GMOインターネットグループ代表の熊谷正寿氏は11月2日、東京都内で謝罪会見を開き、グループ会社が提供するクラウドサービスへの不正アクセスに伴う顧客情報の流出や顧客資産の毀損について陳謝した。熊谷氏は、グループのサイバーセキュリティ専門家から事前にシステム上の問題を指摘されていたにもかかわらず、その指摘をサービスの運用に生かすことができなかったと認めた。
また、事故後に笑顔の自撮り写真を投稿したことや、SNS上で被害者に関わる情報に言及したことについても謝罪した。
一方、会見では熊谷氏が涙ぐみながら経営理念を語ったほか、担当責任者にスーツのボタンを留めるよう公の場で注意したり、記者からの質問に「命の砂時計」という表現で答えたりする場面もあり、新たな波紋を呼んだ。日本のインターネット上では、顧客の被害や管理責任を説明する場で、なぜ経営者自身の理念や感情を語ることにこれほどの時間を割いたのかと疑問視する声も上がった。
個人情報漏洩の説明を遮り、スーツのボタンを留めるよう注意
服装への指摘は、記者がグループの別サービス「GMOトラスト・ログイン」におけるデータ管理の問題について質問した際に起きた。同サービスは企業の従業員向けログインアカウント管理を支援するものだが、設定の不備による情報漏洩が発生していた。
記者はこれを踏まえ、グループ全体として基本的なシステム設計や情報管理能力を根本から見直す必要があるのではないかと質問した。熊谷氏がまず回答し、その後、担当責任者に補足説明を求めた。
担当者がマイクを手に説明を始めようとすると、熊谷氏は途中で話を止め、まずジャケットのボタンを留めるよう求めた。さらに「謝罪をしているのに、ボタンが開いているのはどういうことか」と指摘した。担当者は謝罪してボタンを留めた後、回答を続けた。熊谷氏もその後、記者に対して謝罪し、会見は元の質問へと戻った。
別の場面では、熊谷氏がスタッフにプレゼンテーション資料の切り替えを指示したものの、約7秒たっても表示されず、再び切り替えを求めた。さらに約7秒後には、時間がかかる場合は先にその旨を伝え、会場を待たせないようにすべきだとスタッフに指摘。PowerPointをすぐ使えるよう準備しておくよう注意した。
約30分間にわたり理念を説明 記者の質問に「命の砂時計」
会見の第2部は約30分間に及んだ。熊谷氏は経営理念について語る際、目に涙を浮かべ、言葉を詰まらせながら、31年間にわたり常に顧客の笑顔を目標にしてきたと述べた。また、これまで事業において「儲ける」という言葉を使ったことは一度もないと強調し、この業界を去る前に、インターネットを人々に笑顔をもたらすものにしたいとの思いを語った。
質疑応答に入ると、ある記者が、なぜ事故の説明会で理念について語ることにこれほどの時間を割いたのかと質問した。 (関連記事: GMOインターネット、東急不動産などと連携 北海道・石狩再エネ100%データセンターに「GMO GPUクラウド」新拠点 | 関連記事をもっと読む )
熊谷氏は、1日は1440分で、7.5時間の睡眠を差し引くと990分しか残らないと説明し、限られた人生の時間を「命の砂時計」と表現した。その上で、自身がインターネットとGMOグループに人生の時間を注いでいることを理解してほしいとの趣旨を述べた。













































