【独自】「米軍はイラン政権打倒を狙っていない」元第5艦隊司令官が証言 ホルムズ海峡は消耗戦に、護衛艦隊でも輸送力の回復は限定的

世界の石油・天然ガス輸送の要衝であるペルシャ湾・ホルムズ海峡の風景。(AP通信)
世界の石油・天然ガス輸送の要衝であるペルシャ湾・ホルムズ海峡の風景。(AP通信)

米国のドナルド・トランプ氏は20日、米国とイスラエルがイランとの戦闘を開始してから3週間が経過した中で、軍事行動を「段階的に終結する」可能性を検討していると突然表明した。これに先立ち、イスラエルのネタニヤフ首相(Benjamin Netanyahu)も、この対イラン戦争は外界の予想よりも「より早く」終結するとの見方を示しており、米国とイスラエルが手を引く可能性への期待が広がっている。ただし、イラン政府がこうした動きに応じるかは不透明である。《風傳媒》が独自に入手した、ある国際金融機関の2026年3月20日付の研究報告によると、米海軍第5艦隊の元司令官で退役中将のケビン・ドネガン氏(Kevin Donegan)は、米国が同盟国とともに護衛艦隊を組織したとしても、回復できる輸送能力は「ごく限定的」にとどまると明かした。

さらに、世界の石油輸送量の約5分の1を占めるホルムズ海峡は、現在もイラン政府の実質的な支配下にあり、航行の安全性は依然として完全には保証されていない。この状況は、世界を新たな形のエネルギー危機へと陥れている。トランプ氏はこれまで、同盟国が護衛任務に消極的であることを批判してきたが、ホルムズ海峡の輸送が近い将来に円滑に回復するかについては、依然として懐疑的な見方が強い。一方でドネガン氏は、米国と同盟国の間で関連する演習計画が継続的に実施されてきたことも明らかにした。

荷姆茲海峽超1萬載重噸油氣運輸船通行量。(圖表來源:華爾街日報)
ホルムズ海峡を通過する1万重量トン以上の石油・ガス輸送船の通航量(図表:ウォール・ストリート・ジャーナル)

米軍はイランで優勢を示したのか?

同報告によれば、政治的には議論があるものの、米軍の目標は一貫しており、イランの域外投射能力の破壊、弾道ミサイルおよび攻撃型無人機の能力の削減、さらにホルムズ海峡を支配する海軍力の弱体化にあるという。米海軍第5艦隊は、ペルシャ湾、紅海、アラビア海、さらに東アフリカ・ケニアに至るインド洋海域までを管轄しており、司令部は中東のバーレーン・マナマに置かれている。今回焦点となっているホルムズ海峡もその防衛範囲に含まれる。

こうした観点から、ドネガン氏は、米軍はイランの軍事能力の削減という点において「非常に成功している」と評価する。「米海軍はイラン海軍のほぼすべての艦艇を撃沈または損傷させた」とし、イランの報復行動も大半は予測の範囲内であったと述べた。米国は以前から、イランがホルムズ海峡を利用して圧力をかけ、中東の米軍基地や湾岸同盟国を攻撃する可能性を織り込んでいたという。

一方で予想外だったのは、イランが湾岸諸国の民間インフラ、例えば観光ホテルや国際空港などを攻撃した点である。これは湾岸諸国に対し、米国へ圧力をかけさせる狙いがあったとみられるが、「幸いにも湾岸諸国はそのような行動には出なかった」と指摘する。 (関連記事: トランプ米大統領、イランに最後通牒 48時間以内のホルムズ海峡開放を要求 関連記事をもっと読む

美國總統川普。(美聯社)
ドナルド・トランプ大統領(AP通信)

米軍の地上部隊が介入しない場合

ドネガン氏は、米軍の地上部隊がイラン領内に介入しない限り、イラン政権の交代は「ほぼ不可能だ」と認めている。というのも、たとえ米国とイスラエルによる最初の共同空爆がイラン政権の指導部に変化をもたらしたとしても、政権そのものを変えたわけではないからだ。つまり、相次ぐ空爆の後も、イランの体制自体はなお存続しているということである。

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