海上を走った日本初の鉄道がよみがえる MoN Takanawaで「高輪築堤」特別展が開催

JR東日本文化創造財団は、日本初の鉄道遺構を紹介する展覧会「THE FIRST RAILWAY」をMoN Takanawaで開催し、点群データ映像や実物史料を通して海上に線路を敷いた先人の軌跡を伝えている。(写真/黃信維撮影)
JR東日本文化創造財団は、日本初の鉄道遺構を紹介する展覧会「THE FIRST RAILWAY」をMoN Takanawaで開催し、点群データ映像や実物史料を通して海上に線路を敷いた先人の軌跡を伝えている。(写真/黃信維撮影)

一般財団法人JR東日本文化創造財団が運営する文化施設「MoN Takanawa: The Museum of Narratives」は、約150年前に日本初の鉄道が開業した際の遺構を紹介する展覧会「THE FIRST RAILWAY はじまりの鉄道ー高輪築堤の物語ー」を、2026年10月8日から11月16日まで開催している。

日本初の鉄道を支えた「高輪築堤」の歴史

明治2年(1869年)、新橋・横浜間の鉄道建設が決定された際、海岸周辺での反対運動などを背景に海上に線路を通す決断が下され、当時の東京湾上に「高輪築堤」が築かれた。

江戸時代以来の石垣技術と英国の鉄道技術を融合し、英国人技術者エドモンド・モレルの指導のもと、正式決定から2年半で開業に漕ぎ着けた歴史を持つ。

同遺構は明治末期から大正時代にかけて埋め立てられ姿を消していたが、2019年の品川駅改良工事中に再発見され、2021年には「旧新橋停車場跡及び高輪築堤跡」として国の史跡に指定された。

松重豊がナレーション、映像と実物史料で当時を再現

会場のメイン展示となる大型映像作品「海上を走る機関車」では、発掘調査時に採取された3次元点群データを活用し、海の上を煙を上げて走行する蒸気機関車の情景を大画面に投影する。

映像のナレーションは俳優の松重豊が務め、かつて海上にレールを敷設した先人たちの革新的な精神を情感豊かに伝える。また、展示空間には高輪築堤の一部を模した造形に加え、実際に使用されていた石や松杭、出土品などの史料も並び、デジタル技術と実物史料の両面から当時の姿を浮かび上がらせる。

高輪築堤の保存・公開を推進、2028年春に一般公開へ

「TAKANAWA GATEWAY CITY」のまちづくりを進めるJR東日本グループは、高輪築堤の保存と開発の両立を目指す「THE FIRST RAILWAY PROJECT」を推進している。

2026年3月より国史跡指定の第7橋梁部約80メートルおよび公園部約40メートルの現地保存・公開工事に着手しており、2028年春の一般公開を予定しているほか、今後は信号機土台部約30メートルの移築保存も計画されている。

本展の会場は「MoN Takanawa: The Museum of Narratives」のBox300で、開館時間は10時から19時まで(金曜・土曜は21時まで、最終入場は各終了30分前)、休館日は10月13日、入場料は無料。

関連企画として、11月1日には建築家の隈研吾や公益財団法人鉄道総合技術研究所アドバイザーの小野田滋らが登壇するスペシャルトークイベント「高輪築堤と街のデザイン」も予定されている。

​​​編集:小田菜々香

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