で新型推論チップ「NVIDIA Groq 3 LPU」を公表した。(中央社)
エヌビディアのフアンCEOは、GTCで新型推論チップ「NVIDIA Groq 3 LPU」を発表した。(写真/中央社提供)

エヌビディアはこのGroqチップを投入することで、AIの「推論(インファレンス)」市場を攻略する計画だ。海外メディアの分析によれば、エヌビディアは世界のAIシステムにおける「学習(トレーニング)」市場で圧倒的な主導権を握っているものの、「推論」市場では比較的激しい競争に直面している。バイドゥ(百度)をはじめとする中国のテック大手が、すでに自社製チップの製造能力を保有しているためだ。

関係筋はさらに、この中国向けGroqチップについて、従来の「性能抑制版」や、中国市場のためだけに製造された「専用特注品」ではないと強調した。他のシステムとの適合性や互換性を持たせた汎用性の高い製品として設計されており、5月にも市場に投入される見通しだという。

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