香港の民主派活動家、黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏が5日、「外国勢力との結託共謀」の罪で、香港高等法院(高裁)から香港国家安全維持法(国安法)違反として禁錮10年の実刑判決を言い渡された。国家安全に関連する罪で有罪判決を受けるのは今回が2度目となる。黄氏は本来、2027年1月に刑期を満了して出所する予定だったが、引き続き獄中で服役することになる。
米ブルームバーグ通信によると、今回の禁錮10年は、香港で国安法が施行されて以来、最も重い判決の一つとなる。香港紙「リンゴ日報」創業者の黎智英(ジミー・ライ)氏は禁錮20年、元香港大学法学部准教授の戴耀廷(ベニー・タイ)氏も禁錮10年を言い渡されている。3人はいずれも香港の民主化運動を代表する人物として知られてきた。
2019年の大規模な反政府デモを経て、中国政府は2020年6月、香港に国安法を導入した。その後、多くの民主派関係者が相次いで起訴・収監され、香港の政治環境は大きく変化した。
裁判官「罪行は重大」 認罪で減刑も禁錮10年
先月、獄中で30歳の誕生日を迎えた黄氏は、「外国勢力との結託共謀」の罪を認めていた。
同氏は2020年末から現在まで拘束されており、すでに6年近く自由を奪われている。これまでは国家政権転覆共謀罪で服役しており、当初は2カ月後に釈放される予定だった。
しかし、譚耀豪(ウィリアム・タム)判事は、黄氏が「犯した罪は極めて重大」だと認定し、共謀行為における同氏の役割は限定的だったとする弁護側の主張を退けた。
香港高等法院は5日、黄之鋒氏に対する判決を改めて言い渡した。(AP通信)
香港高等法院に出廷する、民主化運動「雨傘運動」で学生リーダーの一人として知られる黄之鋒氏。(AP通信)
最終的に裁判官は、量刑の起点を禁錮13年とし、黄氏が罪を認めたことやその他の酌量事情を考慮して3年減刑し、禁錮10年を言い渡した。さらに、そのうち2カ月と2日については、現在の刑期と同時に執行するとした。
黄氏は濃紺の上衣姿で法廷に入り、傍聴席の支持者に向けて手を振り、うなずいてあいさつした。判決言い渡し後、支持者らは被告席の黄氏に手を伸ばそうとしたが、同氏は直ちに法廷から連れ出された。一部の市民は傍聴席を確保するため、裁判所の外で2日前から待機していたという。
香港国安法では、情状が重い外国勢力との結託罪について10年以上の有期刑、最高で終身刑を科すことができる。一方、情状が比較的軽い場合は3年以上の刑が定められている。
雨傘運動の学生リーダー 羅冠聰氏らと外国への制裁要求を共謀
黄氏は15歳から社会運動に参加し、2014年の大規模民主化運動「雨傘運動」で学生リーダーの一人として国際的な注目を集め、香港民主派を代表する人物の一人となった。
2020年末に逮捕・拘束され、2019年の反政府デモに関連する活動に参加したとして、これまでに複数回、実刑判決を受けている。
民主化運動「雨傘運動」で学生リーダーの一人として知られる香港の民主派活動家、黄之鋒氏(中央)。(AP通信)
香港検察当局は2025年、黄氏が2020年7月から11月の間、海外に亡命した民主派の羅冠聰(ネイサン・ロー)氏らと共謀し、外国政府に対して香港や中国当局への制裁、封鎖、その他の敵対的行動を取るよう求めたとして起訴した。
裁判所は、国安法施行前に両氏が外国メディアの取材に応じたことや、SNSへの投稿、海外政府関係者との接触記録などを、関連する活動の背景として挙げた。
香港警察国家安全処の李桂華(スティーブ・リー)総警司は裁判所の外で、今回の量刑は「妥当」だと述べ、今後の対応について律政司(司法省に相当)と協議する方針を示した。
また、黄氏が残りの服役期間中に自らの過ちを反省し、法律を尊重するとともに、国家について正しい認識を持つよう学んでほしいと述べた。
米議会やアムネスティ・インターナショナルが判決を批判
米下院中国問題特別委員会のジョン・ムーレナー委員長は直ちに声明を発表し、黄氏に対する外国勢力との結託という罪は「全く根拠がない」として、即時釈放を求めた。
また、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルのサラ・ブルックス地域副ディレクターは、今回の判決について、香港国安法が真に国家安全を守るためではなく、異議を唱える人々を処罰するための手段となっていることを示していると批判した。
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編集:加藤 (関連記事: 台湾世論調査、「中国との平和統一」容認22% 専門家「香港の現実を知らないのか」 | 関連記事をもっと読む )













































